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駅へ

お待たせしました。8ヵ月ぶりの2話です。

忘れていたわけじゃないですが、他の話に夢中になりすぎました。

3話はなるべく早めに投稿します。

僕は不思議な力を手に入れた。音楽プレーヤーが僕の力の元になっていると言っても良い。

今まで通り音楽プレーヤーとしても使えるが一番変わったことはアイコンだろう。

ロック画面もホーム画面も何も変わってないがアイコンの一部にブレード、シールド、アタックの三つが追加された。

今まではマウとカイペしかなかったもの寂しいホーム画面が一気に増えたので、にぎやかになった。


「・・・で今からどうすんの?」

「だから!! 駅に向かうって言ってんでしょ!」

「駅に向かうって言ってもさ、さっきのあの変な地球外生命体みたいやつらがウジャウジャいるんじゃないの?」

「否定はしないわ」

「あ、そうそう。話変わるけどさ。いろいろありすぎて聞きそびれたけど何で校庭が爆発したの?」

「私も話変わるけどさ」

「いやいやまず僕の話を聞いてよ。何で」

「千一くん後ろ!!」

彼女がそう言った瞬間にさっき倒したはずの地球外生命体がそこにいた。

「うわあああっ!!」

右手が剣のままだった僕は、勢いよく水平に振った。

爪が僕の身体に触れるまで残り数センチと言ったところで、地球外生命体の身体は綺麗に真っ二つになった。

「千一くん。もっと周りをよく見てよ」

「そ、そそ・・・そんなこと言われてもさ・・・! あいつら音もなく近付いてくるんだよ!?」

「今回も私がいないとあなた死んでたわね」

「こ、今回ばかりは、君に、感謝するよ・・・」

僕は息を吐いたり吸ったりを繰り返すが、何も変わらない。

しかし、音楽機器を彼女に乗っ取られた以上、何もすることが出来ない。

「ね、ねえ。本当に駅へ向かうしかないの?」

「さっきも言ったじゃない。戦わずに地球と一緒に死ぬか、戦って死ぬか」

「死ぬことが前提なのは、どうにかならないの?」

「それは千一くんの運によるから、私にも分からない。でも、私もいるから、死ぬことはないと思うよ。多分」

「多分じゃ困るんだよ!」

そうは言いつつも、僕は学校から出て、駅へと向かった。


空は赤く染まり、あちこちで火事が起きている。

僕の高校から駅まで、自転車で三十分以上かかるので、歩いて駅まで向かうと一時間はかかると考えるべきか。

「千一くん、私がいるからとにかくは安心して」

「そ、そうは言っても、燃えてるんだよ?! 落ち着けるわけないって! あと、いつまで右手が剣のままなんだよ! 恥ずかしいんだよ!」

「あ、ごめんごめん。じゃあ、戻すね」

そう言うと、僕の右手に戻った。

「千一くんがマインドコントロール出来るようになればね」

「マインドコントロール?」

「そのままだよ。心で剣を出したいと思えば出せるようになる」

「どうやるの?」

「・・・さあ」

「いや、無責任すぎるだろ・・・」

「とにかく。すぐに駅へ!」


物陰に隠れつつ、駅へと向かったので、かなり時間がかかった。

大きな駅まで二駅のところにある僕の高校だが、やはり一駅分歩くだけでもかなり時間がかかった。


東K駅。そこには、駅の影形すら残っていなかった。

駅と分かったのは、僕の足元に東K駅の看板があったからだ。

「お、おい・・・駅がないぞ」

「K駅が爆心地みたいものだからね。むしろ骨組みだけ残ってるだけ運が良いと思うよ」

周りを見回しても、あるものは荒地と化した地元だけだった。

高層までいかないが、十階以上階数のあった駅前のマンションも跡形もなくなくなっていた。


駅前のオゾンショッピングセンターも当たり前だが、なくなっていた。

駅までは、ひたすらに線路を歩き続ける。何故か、ここら辺は地球外生命体がいない。

「なあ、何であの変な生き物がいないんだ? 不安になってきたんだけど」

「ボスの近くだからじゃないの? 千一くんは、強いもののそばにいたいと思う?」

「そりゃ、やられたくはないからな」

「ふーん」

何故聞かれたのかは分からないが、ひたすらに駅へと向かった。


小さな川を渡り終えたあたりで

「千一くん、駅が近いからそろそろ隠れながら行こう」

と言うので、線路から下りて、歩行者用だった道に場所を変える。

有名なドームと、鼓舞門だけが見えるくらいになっている。

ドームの上には、とても大きなドラゴンの様な生き物がいる。

「お、おい・・・な、ななな、何だよあれ!!」

「あれが君たちの敵、ルーラーってやつだよ」

「ルーラー!? ものさし?! 何でそんな変なやつがいるんだよ!!」

「違う違う。ルールを変えるものって意味でのルーラーだから。要は支配者みたいもの。あと、ここからは死ぬ覚悟で行ってね」

「死ぬ覚悟って・・・何を言ってんだよ。僕、死んじゃうのか?」

「もちろん、死なないように全力で私がサポートするから大丈夫・・・だと思う」

「思うってなんだよ! 僕、まだ死にたくないぞ!」

いきなりの死の宣告に動揺を隠せずに、涙ながらに訴える。

「私だって、確実に千一くんを守れる支障はない。でも、死ぬことはないと言い切れないのも事実だから」

「でも、死ぬかもしれないんだろ・・・?」

「じゃあ君は、何もしないで死ぬの? 地球と一緒に死ぬの? それで良いの? やってもいないのに死ぬくらいなら、やって死んだ方が良いと思わない!?」

「死ぬこと前提で話を進めるなよ!!! 僕は! 死にたくないって言ってんだよ! お前はどこから話をしているのか知らないけど、安全な場所で僕に指示出してるだけじゃないか!!」

画面に映る女の子に自分の心の中で思っていることを叫ぶ。

しばらく目が点になっていたが、すぐに決意を固めたような表情で言った。

「・・・・じゃあ、この際だから言うよ。千一くんと私はもう一心同体みたいものだから、千一くんが死んだら、私も死ぬの」

「は?」

「千一くんの、体の一部とでもいうべきかな?」

突然の告白にどう答えて良いか分からない。

「とにかく、今はここにいても仕方がないから、駅の正面へ行きましょ。あそこなら、敵の何かが分かるかもしれないし」

「あ、ああ・・・」

残骸や瓦礫に隠れつつ、駅の正面へとやってきた。

ドームの上には、ドラゴンが鎮座している。

しかし、鼓舞門から見えるはずの駅が見えない。紫に渦巻く何かが見えた。




つづく

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