3、プロローグを書く
主人公の紹介かー、やっぱ最初に持って来たいよなー……最初……
あ……あーーーーーー!
「プロローグがあるじゃないか!」
「何なのやぶからぼうに」
「やぶからぼうって……君は何時代の人なんだい」
「れっきとした現代人ですよ」
「なんで敬語なんだい」
「別に他意はないんですのよ」
「今日はお嬢様キャラなのかい」
「もういいから話進めなさいよ、今日は何?プロローグ?」
「そうプロローグ、こないだ自己紹介に詰まってたじゃない、僕」
「そんな事あったかしら」
「君はもう少し僕に興味を持ってくれてもいいと思う」
「だって上松君のペースに乗ると面倒くさいし、でプロローグをどうしたいの」
「自己紹介の場所として使えるじゃないか!」
「何そのさも自分が発見しましたみたいなテンション、それ普通だからね」
「えー」
「えーじゃないわよ、そもそもプロローグって、邪道とまでは言わないけど、蛇足的な部分を最初に持ってくるような物だからね、それありきじゃダメなのよ」
「そうなの?」
「いや実際のところは分からないけど……プロローグ込みで作品として完成されてれば良いんじゃない?ただ、登場人物とか設定とかのネタバレ箇条書きはプロローグとは認めないわ」
「じゃあ自己紹介はダメ?」
「良いんじゃない?プロローグに入学したての自己紹介を持ってくる、本文は二年生から始まる、みたいな?」
「おお、この作品そうすれば良かった!」
「何よ今さら、でも上松君最初の自己紹介とか憶えてるの?」
「……憶えてなかった」
「じゃあダメね」
「くっ……それはフィクションだしどうとでも捏造して……!」
「こないだオリジナルキャラ頑なに拒んでたくせに、そういうのはいいんだ?」
「それは……ダメかー」
「どうせ上松君の自己紹介なんて無難で個性のないどこに出しても記憶に残らない平凡な物なんでしょ」
「それ言って僕が傷付かないとでも思っているのかい」
「平凡が個性と言えばそうかもしれないわね」
「君は本当に僕に対する扱いが酷いね」
「ありがと」
「褒めて無い」
「まあそれはいいんだけどさ」
「あ、うん、いいんだ?」
「プロローグってやっぱり色々便利なのよね、これは上手く使っていきたいわ」
「色々って何なのさ」
「例えばそうね……異世界転生ものだとするじゃない?」
「うん」
「転生前の日常から始まるとして、転生先の世界をプロローグで表現しておく、とかね」
「ほうほう」
「それも敵役とかにスポット当てても良いし、序盤だけ絡むモブキャラでもいいわ」
「なるほど、読み進めるとプロローグのあいつだ!ってなるわけだね」
「その通り、他には、本文が一人称ならそれこそ別視点で主人公の生い立ちやら設定を羅列したって構わないわ、プロローグだけ視点が違っても違和感ないもの」
「あ、そっか、そうだよね」
「そう、プロローグだけ時間を過去の話にして自己紹介させるもよし、モノローグで独白させるもよし、第三者から見た主人公でもよし、というわけ」
「なるほどなー」
「一々誰々視点って変えないなら、別のキャラ視点はここがチャンスってわけね」
「三人称視点なら?」
「態々プロローグでやるような事は少ないんじゃないかしら」
「う~ん、難しいね」
「まあ、ある程度書き進めてから、蛇足が欲しくなったらプロローグを足すのも有りだと思うわよ」
「そうだね、そうしようかな、とにかく今はこれを書き進めなきゃ」
「これってどれ?また新しく書き始めたの?」
「小説を書く練習をする。」
「うん、何?練習するの?」
「あ、これがタイトル」
「は?何ふざけてるの?」
「わりと大真面目なんだが……」
「誰が読むのよこんなの」
「まあ読むか読まないかは自己責任!」
「そういうの責任転嫁って言わない?」
「言わない、つまらなかったら途中でどうせ読まれなくなる!」
「まあそれが心理ね」
「この作品の本質は、僕の小説を書く練習になるかどうかだ、だから読まれようが読まれまいが関係ないね!」
「で、本音は?」
「カウント増えると嬉しいです」
「これ投稿して良いレベルなの?ちょっと読ませてみなさいよ」
「え?なんで?」
「気になるじゃない、どんな事書いてるのか」
「これをそのままだよ」
「これって?」
「この会話」
「この会話?」
「そう、だから君は読まなくても分かるはず、ほれほれ」
「ぎゃああああ!何この知ったかぶり女!イライラする!」
「それ君だよ……」
「削除しろぉおお!」
「ちょ、やめ、嫌だよ何なんだよ」
「おらあああ!」
「あ……アッーーー!」




