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無限想歌  作者: blue birds
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TiPs~命の在処

今回は、TiPsです!

主題は、命のお話。

TiPs~命の在処



命とは生まれるモノでなく、宿るモノである。


故に、魂や精神といった、俗にいう「生命体」においてのみ適応される概念とは同一視されるべきではない。





命はあくまでも個を構成するための外的素因であり、翻って、個の外界に存在するモノである。




ーーー命は、世界に宿る。

個ではなく、世界に宿るモノなのだ。





だからこそ、個は生きることを許されている。

仮に、命が個で完結する概念であれば、おそらくそこには、生という営みそのものへの矛盾が生じてしまうだろう。




ーーー生きている者は、すべからく命がある。しかし、命あるモノが皆生きているのかと問われれば、答えは否だろう。



あくまでも、命は免罪符にすぎない。

世界に宿った命は、ただの招待状のようなものーーーそれが、ヒトが尊いと敬う、尊厳の真実である。





Tips~chance:兄:汝の名を問うー君の名を、呼ぶ:縁



「自分が何者なのか」っていう問いかけは、いいあえて妙なんだよね。

だって、何者なのかという問いの対象が「自分」でありながら、それでいて、その問いに答えるのもまた、「自分」なんだから。 


 一見すると、閉ざされた概念みたいじゃない? この質問って。

 自分で問うて、自分で答えるーーーそれは、ある意味では完全な「個」という解に直結するんだろうけど・・・・・・でもね。



 この問いかけに、そう臨むことは、本質的に間違ってると思うんだ。

 だって、「自分」なんてものは、「他者」がいなければ生まれないんだから。「他人」がいて、「自分」がいる。「自分」がいるから、「他人」がいる?



 ふふ、鶏と卵の問題みたいだよね?どっちが「因」で、どっちが「果」なのか。でもまぁ、それは今回は関係ない話か。



 要は、「自分」という存在を成立させるには、「他者」という存在が前提に無ければならないってこと。だったら、「他者」を排して導きだした「自身」という答えは、そもそもがおかしいってことになるよね。





 ……だからね。

 だからこそ、問い続けなければならないんだ。

 それは、とてもつらいことだけれど。でも、それを成すことができれば。





 そうすれば、自然と自分の「立ち位置」が見えてくるはず。

 多くの場合、それは自身が幾重にも張り巡らされた縁に絡み取られて、身動きが取れなくなっていることを自覚させるだけで……終わるのだけれど。



 でも、その上で。

 その、縁のーーー張り巡らされた因果の網の中、それでも尚、君が何かに臨むのであれば。何かに臨むことを、望むのであれば。












 君は、「誰か」に成るよ。

 君は「誰か」に成って、そしてーーーその時君のそばには、「誰か」がいるはずだ。









 「誰か」という君がいて、「誰か」という他者がいて。

 そしてそこに、ほんの人に握りでもいい……互いを想い合う、心の縁が延ばされていれば。



 君は、「世界の定義する君」ではなく、君として、物語を紡ぎ続けることができるはずさ。だから、屁理屈をこねるんだ。

 彼はもう、「兄」であることを選んだ。

 彼は、選んだんだよ。そして、それだけでは、物語は突破できない。本来はそれだけで十二分に奇跡なんだろうけれど、でも、その先がある。

 けれど、彼が「兄」であり、君が「妹」であるだけでは、その先へは至れない。



 彼は、彼だよね? 君が、君であるようにさ。

 彼は「兄」であると同時に、彼なんだ。だから、お願いだ。



 どうか、選んでほしい。君が、君であることを。

 たとえ世界が許さなくとも、それでも。






 君には、君でいて欲しいんだ。





TiPs~命と、縁


ーーーさあ、真名を明かそう。

それの「真名」は、「命」である。それは、無数に張り巡らされた縁の元に、「それ」として、君の前に立つ。



さて、君はどうする?

君は、「それ」を尊いと思えるか? あるいは、「それ」に至高の価値があると信じることがーーーできるかい?



優しき縁の網で護られていた「それ」は、自らの意志で己を護る殻を食い破ったモノからこぼれ落ちた・・・・・意志なき、存在だ。

そのこぼれ落ちたモノは願望機とよばれる現象でありながら、ただの「命」として、君の前に降り立ったんだ。



その、意味を。

「それ」が、「命」として、君の前に立つことを・・・・・・君が、望んでくれるなら。いや、君が、望んでくれなければ。



その奇跡の器には、「命」が宿ることは無く、そして、その帰結として、この物語は・・・・・・

いや、命と、縁のお話でした。

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