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チカラ  作者: 長月ニーナ
13/32

十三 退院

翌日、義貴は父親と母親に会いに行った。

彼らは離婚こそしていないが、二人一緒にいることはまずなかった。

義貴は先に母親のいる自宅へ向かった。

母親の予定を聞いて来たのだが、自宅にいた家政婦は申し訳なさそうに出迎えた。

「奥様はまだお戻りではなくて」

「そう」

義貴は淡々と応えた。

出迎えた家政婦は見知ってはいたが、必要以上に会話をすることはなかった。

義貴は自分の部屋には戻らず、母親の書斎に入った。

二十畳ほどの広さがある書斎の片側の壁は一面本棚になっていて、様々な資料が並んでいた。

しかし棚の扉には鍵がかかっていたので中を見ることはできなかった。

義貴は黒い革張りのソファに座って待っていた。

ほどなくして廊下で物音がすると、母親・美子が来た。

「久しぶりね」

美子は一見すると医師に見えない、モデルのように華のある女性だった。

整った顔には感情が出ることはほとんどなかった。

感情を表現するのが苦手な義貴とは、そういう意味ではよく似ていた。

義貴はいきなり母親に用件を言った。

「間宮亮の行動に制限をかけてほしい」

母親は義貴の向かい側のソファに腰をかけると、たばこに火を点けた。

「あの子は勝手に出歩いているだけよ」

「ならば、奴に俺や橋本姫呼の情報を教えるな」

亮に駒を与えたのも恐らく母親だと義貴は思っていたが、それを責めることはしなかった。

美子は煙を吐いた。

「橋本姫呼さん、か。おもしろい子ね。まぁ、母親も変わっていたけれど」

美子は再びたばこを吸うと、義貴を見据えて言った。

「義貴、自分の立場は判っているわね?火遊びはほどほどにしないと、後で痛い思いをするわよ」

「彼女に何かをしたら、俺は俺自身を人質にする。それだけ言いに来た」

「義貴」

「もっとも、俺が死んでも家督を継ぐ人間はいるからな。いっそ、俺の縁を切ってほしい」

美子は煙を吐くと、けだるそうに言った。

「あなたは間宮家の正式な系統者よ。家督を継がなくてどうするの」

「あんたのお気に入りに継がせればいい。それじゃ」

それだけ言うと義貴は立ち上がった。すると美子は言った。

「義貴、今のあなたには敵がいない。実際、親の経済力がなくても一人でやっていける。

でも憶えておきなさい。間宮の家を無視することはできない」

義貴は母親を見た。美子は続けた。

「間宮家全体はあなたよりもチカラがあるの。いずれそのチカラを知ることになる」

義貴は母親を見返して言った。

「俺には組織のチカラは必要ない」

義貴はソファを立った。

母親はそれを止めるでもなく、義貴の背中に向かって言った。

「あなたは脱俗超凡だつぞくちょうぼんなの。非凡とかいうレベルではない。

私は一時、自分の能力に酔ったことがある。

自分の作ったモノを大事にしたこともあった。でも継いできたモノに勝てなかった。

それを気づかせてくれたのが義貴、あなたなのよ。

私が産んだ子供が一番、優秀だった」

義貴は振り返って応えた。

「俺はモノじゃない」

「そう。モノじゃない。でも私たちは所詮、大きな流れの一つに過ぎない」

「俺は俺だ。いくら母親でも、彼女に何かしたら許さない」

義貴はそう断言すると、部屋を出て行こうした。美子は義貴の背後から声をかけた。

「一昨日、夏日の病院を抜けてどこに行っていたの?」

義貴はその質問に答えずに出ていった。


***


義貴は母親との会話の間、自分の感情を抑えていた。

しかし部屋から出た瞬間に耐えられずにいらいらしていた。

正確には、母親といるのが耐えられなくなって、出てきてしまったのだ。

母親は一見息子を持ち上げるようで、でもいつも上からの視線で自分を見ている。

親ならば誰でもそうかもしれない。

しかし義貴は思った。


ーー親と自分の間に感じる大きな溝は何だろう。


義貴は、大和と千紗都の関係を思い浮かべた。

千紗都には存在感があった。

他人を惹きつけるパワーを持っている彼女はしかし、いつも子供のことを考えていた。

そして、義貴を子供扱いした。

これまでの義貴には向けられてこなかった感情が、義貴には心地よく、そして双子を羨ましく思った。

自分の母親が考えているのは、常に自身のチカラと家のことだったから。

義貴は自分の部屋にも寄らず、そのまま家を後にした。


***


父親は両足が不自由なこともあり、会社の近くにマンションを購入して住んでいた。

義貴がマンションに行くと、父親の兄が出迎えた。

「義貴。久しぶりだな」

そう言ったのは伯父の義住だった。

父親の異母兄弟にあたる義住は、間宮や上宮の能力は乏しかったが、間宮家の中でも社交的な人物で、父親の片腕として間宮家を仕切っていた。

結婚はしていないものの、服はいつもセンスがよく、人当たりも良かった。

しかし義貴は、義住といるといつも落ちつかなかった。

「怪我の具合はどうだ?一時、行方不明になったって聞いて、心配したよ」

心配する口調の伯父に、義貴は尋ねた。

「・・・誰から?」

「美子さんから」

義住は穏やかな笑顔で応えた。

義貴が居間に行くと、父親の乗っている車椅子が見えた。

父親である義樹は車椅子に乗っているせいか、小柄に見えた。

むしろ伯父の方が社長に見えるほどだ。

父親は会社では電動の車椅子だったが、マンションでは普通の車椅子を使っていた。

普通の方がチカラで動かせるので楽なのだという。

義樹の母親も下宮の家系なので、義貴と同様の能力があるのだが、義貴の目の前でチカラを発揮することはほとんどなかった。

もっとも、父親は株の投資家として活躍しているので、先読みのチカラを仕事に発揮していることは明白だった。

「父さんと二人で話がしたい」

父親は伯父に目で合図をすると、伯父は黙って居間から出て行った。

二人きりになった部屋で、父親は口を開いた。

「どうした、義貴」

義貴は即答した。

「俺は間宮を継ぎたくない」

義貴は子供の頃から父親とほとんど会っていなかった。


***


義貴が中学校に入って間もない頃、父親はいきなり義貴の目の前に百万円を置いた。

そして、

「この金を三年間お前に預ける。投資をするなりして増やしてみろ。

三年後に百万円を返せば、利益はお前にくれてやる」と言った。

父親は百万円を返せなければどうするか、という話はしなかった。

義貴は株を購入した。

他に稼ぐ方法が思いつかなかったからなのだが、三年間で三億を稼いだ。

生活資金を得た義貴は、高校受験の際に両親に宣言した。

「高校に進学するときに家を出る」

義貴は小学校から大学までの一貫教育の学校に通っていたので、高校受験をする必要はなかった。

しかし、家を出ることだけを目標に受験を決めていた。

すでに両親はほとんど義貴と会うことがなかったので了承したが、一つだけ母親は条件を出した。

それは「舞のいる高校に通うこと」だった。

義貴がこの数年の出来事を思いだしていると、奇人とも思える父親はしかし、普通の親のような発言をした。

「なんだ、美子とけんかでもしたか?放っておけ」

真剣な義貴に対して、父親は明らかに喧嘩をなだめるような口調だった。

「放っておけない」

「お前は自活できる金があるから言っているのかもしれないが、まだ子供だ。

家の話は成人してからにしよう」

ならばなぜ父親は十三歳の子供にぽんと百万円を渡したのか、義貴には理解できなかった。

「もう、母親に振り回されるのはたくさんだ」

義貴は父親には感情を露わにして話した。

すると父親は義貴に尋ねた。

「好きな人でもできたか」

義貴は黙った。

「ほどほどにしておけ。でないと・・・」

父親の言葉に対して、義貴は返した。

「傷つくことになる、自分のように。か?」

義貴の言葉に父親は黙った。

「俺は父さんのようにならない。大事な人を諦めない」

父親にはかつて愛していた女がいた。

義貴がそのことを知ったのは、中学二年の頃だった。

しかも知らされたのは母親からだった。

父親は軽くため息をついた。

「私と同じ轍を踏むな。でないと大事な人間を死なせることになるぞ」

そして父親はそれ以上、何も語らなかった。


***


入院して四日目になるとひーこの熱も下がり、縫った傷の抜糸もあらかた済んでいた。

頭の打撲も異常が見られないので、夕方に退院することになった。

診察を終えて病室に戻ろうとしていたひーこは立ち止まり、廊下の窓から外を眺めた。

ガラス張りの廊下からは、夏の気配がする中庭の様子が見えた。

大きなガラスを見たひーこは、義貴と亮の戦いを思い出していた。

ひーこが義貴の家でチカラを見たときはマジックかと思っていたのだが、亮との戦いを見て義貴のチカラをようやく実感した。

義貴を拉致してまで「何か」を手に入れたがっていた夕ーー彼女が何を欲しかったのかは義貴にも聞けずにいたがーーそれほどのチカラを持っている義貴の存在がとても不思議だった。

ひーこも特別な才能を持つ人間は世の中に存在するとは思っていたが、そういう人間は自分とは縁のない人なのだとも思っていた。

亮と戦っていた時の義貴は、自分が今まで見ていた彼とは印象が違っていたのを思い出した。

とても好戦的だった義貴の表情が、ひーこを少し怯えさせた。

そう考えていたひーこは、窓ガラスに映った義貴と目があって一瞬たじろいだ。

ガラスに映った今の義貴は、どう見ても普通の高校生だったが。

「ひーこ、どうした?」

義貴の声に反応してひーこは振り返った。

ひーこは取り繕うように明るく言った。

「夕方に退院するから天気が保つかな、って」

ひーこの気持ちが義貴に気づかれたかどうか、ひーこには判断できなかった。

義貴からはひーこの顔が陰になっていたので、表情を読み取ることができなかった。

「そうか、退院できるんだ。良かった」

義貴はそう言うと、ひーこを促して病室に戻った。

ひーこがベッドの上に座ると、義貴は近くの椅子に腰をかけた。

「今日、家まで送る」

義貴は言ったが、ひーこは遠慮がちに言った。

「荷物もあるし、大和が迎えに来るって」

「そうか」

そう言う義貴はとても紳士的な恋人だった。

ひーこには、義貴の振るまいが彼の本心なのか、感情を隠しているのか判らなくなっていた。

ひーこは気持ちを隠すように明るく言った。

「夏休みだから登下校はないけども、時々は会おうよ」

「ん」

義貴は言葉少なく返した。

その時、病室のドアからノックする音がして、大和が入ってきた。

「ひーこ、退院の支度はできたか?・・・ってまだ寝間着だな」

底抜けに明るい弟の声を聞いて、義貴は少し笑った。

ひーこは笑いながら言った。

「まだお昼前だよ」

大和は義貴の隣の椅子に座ると二人に言った。

「今日の夕飯、母さんが寿司買ってくるって。間宮も来いよ」

「いや、快気祝いは家族でしてくれ」

義貴が断ると、大和は笑顔で返した。

「母さんがテレビ局の近くの有名な寿司屋に予約しているらしい。

間宮の分も買ってくるから連れてこいって。

家に戻ってもひとりなんだろう?家に来いよ。

本当は店で食べられると良かったけど、ひーこはまだ包帯しているし」

義貴は少し照れたように言った。

「人の家に行くのは緊張する」

大和は少し意外そうな顔をした。

「いつも飄々としている間宮が緊張する姿は想像できないな」

「そんなことないって」

「まぁ、今日は来いよ。お祝いだから」

大和の誘いにひーこも加勢した。

「ね、来てよ。間宮くん」

義貴は照れつつ頷いた。

義貴が他人の家に招待されたことは、夏日家以外では記憶になかった。

そして、こんなに強引に誘う友人は義貴にはいなかった。

特別いじめられていたわけではないが、子供の頃は今よりも発作が多くて学校を休みがちだった。

そして高校に入っても、特別親しい友人はいなかった。

そんな義貴に、大和は気軽に話しかけてきた。

大和からみれば姉の恋人だからかもしれないが、大和は人の心を開かせる雰囲気を持っていた。

姉であるひーこも、具合が悪かったとはいえほとんど話をしたことがなかった義貴を家まで連れて帰ったのだ。

義貴は思った。


——不思議な姉弟だ。


***


ひーこは夏休みの半分を怪我の療養のためにほとんど寝て過ごしたが、後半は日常生活を送れるまでに回復した。

そこで平日の昼間は、義貴と近くの市立図書館で勉強することにした。

ひーこは宿題をため込んでいたが、義貴は課題をあらかた終えていたので、本を読んだり、ひーこが課題で悩んでいるところを教えたりしていた。

そして時々、義貴は窓の外を見てぼうっとしていることがあった。

ひーこは義貴が自分の勉強にわざわざつきあってくれているのかと思っていたが、そうでもないようだった。

夏休みも終盤に入ったある日の午後、図書館からの帰り道にひーこが尋ねた。

「私につきあって無理して図書館に来ていない?今日はずっと窓の外を見ていたでしょ?」

「そう?」

「うん」

「別に意識はしてないけど・・・でも、窓から見る景色は好きだな。緑とか花とか。

自分では植物とか世話をしないから」

義貴の言葉はひーこには意外だった。

義貴には無機質なイメージがあったからだ。

「そっか」

少し時間が経ってから、義貴はひーこに言った。

「今日は早く出てきたし、うちに寄っていかないか?」

義貴はいつも図書館からまっすぐひーこの家まで送っていた。

ひーこは義貴の言葉に少しどきっとしながら言った。

「いいけど」

義貴は淡々と言った。

「うちにお茶を置いてあるだろ?時々飲んでもらわないと、減らない。

俺は飲まないから」

義貴の平静とした態度に、ひーこは何故かほっとした気持ちで言った。

「そうか。間宮くん、コーヒー好きだから。

ねぇ、お茶を飲むならケーキ買っていこうよ?」

「そうだな」

二人はケーキ屋に寄り、義貴の家に向かった。


***


ひーこが義貴の家に行くのは、男達に襲われて以来だった。

義貴のマンションの玄関を見たひーこは一瞬そのことを思い出したが、義貴に気づかれないように明るく振る舞った。

義貴の部屋には色も飾りもほとんどない。

広いリビングに白いカーテンに白木のダイニングテーブル、白いソファとベッドが置かれており、シンプルとも殺風景とも受け取れた。

ひーこはケーキを出すための皿を探したが、食器のほとんどが白だった。

「白が好きなの?」

ひーこが尋ねると、義貴は急須とコーヒーポットに湯を入れながら応えた。

「こだわりはないよ。選ぶのが面倒で、同じシリーズの食器をまとめて買っただけ」

義貴はひーこの前にお茶を置いた。

ダイニングテーブルに向かい合ってお茶を飲んでいると、ひーこはつきあいはじめの時に二人が喫茶店でお茶を飲んだ日の事を思い出した。

あれからまだ二ヶ月程しか経っていないのに、とても昔の出来事のような気がした。

ひーこはいつも積極的に話かけるのに、今日は義貴が声をかけるまで何も話をしていなかった。

「・・・何を考えている?おとなしいな」

ひーこは義貴の声に我に返った。

ひーこはあわてて応えた。

「ん、なんでもないよ」

義貴は席を立ち、ひーこのそばに歩いてきた。

義貴はひーこの椅子に手をかけると、ひーこにキスをした。

ひーこは最初の時ほど緊張せず、目を閉じて義貴に応じた。

義貴は唇を離すと、ひーこを抱えてソファに座らせた。

「・・私、間宮くんによく抱えられているよね。重くない?」

ひーこが照れ混じりに言うと、義貴は即答した。

「重い」

「ひどい」

義貴はひーこを左手に抱えて再びキスをした。

そしてキスをしたまま、義貴の右手はひーこの服の上から左胸に触れた。

ひーこは少し驚いて目を開けたが、再び目を閉じて義貴に身を任せた。

義貴は唇を離すと、ひーこの顔を見た。

「嫌なら言っていいよ」

義貴は言った。

ひーこは頭を横に振って応えたが、義貴の視線が恥ずかしくなり、視線を外して自分の胸元を見た。

義貴の手が動くたびに、ひーこは息が乱れそうになるのを抑えた。

「緊張する」

そう言ったひーこは鼓動も息づかいも、義貴に聞こえそうな程に高くなっていた。

義貴は最初からひーこを抱くつもりで家に誘った訳ではなかったが、ひーこの唇に触れた途端、気持ちを抑えられなくなった。

義貴がひーこのブラウスのボタンを外し始めると、ひーこは恥ずかしさに耐えられなくなり、義貴の肩に自分の顔を埋めた。

義貴は右手でブラの肩ひもをずらすと、そのまま指を滑らせて素肌の胸に触れようとした。

その瞬間、二人は同時に亮の言葉を思い出した。


——もうすぐ彼女に会わせてあげるよ。そうしたら彼女の左の胸元を見たらいい。俺の食べ跡があるから。


亮がひーこにつけた内出血はすぐに消えたので、ひーこの胸元には何の跡もなかった。

しかし義貴の手が一瞬、内出血のあった付近でためらったのを感じたひーこは、反射的に身を退くと、ブラウスを引き寄せて自分の胸元を隠した。

ひーこは義貴に触れられるのは嫌ではなかった。

しかし亮の言葉を思い出したら、いたたまれなくなった。

亮に触られたのも、跡を付けられたのも事実で、義貴はそれを知っているのだ。

ひーこはどんな顔をしていいのか判らず、目を伏せた。

義貴は、自分のためらいをひーこに見抜かれて、とっさにどうしていいか判らなくなった。

義貴はひーこを抱きすくめた。

お互いが、お互いに思った。


——ごめん。


しかし言葉にすれば亮の話題になりそうで、二人は口に出せなかった。

部屋の中に夕日が差し込み、赤く染まる。

義貴はしばらくそうしていたが、ひーこの首筋にあった傷の跡に軽くキスをすると、身体を離した。

「・・そろそろ家に戻らないと。送っていく」

「・・・うん」

ひーこはブラウスのボタンを留めて服を整えた。

義貴に対して申し訳ない気持ちで一杯だった。

義貴は、自分がひーこの胸の傷を見たことを思い出して後ろめたさを感じていた。


***


ひーこの家までの帰り道、隣を歩いているのにひーことの距離を感じた義貴は、初めて自分からひーこの手をとった。

理由を知らないひーこは少しだけ驚き、そして嬉しかった。

「・・・どうしたの?」

「なんでも」

まだ暑さの残る晩夏の夕暮れだったが、手のぬくもりは互いの気持ちを暖めていた。

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