ドゥルアアア!!
西大陸、魔物達が住まうリュウの渓谷。その渓谷の谷底を独りの老人が胡座をかいて盃に酒を注いで眺めていた。
こんな生活をし初めて凡そ2年の月日が立っていた。
じっとその谷底を何かを待つかの様に眺めている。その老人の背後から6枚の白い羽を生やしエメラルド色の髪をした天使がゆっくりと舞い降りていた。その姿を老人は見ないでも分かっていた。
天使は羽をしまい老人に声をかけた。
?「久しぶりね、5年ぶりかしら?」
老人は盃に入っていた酒を飲み干して言った。
?「さあな、年取ると記憶があやふやなもんでな」
老人は再び盃に酒を注ぐ。
?「お酒ばっかり飲んでるからじゃない?」
?「酒こそ人生の楽しみってもんだ…、他に楽しみな事と言えば…、彼奴の成長を見ることだけだな。それで何しに来たミカエル」
ミカエルと呼ばれた天使は老人が手に持っていた盃を奪い中に入っていた酒を飲み干した。
ミカエル「息子の顔を見に来た理由がいるかい?バハムート」
?「その名で呼ぶな…、その名は息子が継承したんだろ」
ミカエル「今は孫のブローがそう名乗ってるわよ、会いたい?」
?「俺は世間からは死んだ事になってらぁ、初代バハムートであるカザリアは死んだ」