連想歌:乱立変数2:想い人2:東&伊吹
キーワードは、「後悔しない選択」と、「正しき選択」です。
あなたは、どちらを選びますか?
連想歌:乱立変数2:想い人2:東&伊吹
月が浮かぶ夜の空を仰ぎながら、俺は答えを探していた。
もとより、空からそれが降ってくることを望んでいるわけではない。
目に入るのは、万の星が散りばめられた夜色の世界のみ。
さきほどまでそこは分厚い雲が覆っていた気もするが、今や俺の上空は星の海へと姿を変えていた。
けれどやはり、そこに答えはない。おそらく同じように、希望も。
ーーーー自身に課すべき問いは、至ってシンプルだった。
だからこそ、その答えだって。
「迎えに行くか、行かないかーーーたった、それだけのことなんだろうな……」
結局は、「1人で帰るか2人で帰るか」の一点に尽きる。
そして、2人で帰る道理などーーーどこにもない。
逆に、2人で帰るという選択を否定する事象は、いくらでも転がっている。
根本的なことを言ってしまえば、連れ帰ろうとしている存在は、明らかに人外のそれだ。
さらには、その存在が災厄であると告げる警告夢まで見る始末。果てには、友人から身体が動かなくなるで罵倒されたあげくに、逃げ帰れとまで言われた。
「そうだよな……答えなんて、最初から出てる」
あいつを連れ帰る道理など、何処にもなかった。
触らぬ神に祟りなしって奴だ。どう足掻いた所で、正答は明らかだった。
けれど、その正答は完全なんかじゃない。
どこか間違いを秘めた、限りなく正しい選択ーーーだと、俺は思う。
栞に聞かれてしまえば、「空っぽ」だと言われてしまいそうな発想だ。
けれど、ぜったいに、そうなんだ。
「後悔しない選択をしなさいか……きっついよな、それって」
ただ、ひとり。
あいつと俺を取り巻く人間の中でただひとり、「あいつ」を肯定してくれた人ーーーシロさん。
彼女は、「後悔しない選択を」成せと言った。
正しさで選ぶのではなく、後悔しない選択をとーーーその、選択の結末を受け止められるようにと、あの魔術師は、言ってくれた。
「……」
目の前には、選択肢がある。
だからこそ、選ばなければならない。俺は、自らの意志で、選ばなければならなかった。
そう、後悔しないために。だから、俺はーーーーー
gold gate---乱立変数2
選択してください。
現状の彼が取りえる道は、以下の三つです。
○1人で、帰る。
○2人で、帰る。
○決められない。
なお、ここでの選択は、テーマの主軸である「魂の行方」に大きく干渉します。
そのため、次回の84部において、物語のゲーティングを行います。
「1人で、帰る」を選択された方はーーーB-1のkeyをお取り下さい。
「2人で、帰る」を選ばれた方はーーーB-2のkeyを。
「決められない」を手に取られた方はーーーB-3のkeyをお取り下さい。
※
三つのkeyの内、一つはending1-「繰り返す意味1」に直結します。
正しい選択を出来れば後悔はしませんが、それは、結果論です。
いつだって私達は、未知の結果を控えて、選択しなければなりません。
だからこその、「後悔しない選択を成す」です。
次回は、gating-Bです。