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無限想歌  作者: blue birds
106/145

KeyA-1,D-1共通:最優先事象:世界の理:good end rute

 かつて引き裂かれた絆は、幾千の幸運の果てに、再び……

リミテッドセレクト

keyA-1ハッピーエンドの否定を選択された方は、このruteのみ選択できます。




ending2:good end rute


繰り返す意味2:歪曲成就

汝の名を問う:兄妹

相克する因果:本来あるべき道へ





 

「これで、いいの。それに、これ以上「私」は、生きていたくない。

間違いから始まった「わたし」は、ここでーーー(いつからだって、始められる)」






 私を見送る「わたし」の声に重なるように、声が、聞こえた。

 その声は銀色の声で、優しい声で。

 そして、それは一筋の希望のように感じた。



 ……けれど、それは所詮幻想だ。

 銀のひとは、「いつからだって始められる」と言ってくれた。

 けれど、そんなわけないって、私は思う。たぶん、兄さまもーーー同じように。






 でも、もし、銀の人の言うことが本当なら。

 私が、<私>として、「私」とともに、兄さまと姉様のもとに帰れるなら。




 そんなふうに叶うのなら、それ以上の望みは無い。

 でも、そんなの無理だ。私が<私>であることを望んでしまえば、兄さまと姉様の声は届かなくなってしまう。


 だって、この、二人の声はーーー「幸せな想い出」は、私と兄さま達との、絆の力なんだから。

 幸せだったという、あのときの思い出が、奇跡を呼び起こそうとしてくれている。



 だから、わたしだけなんだ。「わたし」でもなく、ましてや、<わたし>でもない。



 

 そうだ。


 今の「私」がいる場所は、間違いから始まってしまったんだ。

 本当なら、<私たち>は、こんな場所に来るべきではなかった。

 そもそもが、間違ってるんだ。


 でも、「私」は愚かだったから。だから、<私たち>はここにいる。



 ありもしない妄想に突き動かされ、今、ここに。




 ーーー間違った場所に<私たち>はたどり着き、そして、その流れを正す機会を与えられた。これ以上、何を望むのか。

 望んでいいだろうかーーーその、先を……







 ……そんなわけ、ない。

 今のこの時だって、十分に奇跡なんだ。兄さまと姉様と、わたし。

 

 また三人で、仲良く時を刻める可能性が目の前にあるなんて、そんな、奇跡ーーーそれ以上、何を望むというのか。



「ばいばい……兄さまを、おねがいね」





 涙を流しながら、「わたし」は最後に笑ってくれた。

 最後の最後に笑って、「わたし」は私を、祝福してくれたんだ。





 ーーーーそう、これでいい。これで、いいんだ。

 間違いは、正される。だから。





「さようなら……ごめんね」





 だから、私は「私」との決別を決意した。

 目の前に提示された奇跡を受け入れることをーーー受け入れたんだ。


good endは、絆の物語です。

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