第4話 燻る反乱分子
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
「資金力ですか?労働力ではなく」
ハンセルは素直に疑問を投げかけた。
「はい。まず1つ目に、労働力を上げようにも仕事がないし、そもそも給金が出せるところが少ないです。」
正樹は人差し指を立てて、説明を始めた。
「2つ目に、兵力には、兵の熟練度の他に武器の性能もあります。簡単に兵力を上げるには武器を良くすればいいのです」
そして、3本目の指を立てて
「最後に、交渉の際にも資金があるのとないのとでは優位度が全然違います」
3人は話を聞きながら、1つの疑問があった。
「マサキ様、すみません、上げる理由はわかりましたが、どうやって資金力を上げるのでしょうか?」
アリアはおずおずと聞いた。
正樹はビシッとアリアを指差し、
「そこです!この国にあって他の国にはないものがあります。それを今回活用します」
エンデリオンが唯一他の国にアドバンテージがとれるものそれは国内にいくつかあるダンジョンだった。
「しかし、マサキ殿、今の我が国の兵力ではダンジョン攻略なんてできませんぞ」
グレイヤは身を乗り出して言った。
正樹はまぁまぁとグレイヤを落ち着かせた。
「今回は攻略する必要はありません。ただ、1つ、目的の物を回収できればいいのです。それも、中層程度に行ければ大丈夫です」
正樹の記憶ではエンデリオンの初期兵力で中層はギリギリだったが、先ほど確認したステータスでは兵力は下層に届かないレベルあったので十分だと判断した。
「それもある場所もわかっているので、俺も一緒に行きます」
「そんな、危険です!精鋭部隊ですら無事に帰れるか保障はないのですよ」
アリアが声を上げた。
「アリア、大丈夫。召喚された時に戦闘スキルは獲得してるみたいだから、一般兵よりも強い自信はあるよ」
そう言われるとアリアは黙り込んでしまった。
「すぐに出発というわけでもありませんし、出発までの期間にマサキ殿にも訓練に参加してもらい、実力を確認しておきましょう。それでいいですかな?姫様」
グレイヤは妥協点を提示し、ダンジョンへ向かうための手配を指示した。
とある場所
「なるほど、英雄と精鋭部隊でダンジョン攻略か。それはこちらとしては好都合。ダンジョン内なら事故で英雄様が大怪我やましてや、お亡くなりになっても仕方あるまい」
その人物は、密偵からの報告を受け、ニヤリと笑い、英雄襲撃の作戦を練り上げていった。
正樹の部屋
コンコン
ベッドに仰向けに寝そべり、思案していた正樹はノックの音で起き上がった。
「はい、どうぞ」
「失礼いたします」
一礼してグレイヤが入ってきた。
「マサキ殿、ダンジョン突入の日程が決まりました。本日より2週間後に決行します」
正樹の想像よりも早い決行だったが、早いに越したことはないので、素直に頷いた。
「約束通り、マサキ殿には作戦まで訓練に参加して頂きますので、明日から午前中は中庭に集合願います」
「お手柔らか頼みます」
正樹は礼を返して、グレイヤを見送った。
ピンポン
(クエストが発生しました。クエスト名ダンジョン突入作戦)
頭の中に例のアナウンスが流れた。
(クエスト達成条件、反乱分子の制圧)
「なんだって!!!」
クエスト達成条件がそれということはすでに反乱分子が活動しているということだった。
簡単に目標を達成できると考えていたが、一筋縄ではいかないようだと、気を引き締めるのであった。
つづく
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