表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限想歌  作者: blue birds
69/145

silver bullet subunit2:歪曲する因果:東利也

 東クンの、お話です。

 gold gate


 彼の生きる世界は、当初は簡潔だった。しかし、彼が生きて時を過ごす程に、彼の世界は複雑さを増して行った。



 ーーー世界は、最初から複雑だったのだろうか? 幼い彼が、単にそのことに気づかなかっただけで、本当は、世界は……




 いや、そうじゃない。世界は、本来シンプルなものだったはず。

 少なくとも原初の世界は、ただ在るだけの、そんな、存在だった。けれど、いつからか、そこに線引きが成され始めたのだ。



 線は境界を描き、世界を二つに分けた。そして、二つは三つに。三つは四つに。

 描かれる境界は世界の発生に伴い複雑さを増して行き、今では、世界樹と呼ばれる大樹を誇るまでになった。





 ……けれど、それと彼の物語とは何の関係もないことだ。彼の世界はあくまでも、彼だけの世界。

 彼の固有世界は、彼を内包するこの世界とは、境界敷を隔てて独立している。




 ーーーだから、だろう。

 幼かった彼の世界は、彼だけのものだったのだ。幼かった頃の彼は、そのことに気づいていなかっただけ。小さかった彼は、自分という世界と、それを包む大きな世界ーーー内包世界の二つで、精一杯だったのだ。


 だから、錯覚した。

 まるで、この世界がただのその二つからなるような錯覚を描き、そして時を重ね、いつしか彼は、気づいた。




 世界には、無数の世界が溢れていることを。

 それは彼を包み込む内包世界はもちろんのこと、それ以外の。



 それ以外の、とても小さな世界達。

 それは、彼を包みこむ世界とは違い、優しくはなかった。


 それどころか強情で、意地っ張りで、自分本位で意地汚くーーー故に、尊かった。



 だからこそ、彼はーーーー










silver bullet(F)



御託はいい。



貴様の教鞭など聞き飽きたんだよ、gold gate。




貴様のゲーティングは後に受ける。だから、しばらく黙っていろ。

これは、『命令』だ。

しばらく、gold gateはお休みです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ