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無限想歌  作者: blue birds
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keyB-2,3共通:存在確率0%:姉妹世界αー相対現在-link-猫と日常:マイク&シロ&久遠峯岸ペア

さて、現世組です。

猫さんが、ひどい扱い受けてます。

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「とりあえずゲート閉じるの一択だろうが、ぼけ」




 シャレんならんもんを前に、俺はため息を付くしかなかった。

 本来なら慌てふためくところだが、もう度が過ぎていて、逆に肝が座った感じだ。




「だから、向こうには東くんたちが取り残されてるんだって!

ゲートを閉じるのは、それからよ!」






そういうのは、我が兄弟弟子であるシロだ。いやいや、東って誰よ?今日のお前ってば、ほんとテンパってんな。

 ・・・・・・まじでこいつ、ほんとに、どんだけ馬鹿なんだよ――――と思った俺は、決して悪くはないと思う。




*



 話は、俺が拉致られた直後に遡る。

 そう、俺の日常がまたもやぶっ壊された、その、次の瞬間にだ。








 ―――いつだって、日常ってのは簡単に壊される。

 事実、数刻前まで平和にも近所のガキをからかっていた俺は理由も知らされずに、見知らぬ場所に拉致されていた。しかも、空間転移でだぜ?魔術でだよ?

 





 なんというか、もう、これだけで異常事態だろう。





「こいつは、私の兄弟弟子のマイクです。今の彼の見た目は猫ですが、本体は精神寄生体―――つまりは、魂だけの存在です。

今は猫の躰に寄生してこのような見てくれですが、本来の彼なら、何の問題もなくゲートの向こう側へと行けるはずです!」





 そう熱弁を振るう馬鹿に「問題ありだ、ばかやろう」と心の中でつぶやく俺。シロの発言は、「何の問題もない」以外には概ね正しいが、俺にとっては、そこが味噌だ。

 だって、一度出た躰には大概戻れないのだから。

 俺がこの猫の躰を手放すってことは、今の生活をすべてを捨て去るということ。何が悲しくて、そんなことをしなきゃならんのか。



 というか、そもそも、お前の話を真剣に聞いてる、その二人は誰なんだよ?てか、ここどこよ?

 あそこでチューブにつながれつ二人はなんなん!?





「精神寄生体って・・・・・・・あの、精神寄生体?

あの、宿主の躰を乗っ取るっていう、あの?」





 若干引き気味に小さい女のほうが俺を見る。

 ―――精神寄生体って言葉に聞き覚えがある時点で、たぶんこいつは、この世界では特異な立場に位置しているのだろうと推測できる。

 すくなくとも、桜たちは絶対に知らないことだろうからな。




 

 ・・・・・もはや、こいつら俺のことガン無視だ。

 勝手に拉致ったくせに、この扱い。なんか、霞のバカ野郎の気持ちが少しだけ分かった気がする。

 



 ・・・・・いやだから、おまえらはいったい何の話を―――



「私の式を飛ばしてもダメだったのよ?途中でゲートの渦に飲まれて強制送還されたばかりでしょう?

それなのに、彼は大丈夫なの?

私はもう、翁を励起させて無理やり向こうに飛ばすしかないと思うわ」

 

 

 なんとも冷たい雰囲気のある女が、上空を指さしてシロに返していた。

 ―――上には、ゲートがある。それも、とびきりどでかいゲートが。

 


 なんだ?

 あのゲート向こうに俺を飛ばす算段をしてんのか?んなもん、お前らが行けばいい話だろ。なんで俺なんだよ。

 






「その辺は大丈夫です!こいつ、今まで散々魂の状態で色んな世界を漂流してる身なので、たぶん、この異常事態でも!

そうよね、マイク!? あなたなら、向こうにわたってなんとかしてくれるわよね!? ね、なんとか言ってよ!!!」




 俺の首ねっこを掴んで離さいないシロは、力技で俺を自分の目線まで持ち上げた。

 そして、「そうよね?」と、言質を取ろうとする。それもまさかの、契約魔法陣の上でだ。

 たぶん、ここで俺が「まあな」とか肯定的なことを言った瞬間、俺はゲッシュで括られて無理やりゲートの向こうに送られることだろう。

 


 もちろん、魂だけ抽出されて。

 まあ、それが俺の本来あるべき姿だから死にはしないが、もう二度とこの体には戻れない。それは、マイクとしての死ではなく、マッカーサーとしての死を意味する。

 そうなれば、俺の家族がーーー猫としての俺のご主人が、悲しむことになる。







『とちってんじゃねぇよ、ぼけ。さっさと、俺を元の場所に戻せ。

てか、お前が行けよ。いや、お前が行けというか、お前が行くべきだろうがよ。いやいやそもそも、俺をどこに送る気だよ。

もうひとつ言うと、マジでお前、最近あいつに似てきたな。師が師なら、弟子も弟子か? あ?』






 俺のテレパスに、シロ以外の二人がびくりと反応する。

 どうやら、こうい意思疎通の方法は初めてらしい。





「そんなこと、言ってる場合じゃないんだって、ほら!見て、これ!

わかるでしょ、意味!!!」





 騒ぐバカを冷ややかに見つめながら、俺はシロが差し出したゲートの簡易検索機に目をやった。




 というか、「sonnakoto、itterubaaijyanai」とか、ありえんだろ。

仮にも俺とお前、兄弟(弟子)だぜ?同じ釜の飯(正確には食ってるもん違うが)を食った仲だぜ?

 ともに試練(主に師の起こすごたごた)を乗り越えた仲じゃね?




 そんな俺に何の説明もなく世界を渡らせようとするとかーーーー






*







「とりあえずゲート閉じるの一択だろうが、カス」




 と、冒頭に戻るのだが、世界移動を学んだ俺としては、それが最善手だと思われた。ああ、「ぼけ」が「カス」に変わってのは仕様だ。

 なんか説明も二回目だと腹たって、こうなった。


 ・・・・・・まじで、なんなんだ今日は。





 なんで、接続元と接続先が同じ世界なわけ?ありえんだろ、ふつう。

 まあ、百歩譲ってなんかの手違いで違う系統樹の平行世界に繋がったとしてもだぜ?

 そこに目を瞑るとしても、なんで繋ぎっパ?



 なんだ? まじで、いったい、こいつらなにをーーー





 


















次は、過去組ですね。

とうか、こっちがメインなんですけどね。

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