32番目の物語:遥かなる未来:無限に連なる、想いの歌:世界の秩序と、少女
メチャクチャ時間が空きました・・・・・・・読んで下さってる方、ごめんなさいです。あと一話で、終わりです。そして、その最終話は、
「無限想歌:拡大家族」に繋がるーーーお話になります。
32番目の物語:遥かなる未来:無限に連なる、想いの歌:世界の秩序と、少女
無力じゃないよと、小羽は笑った。
ただの人の身にありながら、彼女は「たったそれだけのこと」を根拠に、運命と対峙したのだ。
「私は、無力じゃない。あなたからすれば塵にも等しい力だろうけれど、それでも、私には「力」がある」
だからこそ、小羽は言霊を紡いだのだ。
無限に等しい時の中に埋没した、「現在」という刹那で声を上げることをーーー少女は選択したのだ。
「降り積もる微力と、見果てぬ夢がーーーたどり着いた、この世界を! ずっとずっと昔から語り継がれてきた、あの日の物語を・・・・・今此処に! この、このときに! 今再び私は、言葉にする!」
声を、上げること。
静寂の中で、声を上げること。
眠りにつこうとする世界で、言の葉を紡ぐこと。
そう、それはたったそれだけのことでありながら、事実、それは、ただそれだけのことに留まらない。
小羽は、十二分にそのことを知っていたのだ。
言葉にすることの、難しさを。
言葉にすることの、空しさも。
それでも、言葉にしなければならない想いと願いが、あることを。
だからこそ小羽は、言葉にする。
それは、きっと届くはずだと願いながら。
それがいつか、きっときっといつかの日か、どこかの誰かに届くことを、言の葉に込めて!
「まちがいなんかじゃない!!! 何かを否定すことでしか生きてゆけないのがヒトの業ならば、私はたったそれだけを否定する!!! 希望は、今も此処にある!!! 今も、ここに!!! 昔と変わらず、そして、ずっとこれからも!!!」