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無限想歌  作者: blue birds
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連想歌B-1:乱立変数収束–存在確率10%:正答2:東利也

お久しぶりです。

リアルの方がーーー

 それは、誰かの「夢」だった。

 けれど、俺に分かったのは、それまで。

 今俺が見ているこの「夢」が、誰の「夢」かなんてことまで、分かるはずも無い。


 それでも、それは確かに、誰かが見た夢の、見果てぬ「夢」のかけらのように思う。




 ーーー俺はそれを、夢として俯瞰しているようだった。




「は、はじめまして!

わたし、松下小雪といいます!いつも小羽ちゃんとは仲良くーーー」


 俺の眼下には、由香と俺とあいつとーーー誰だ?松下、小雪?

 ……知らない。あの、少女は、いったい?



「あなた、小羽ちゃんが見えるの?

ひょっとして、触れることも?」


 あいつの横で顔を真っ赤にしながら自己紹介をする松下さんに目線を合わせるように、由香は腰を落とした。

 そして、問いかける。あいつのことが、見えるのかと。

 ……そこで、俺は気づいた。あいつは相も変わらず半透だが、松下さんーーー彼女には、実態があった。それはつまり、彼女は生身の人間であるというーーーこと?





「は、はい!

小羽ちゃんはきちんと見えますし、お話もできますけど、ふれることはーーーああ、いや」



 あいつが見えると、松下さんは言ってのけた。そして、話も出来ると。

 ただ、触れることが出来るかという点に対しては。







修復肯定38%経過ーーーーー







 夢の風景は、突然変わる。

 おそらく、俺の住むアパートの裏っかわだと思うが、そこで、あいつと松下さんが数人の男子に囲まれていた。


 男どもは例外無くニヤニヤと意地の悪い目で松下さんをーーー彼女だけを、あざ笑っている。



「おまえ、いつもいつも気持ち悪いんだよ!1人でボソボソしゃべりやがってさ!

おまえ、友達いないじゃん?だったら、口閉じてろよ!おまえの口って、マジで臭いの!おわかり!?」




 そう彼女を罵倒するのは、ひときわ体の大きい少年だ。彼は「おまえらもそう思うだろう?」と、取り巻きに同意を求めている。もちろん、周りの少年達はニヤニヤとそれに同意する意志を笑みでもって返す。





 悔しそうに唇を噛む、松下さん。

 彼女は、フルフルと震えながら、それでも、笑った。


 ちからなく、弱々しく。それは見ているこちらが胸を痛める程の、悲しい微笑みだった。

 それを見た少年達は満足そうにうなずき、次の瞬間、「きめー!!!」と口裏を併せたように大笑いをしだした。


 

 そんな彼らを前にした松下さんの目には、一握りの涙が。

 そして、そんな彼女を隣で見つめるあいつはーーー松下さん同様に、唇を噛み締めていた。

 多分それは、松下さんとは違う意味で。でも、ある意味では同じ意味で、唇を噛み締めていたーーーかと思った矢先、突然、あいつが動いた。

あいつは、何を思ったのか隣の松下さんのを想いっきり睨みつけると、彼女に飛び込みやがった!?





「ちょっと小羽ちゃん、私は大丈夫だから!

私は大丈夫だから、喧嘩は駄目だよ!ちょっと、小羽ちゃん!」





 叫びながら松下さんは、ファイティングポーズを彼の少年に取っている。

 そして、ちょいちょいと指を動かして、「かかってこい」と挑発し始めたーーー?


 まさか、あれは、あいつが……?



「小雪ちゃん、もう我慢できない!

友達を馬鹿にされて大人しくしてる程、私は馬鹿じゃないの!だから、力をかして!二人であいつらに、地獄を見せてーーー」




修復行程74%経過ーーーー





「もはや戦争ごときでは、人類の間引きは望めない。

たとえ世界大戦であっても、それは変わらないわ。これ以上は、この星が持たない。

だから、アレが励起されたの。兆候はあったはずよ。

そして、人々の間に蔓延した無関心はすでに、悪意にまで変化している!

もう、これ以上は!」




 峰岸が、声をからして叫んでいた。

 もう、これしか無いのだと。



 そして、そんな彼女の前にはーーー俺?




修復行程99%経過ーーー霊長の保存即サブユニットεの介入感知ーーー回避、可能です。このまま、修復を……





















 夢は、突然終わりを告げた。

 今の今まで目の前に広がっていた世界は消え失せ、昨晩の世闇の世界が広がっている。


 そして、銀髪の少女もまたーーー同じように、存在していた。ただ、昨晩とは幾分様子が違うようだ。

 彼女は昨日とはうってかわって、寂しげな表情を浮かべ、俺を見つめていた。




「お前は、正答を選んだ。

一時の感情に流されること無く、正しき選択を———お前は、選び取ったのだな」




 今にも泣き出しそうに、少女は笑った。

 そして、続ける。




「あと数刻でこの世界は、90%の世界群へと回帰する。

その世界では「生者と死者」が交わることが許されないがーーーしかし、それが正常だ。

そして、お前が望んだ世界でもある」





 俺は、目の前の少女に何も言えなかった。

 言いたいことはハッキリとしていたのに、声が出なかったのだ。





「世界の分岐は決した。だからもう、今さらな話だ。

しかし、それでも私はお前に伝えたい。私が、「お前が蛮勇を成すこと」を望んでいたことを。


その世界でのおまえは、本当に愚かにも、「それ」に手を伸ばした。

本来交わるべきでない二つの物が、手を取り合う世界ーーーそんな世界をお前は、望んだのだ。

ーーーそれは、誉められたことではない。それは、愚かなことだ。なんの背景も無く力の無いお前が望むには、「それ」は……


しかし、それでも私は、お前に望んで欲しかった」




 世界が、歪む。

 グニャリと歪み。


 歪んだ世界のその先では、少女は口にした。

 それは、次元の歪みに飲まれて消えてしまったが、それでも、俺にはその声が届いていた。

 それはすなわち。



「おまえは、正答を選んだ。

ならば、望むな。それ以上を。奇跡を。幸せな結末など、絶対にーーー」








修復行程100%ーーー完了しました。


おめでとうございます。

東利也は正答の果てに、90%の世界群への回帰権を獲ました。



その世界では、輪廻による「生者と死者の隔離」が保証されています。

故に、小羽嬢による由香嬢の否定は起こりえません。


小羽嬢は今までどおり、念として。

東少年と由香嬢はこれまでどおり、ただの可能性としてーーーその、身の程にあった道を歩んでゆくことになります。






悲劇は、回避されるのです。

さあ、最後のkeyをお取り下さい。





正答の果てに出現するkeyは、次で最後です。それはすなわち。








めでたしめでたし----key C-1




まだ、終われない------key C-2









お気をつけ下さい。正しいkeyは、C-1です。

お気をつけ下さい。C-2を、決して選ばぬように。さも無ければーーー







key C-1————92話へ。

key C-2--------93話へ。







リアルが、ヤバい!

でも、更新頑張りますね。


だって、皆さんもお分かりの通り、このルート、バッドエンドなんですよ。

どっちのkeyをとってもね。

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