keyA-1,D-1共通:絆の奇跡と、こぼれ落ちた想い:good end rute
救い上げられた想いと、こぼれ落ちた想い。
それら想いは相克する者でありながら、しかし・・・・・・
keyA-1,D-1共通:絆の奇跡と、こぼれ落ちた想い:good end rute
「なんだ、これ……魔法か!?」
二人のガキの魂に共鳴するように、念の核が脈動していた。
それに合わせて、魔法の源泉ーーーマナが、歓喜の声をあげる。
それは、名を呼んでもらえることへの、喜びの歌。
それはつまり、奇跡の成就が確定した証拠。
……このままでは、「何か」が励起される。
その「何か」は念を構成するものの一つで、果たして。
「……」
本来なら、その辺のガキが何匹集まったところで、魔法なんてものを扱えるはずも無い。まあ、セントラルの堅物共はこれを魔法なんて認めないだろうが、あいつならーーー俺の魔法の師なら、文句なしの百点で魔法と認定するこったろう。
そもそも、こんな現象が偶発的に起こるということは、あり得ない。
そう、「ガキの魂が肉体に包まれている」という、通常の状態であるならば、絶対に、起こりえない奇跡だ。
だが、そんな常識、もはや何の意味も無い。
ガキ共の魂は体から引きずり出された上にむき出しの状態だし、やつらはその状態で時超えまでやらかしている。
イレギュラーと言えば、イレギュラー。
どこを見回したって、まっとうな事象なんてものは一つもない。
「fかsdfじゃlkf;djkls;dfj;お!!!!!!!!!!!」
念が、慟哭をあげる。もがき苦しむように煙蛇をのたうち回らせ、胸をかき抱く。その様はまるで、大切な何かを取り上げられるまいと抵抗する子供のようだ。
しかし、そんな念の抵抗もむなしく、魔法は進行する。念より「何か」がくみ上げようと浸食し、やつの核が異様にふくれあがらせーーーーって、はい?
「なんだ、あいつ?」
核から、一つの魂が浮かび上がってくるのが見えた。
その魂は核と同様の質でありながら、しかし、あきらかに核とは桁違いのレベルでガキ共の魂に共鳴している……縁のパスの強度も、圧倒的だ。
多分アレは、男の方を引き抜いたときにみた、もう一つの念。
アレなら……アレなら、念から引き抜ける。
おそらくアレは念でありながら、念ではない。
……ならば。いや、しかし……
「ああああああああ!!!!!!!!」
「うううううう!!!!!!!!!!」
迷う俺の後ろで、ガキ共二人が胸を押さえて苦しんでいた。
そして、念も同様に、もがきつつけている。
……どうやら、あの魂の位置が、臨界点らしい。
ガキ共が行使する魔力と、念が魂を引きとどめようとする力。
その二つが拮抗しているのが、あの一点。
あれ以上はーーーーあれ以上は、誰かが手を添えなければ、突破できない。
……ならば。
(俺も甘くなったもんだな……そして、馬鹿になった)
ならば、その誰かが俺になろうと想い、俺は地を疾走した。
のたうつ蛇を粉砕しながら進み、念に肉薄する。
すれ違い様に、核の少女を念より引きずりあげた。
その瞬間。
『ゆるさない』『ゆるすな』『同胞を』『おまえだけ」
『救われるなんて』『卑怯だ』『殺せ』『踏みにじれああああああ////_
吹き上がる憎悪に、悪意。
あるいは、悲しみ怒り。さまざまな負の感情がふくれあがり、念は原型の数十倍までふくれあがった。
もはや、やつをせき止めるものなど何も無かった。
ただただ自身の感情に従い、力を振るう。
そう、何の容赦もなく、ただの化け物としてーーーー。
もはや念には、手心を加えてやる理由など見当たらない。
だから俺は。