KeyA-1,D-1共通:最優先事象:世界の理:good end rute
かつて引き裂かれた絆は、幾千の幸運の果てに、再び……
リミテッドセレクト
keyA-1ハッピーエンドの否定を選択された方は、このruteのみ選択できます。
ending2:good end rute
繰り返す意味2:歪曲成就
汝の名を問う:兄妹
相克する因果:本来あるべき道へ
※
「これで、いいの。それに、これ以上「私」は、生きていたくない。
間違いから始まった「わたし」は、ここでーーー(いつからだって、始められる)」
私を見送る「わたし」の声に重なるように、声が、聞こえた。
その声は銀色の声で、優しい声で。
そして、それは一筋の希望のように感じた。
……けれど、それは所詮幻想だ。
銀のひとは、「いつからだって始められる」と言ってくれた。
けれど、そんなわけないって、私は思う。たぶん、兄さまもーーー同じように。
でも、もし、銀の人の言うことが本当なら。
私が、<私>として、「私」とともに、兄さまと姉様のもとに帰れるなら。
そんなふうに叶うのなら、それ以上の望みは無い。
でも、そんなの無理だ。私が<私>であることを望んでしまえば、兄さまと姉様の声は届かなくなってしまう。
だって、この、二人の声はーーー「幸せな想い出」は、私と兄さま達との、絆の力なんだから。
幸せだったという、あのときの思い出が、奇跡を呼び起こそうとしてくれている。
だから、わたしだけなんだ。「わたし」でもなく、ましてや、<わたし>でもない。
そうだ。
今の「私」がいる場所は、間違いから始まってしまったんだ。
本当なら、<私たち>は、こんな場所に来るべきではなかった。
そもそもが、間違ってるんだ。
でも、「私」は愚かだったから。だから、<私たち>はここにいる。
ありもしない妄想に突き動かされ、今、ここに。
ーーー間違った場所に<私たち>はたどり着き、そして、その流れを正す機会を与えられた。これ以上、何を望むのか。
望んでいいだろうかーーーその、先を……
……そんなわけ、ない。
今のこの時だって、十分に奇跡なんだ。兄さまと姉様と、わたし。
また三人で、仲良く時を刻める可能性が目の前にあるなんて、そんな、奇跡ーーーそれ以上、何を望むというのか。
「ばいばい……兄さまを、おねがいね」
涙を流しながら、「わたし」は最後に笑ってくれた。
最後の最後に笑って、「わたし」は私を、祝福してくれたんだ。
ーーーーそう、これでいい。これで、いいんだ。
間違いは、正される。だから。
「さようなら……ごめんね」
だから、私は「私」との決別を決意した。
目の前に提示された奇跡を受け入れることをーーー受け入れたんだ。
good endは、絆の物語です。