第二章:無限想歌ー浅・深ー因縁再編・始祖の宴2:時の外側にて:彼方
現代で、オハコと呼ばれるもの---ーそれは、18番目の願いにして、決意。
誰かが夢見た数多ある願いの中で、もっとも尊く、そして、愚かな願い。
第二章:無限想歌ー浅・深ー因縁再編・始祖の宴3:時の外側にて:三木彼方
最近、私には幽霊の妹が出来た。それつながりで、魔法使いの友達だってできた。
それらの出来事は、ほんの数か月の間に起こった出来事。
正直、としにぃ達が幽霊を---小羽を、修学旅行のお土産よろしくお持ち帰りしたときは、本当どうなるかと思った。普通に考えて、「いやいや、ダメでしょう」って思ったもん。私個人的な問題を抜きにしてもね。
でも、としにぃ&由香ねぇ両名からすると、「妹が一人増えるだけ」って話になるらしくて……確かに、孤児院育ちの私とか由香ねぇ、それにとしにぃは普通の子供に比べて、血縁じゃない家族ってのに慣れてはいる。でも、それは常識の範囲での話だ。
「あ、時間? それがどうした? この場所は、そういった「些細な事象」の外側にある。すべてが終われば、「あの時」に帰してやる。貴様は黙って、私の質問に答えていればいいんだよ、白髪。それとも、手っ取り早く、貴様の「血」に聞くことも可能だが……どうする?」
ビビるシロさんを尻目に、獰猛に笑う謎の幼女。話の流れからして、あれが最強&最悪の吸血鬼、もとい、至高の魔法使いであるアイシュさんらしい。
……目の前で起こっている非常識な光景をBGMに、私は再度、自分の中の常識というものを考えてみた。
さて、整理してみよう。私にとって「時間」というは、絶対的で不条理なものだ。過ぎ去った時間は、絶対に戻ってこない。そうであるからこそ、私は、私のもとを去った両親が戻らないことを、受け入れることができる。
そう、両親の死を受け入れて、乗り越えることができるんだ。だって、それしか、選択肢が無いから。少なくとも、私には。
……しかしながら、どうやらアイシュさんの前で「時間」というものは、「些細なもの」らしい。まあ、これは単純に、私たちの都合なんか知ったこっちゃないって言ってるだけかもしれないけれど---でも、たぶん、そうじゃ、ない。
「なんにせよ、白髪。師の不始末の責任は、弟子であるお前が負うべきだろう?いい加減認めろ。あれは、「善意の皮をかぶった災厄」だ。大事の前の小事、不特定多数の幸福……呼び名などどうでも良いが、あれは、狂っている。それこそ、「幸福」の旗のもとに、世界の構造基盤すら破壊する女だ。今、この世界群に起こっている事象を……知らぬはずがあるまいな?」
そう、たぶん、この人は……「コレ」は、違う。
「私たち」とは、違う。魔法使いであるとか、吸血鬼とか、そんなことじゃない。
コノ人は---
万人の救済を誓った人が。いました。いつの時代も、どんな場所でも。
でも、その願いは、結局・・・・・・