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価値  作者: 海華
11/12



────許さない



『ついに聖女を奪ったぞ!!』



────絶対に許さない



『こうなればあいつは用済みだ。さっさと処分するにかぎる』



────シーザー様に仇なす人は



『だいたいあいつは気に入らなかったんだ。裏の役者のくせに表まででばってきて』



─────────その命をもって償え



『聖女…?な、何を、うわああああ』





ステンドグラスの綺麗な大きな窓

白と金で統一された部屋の中

白と青い豪華な服を着た人々─────の死体。



部屋には白と金の他に赤い鮮血が混じり

赤い血肉はこの部屋の違和感と化す。

もちろん、帰り血を浴びた私も例外無くこの部屋の違和感となった



いや、初めからここに馴染むなんてあり得なかったんだ






空腹で死にそうなとき

父さんに殴られて痛くて痛かったとき

母さんが私を見捨てて逃げたとき

酔っぱらった貴族に杖で殴られたとき

野犬に噛みつかれたとき






全ての苦しくて辛いとき

カミサマは、なにもしてくれなかった


私のカミサマはシーザー様なんだ。彼以外私を救ってくれなかった



けれど私が敬愛する彼のもとにはもう戻れない


唯一の救いは、彼にとって不利益なこいつらを殺せた………きっとお役に立てたと言うことだろうか



血肉のへばりついた燭台を捨て、美しいステンドグラスを見上げる



ああ、違う

きっと私は、こいつらを殺すためにここに送られたんだ

けれど教会の重鎮を殺したとなればさすがのシーザー様も揉み消せないから、そのまま処刑されろってことなんだ



そう考えれば



「失礼しま……う、うわあああ!!お前、な、何を」



死ぬことも怖くない

自然に浮かぶ笑みのまま、入ってきた青年を見やれば




彼は恐ろしそうに驚愕した表情を浮かべた








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