表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限想歌  作者: blue birds
110/145

keyA-1,D-1共通:絆の奇跡と、こぼれ落ちた想い:good end rute

 救い上げられた想いと、こぼれ落ちた想い。

 それら想いは相克する者でありながら、しかし・・・・・・

keyA-1,D-1共通:絆の奇跡と、こぼれ落ちた想い:good end rute




「なんだ、これ……魔法か!?」





 二人のガキの魂に共鳴するように、念の核が脈動していた。

 それに合わせて、魔法の源泉ーーーマナが、歓喜の声をあげる。

 それは、名を呼んでもらえることへの、喜びの歌。

 それはつまり、奇跡の成就が確定した証拠。






 ……このままでは、「何か」が励起される。

 その「何か」は念を構成するものの一つで、果たして。


 



「……」






 本来なら、その辺のガキが何匹集まったところで、魔法なんてものを扱えるはずも無い。まあ、セントラルの堅物共はこれを魔法なんて認めないだろうが、あいつならーーー俺の魔法の師なら、文句なしの百点で魔法と認定するこったろう。



 そもそも、こんな現象が偶発的に起こるということは、あり得ない。

 そう、「ガキの魂が肉体に包まれている」という、通常の状態であるならば、絶対に、起こりえない奇跡だ。

 

 だが、そんな常識、もはや何の意味も無い。

 





 ガキ共の魂は体から引きずり出された上にむき出しの状態だし、やつらはその状態で時超えまでやらかしている。







 イレギュラーと言えば、イレギュラー。

 どこを見回したって、まっとうな事象なんてものは一つもない。







「fかsdfじゃlkf;djkls;dfj;お!!!!!!!!!!!」





 念が、慟哭をあげる。もがき苦しむように煙蛇をのたうち回らせ、胸をかき抱く。その様はまるで、大切な何かを取り上げられるまいと抵抗する子供のようだ。


 



 しかし、そんな念の抵抗もむなしく、魔法は進行する。念より「何か」がくみ上げようと浸食し、やつの核が異様にふくれあがらせーーーーって、はい?






「なんだ、あいつ?」




 核から、一つの魂が浮かび上がってくるのが見えた。

 その魂は核と同様の質でありながら、しかし、あきらかに核とは桁違いのレベルでガキ共の魂に共鳴している……縁のパスの強度も、圧倒的だ。

 多分アレは、男の方を引き抜いたときにみた、もう一つの念。



 アレなら……アレなら、念から引き抜ける。

 おそらくアレは念でありながら、念ではない。

 ……ならば。いや、しかし……






「ああああああああ!!!!!!!!」

「うううううう!!!!!!!!!!」

 



 


 迷う俺の後ろで、ガキ共二人が胸を押さえて苦しんでいた。

 そして、念も同様に、もがきつつけている。



 ……どうやら、あの魂の位置が、臨界点らしい。

 ガキ共が行使する魔力と、念が魂を引きとどめようとする力。

 その二つが拮抗しているのが、あの一点。





 あれ以上はーーーーあれ以上は、誰かが手を添えなければ、突破できない。

 ……ならば。






(俺も甘くなったもんだな……そして、馬鹿になった)





 ならば、その誰かが俺になろうと想い、俺は地を疾走した。

 のたうつ蛇を粉砕しながら進み、念に肉薄する。



 すれ違い様に、核の少女を念より引きずりあげた。

 その瞬間。




『ゆるさない』『ゆるすな』『同胞を』『おまえだけ」

『救われるなんて』『卑怯だ』『殺せ』『踏みにじれああああああ////_







 吹き上がる憎悪に、悪意。

 あるいは、悲しみ怒り。さまざまな負の感情がふくれあがり、念は原型の数十倍までふくれあがった。




 もはや、やつをせき止めるものなど何も無かった。

 ただただ自身の感情に従い、力を振るう。



 そう、何の容赦もなく、ただの化け物としてーーーー。








 





 もはや念には、手心を加えてやる理由など見当たらない。

 だから俺は。











 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ