連想歌:乱立変数2:想い人4-恋敵:東&久遠
真実の、意味
連想歌:乱立変数2:想い人5-恋敵:東&久遠
真実を求めるという行為は、万華鏡を覗くようなものだ。
一つの光源より発せられた光は幾らかの鏡を介し、万華の世界を描き出す。
この事象を人に当てはめるなら、光源が世界(真実)であり、鏡が人だろう。
故に、真実はキラキラと姿を変える無数の「真実」となり、探求者へと到達する。
「それが、寿小羽の「真実」よ。
それが、あのモノの「真実」……」
私は、寿小羽の「真実」を東クンに告げた。
それは、本当のところは「念」の妄想でしかなく、真実ではない。けれど、「念」の根源という点では、それこそがまぎれもない「真実」だった。
「由香先輩の前身である智代姫は、同盟国であった寿家に嫁ぐことになった。
そして、あなたの前身と、その家族ーーー引いてはあなた達が治める民の全てに受け入れられたみたい。つまりは、寿家のものたちに愛されたということよ、彼女は。
そして、裏切った。もとより彼女はそのつもりで寿家に入り込んだのだから、自明の理よね。
そして、彼女の手引きで城下に進入した敵国が、全てを滅ぼした。文字通り、全てをね。
それを、寿小羽は死の間際に知り、彼女を呪ったーーーーその結果が、あのモノ。
現状としては、寿小羽の成れの果てが寿小羽の皮を被り、あなたにすり寄っていると考えてもらえれば良い。今のままなら、たいして害にはならない。すこしばかり、東クンの手を煩わせるだけよ」
人は、物事に連続性を持たせる希有な存在だ。
それはつまるところ、人こそが、因果を生み出す存在だということ。
それは、私達のような霊視能力者とて、同じことだ。
故に、この力の真意のを知るものタチは、身の程をわきまえて、「背景をくみ上げる」と表現する。
「けれど、「念」が由香さんと接触すれば、話は別。根源を前にした「念」は、本来の姿へ還るはず。
そうなれば、十中八九、「念」は今の形を維持できない。今だって、奇跡みたいなものなの。
今は、あなたと念の間にあるパスが何らかの奇跡を起こし、「念」に今の形を維持させているーーーけれど、それも、それほど保たない。
あの魔術師も言っていたでしょう?「もうすぐ、寿小羽の世界は成熟する」とーーー
つまり、あなたと寿小羽の間にある情報流路が断たれるということ。そうなれば、やはりあのモノは「念」へと戻るでしょうね……そうなったとき、「念」が今のようにあなたに無害だとは、保証できないの」
私が遡行視によりくみ上げた「真実」は、寿小羽の「真実」と相を異にしていた。
ーーーあのとき、あの世界で。
すくなくとも、「現在」に回帰する彼の日の物語に、加害者など存在しなかった。物語に登場する全てのものたちが、人の世の「流れ」に押し流された、被害者だ。
けれど、それを東クンに説明した所で、どうにもならない。
どうせ、「だったら、なおさらーーー」なんて、頓知なことを言い出すはず。
「あなたには、あの「モノ」は救えない。
それは、確定事項なの。だったら、それに東クンの大切な人ーーー由香先輩を巻き添えにさせる必要なんて、ないはず。 でしょう?」
次も、栞&東組です!




