新たな出会い
駅の正面に立った僕は、唖然とした。
そこにあるのは、いつも見ている駅ではなく、破壊しつくされた世界が広がっていたから。
さらに、奇妙な生き物が、ドームの上にいる。
そのドームの下にある門には、邪悪な気配がする限りなく紫色に近い黒色のものが、渦巻いていた。
「千一くん、あの上にいるのが、ルーラーだよ」
「門に渦巻いているのは?」
「ゲートだよ。まだ完全に開いてないから、地球外生命体は少ないけど、開いたら、この星は、終わる」
「じゃあ、早く閉じよう! あいつを、叩き斬ってやる!!」
破壊しつくされた街を見て、精神的に参っていたのか、頭が非常に混乱している。
「千一くん! 待って!」
001の声も聞かず、門へ向かって走る。
しかし、噴水の前で、ルーラーがこちらに気付き、遠吠えをする。
遠吠えだけで、大きな地響きが起きる。
あまりの揺れに、立っていられなかった。
近くの瓦礫が、僕に飛んでくる。
「うわあああ!!」
半透明な球体に包まれ、瓦礫は無残にも飛び散った。
「またまた間一髪・・・」
「あ、ありがとう」
言葉を発して気付いた。僕は、泣いていた。
「千一くん、落ち着いて聞いて、ここから先は、ルーラーには近付けない。見えにくいかもしれないけど、ルーラーの上を見て」
正面から見たルーラーの頭上には、三つの場所から黒い光線が来ている。
「千一くんはこの星の、ここの人住人だから、どこに何が来てるか分かると思うけど、分かる?」
方向を見て、すぐに何があるかを脳内で思い出す。
「ルーラーの背後は県庁、左から来てるのは城郭、右は・・・」
直後、ルーラーは口を開き、何かを吐き出そうとしていた。
「逃げて!!!」
001が叫んですぐに、頭上から、知らない人の声が割って入る。
「待て」
気付かなかったが、ルーラーのすぐ横には、僕と同じ身長くらいの、髪が背中まで伸びている男がいた。
そして、その男は、ルーラーの動きを止めた。
ドームから下りてきて、僕の前へと着地する。
「君は、この星の人間だね?」
「あんたは・・・?」
「僕は、ヴイバサ」
ヴイバサと名乗るその男は、見た目は僕と同じ、人間のように見える。
「君のような戦う覚悟のある知的生命体、僕は大好きなんだ」
瞬時に体が臨戦態勢に入る。完全に無意識だ。
「大丈夫。安心して、今は殺さないよ。逆に、君を気に入った。君のことを、見逃すよ」
「今のうちに逃げて!! 千一くん」
「君の名前は、チイチか。チイチの勇気の根源は、その小さな機械なんだね。とても面白い。チイチたちの力、見せてくれ」
笑みを浮かべているヴイバサは、手を叩くと、僕たちを駅の反対側へとワープさせた。
「あれ? 何でここにいるんだ?」
「空にある線を辿っていきな。この三つの線をすべて消し去らないと、ドームの上の生き物は倒せないよ」
僕のすぐ横で、ヴイバサが話し始める。
「わあああっ!」
「そんなに驚かなくて良いよ。さっきも言ったけど、今は殺さないから。じゃ、頑張ってね」
別れの言葉を言った直後、ヴイバサは姿を消した。
「な、なあ・・・ヴイバサの言うことを聞いても良いのか?」
「本当に、千一くんを殺さなかったのを見ると、『今は』大丈夫そうだね。とにかく、光線の方には何がある?」
周りの建物がなかったが、唯一崩壊していなかったのが、先ほど僕が口に出した県庁だった。
「あそこだろうね。あれは、この県の、県庁だ」
「じゃあ、県庁へ向かいましょう」
つづく
今回の話とあまり関係ないのですが、話の設定が少しだけデビルサバイバー2に似ている気がしてきました。
その辺を気にしないで読んでいただければ幸いです。
ちなみに、僕はデビルサバイバー2をしたことありません。




