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価値  作者: 海華
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「おかえりなさいませ……おやおや、リコリス様とても可愛らしいですね」


「オル爺さんただいま!!」



お家に帰るなり、褒めてくれたオル爺さんに抱きついて「あのね、側に居ても良いって!!」と報告をすると

オル爺さんは皺を深くしながら笑って、優しく優しく髪が崩れないように撫でてくれた



「良かったですねぇ。これからもこの爺と仲良くしてくださいね?アレク様、お荷物をお持ちいたします」


最後に頭をポンポンしてくれたのを離れる合図と取り離れると、オル爺さんはアレクさんが持っていた私のドレスとかなんかいっぱいの荷物を受け取った


「来い」


「はい!!」


そして歩き出したシーザー様について行くけど、アレンさんとオル爺さんは着いてこないで手を振るだけだ


あの時とは違い

シーザーさまの隣を歩ける。ただそれだけのことが嬉しくて仕方がない。


シーザー様のお部屋の場所は知っている。もちろん他の部屋も全て把握済みだ



とは言え、私が『知ってはいけない』部屋も何部屋もあるが。そんな部屋はきちんと関わってはいけない部屋として認識している



「入れ」


「はい」


やはり目的地はシーザー様の自室で

金色の可愛らしい鍵でカチャリと開けて、促してくれた中は凄い場所だった



ぼてっと、一抱えもありそうな大きな首飾りが転がってると思えば壁一面には棚があり本がみっちり詰まっていた



他にも一目見て凄そうなものがそこらじゅうにいっぱいある…転がってる?

そんな中、ベッド上に脱ぎ捨てられた夜着がシーザー様の人間らしさを表していてなんだかおかしい



「これから俺が外出するときはお前も着いてこい。屋敷で仕事をしてる間は鍛錬でも休息でも好きにしろ。寝るときはお前もこの部屋で一緒に寝ろ……俺は価値が高いものは側に置く主義だ。」



「かしこまりました」



内心は価値が高いと言われて跳び跳ねちゃいたいくらい嬉しいのを、必死にこらえて微笑みを保つ



「俺は少し寝る。オルが来たら起こせ」


そう言うとシーザー様はスーツのままベッドに飛び込んで眠り出した


………どうしよう…正直暇である。そう思ったが、もしや私は護衛も兼ねてるのだろうか


そう思うと俄然やる気が出てきた


だから扉の横に立って、じっと侵入者が入ってこないように待つ。待つ。待つ。




……………暇である。



『聖なる光よ、あまねあまねく生命のエネルギーよ。今我が元に集いその恩寵を示したまへ……トータルヒーリング』



暇だから、かける対称はいないけど神聖魔法をなんとか詠唱を略して唱えられないか特訓をする


けれどほんの少し略しただけで、体にかかる負担はぐっと増えた


でもなぁ

もともと10分くらい詠唱しなくてはいけないのを、ここまで短く出来たんだから折角なら詠唱破棄して使えるようになりたい



『光よ、大自然よ、生命のエネルギーよ。今我が元に集いその恩寵を示したまへ……トータルヒーリング』





扉の脇で三回目を唱えたとき

ちょっとだけ目眩がして、魔力が底をついたのを感じた


昨日は興奮して眠れなかったし、あまり魔力回復してなかったのかなぁと思いつつも、ここから限界突破で魔法を使えばめちゃめちゃ苦しいけどきっともっと強くなる!!



鍛錬に集中する私はさっぱり気づいてなかった



「うるせぇ」


シーザー様が起きていたことに

その言葉にハッとすると謝罪をするより早く、頭を鷲掴まれた



「し、シーザー様?も、申し訳あり「高い声で喚くな。うるさい」」



そのまま引きずられて

ベッドに放り投げられて

抱き枕よろしくと言った状態でシーザー様に抱かれた


ほわーい?


よくわからない状態に頭の中でクエスチョンが乱舞する



「俺が寝るときは、お前も寝ろ。同じことは三度は言わねぇ」


さっぱり抱き枕の意味はわからないが

とりあえず低い声で唸るように言われ、疲れていたしそのまま大人しく眠りについた






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