Gating B
論理ゲートの通過です
gold gate
Gating B
世界には、理があります。
本来それは遵守され、敬われるべきものです。
ーーー死者と生者が交わることは許されません。
それこそ、今回の物語で言えば、寿小羽と伊吹由香の会合は論外と言えます。
本来なら、寿小羽の魂傷は癒されているはずでした。仮に、彼女ら双方が漂白後の状態で会合するのならば、それは、理のうちです。何の問題もなく、彼女らの接触は了承され、讃えられたことでしょう。
しかし、寿小羽は幾らかのエラーの蓄積により、輪廻の漂白を受け損ねてしまったのです。
そして、彼女は五百年というときを、念として過ごすに至りました。
※
上記のファクターは、この物語世界をある可能性領域へと誘います。
それは、全体からすれば10%に満たない世界群です。しかし、その可能性群においては確実に、「片方の消失」が成されることでしょう。そしてその場合、物語を退場するのは、伊吹由香である可能性が高いと思われます。
伊吹由香に刻まれた魂傷が、寿小羽の魂傷を刺激。
そして、それは連鎖的に「念」の目覚めを約束し、悪意の励起へと繋がります。それが生み出す結末は、言うまでもないでしょう。
正直な話、私はどちらが残っても、問題ないと判断します。
なぜなら、寿小羽も伊吹由香も、単独ではその生存が理に認められているからです。
しかし、それ以上を望むのは、傲慢というものです。
それを望むなら、寿小羽という枠を作り替える必要性を、受け入れなければなりません。ただ、そうまでして至った世界に、価値があるかという問題です。
故に、私はこのGateにおいて、あなたに「B-1 key」を差し込むことを提案します。
仮に、あなたが他のkeyを獲得していたとしても、私があなたにB-1keyをお渡しします。
それが、手持ちの鍵においての、正答となります。
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silver bullet
ただの小娘を歪にするくらないなら、世界をゆがめてしまえば良い。
存在確立は0%となるが、それを通す道理もある。
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では、次は86部ですね。