第2話 エンデリオン
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
異世界アルカンディエル
人間の国、エンデリオン
その王宮の儀式の間で召喚の儀が行われていた。
「ねぇじいや、ほんとに召喚されるの?」
儀式の間入り口付近にいかにもお姫様という格好の女性とじいやと呼ばれたご老人がいた。
「姫様、100年前も無事に成功しとります。ご神託もあったので確実かと」
姫様は半信半疑といった感じで儀式を眺めていた。
しばらくして、儀式の間の中央に描かれた魔方陣が光出した。
その後、まばゆい光に部屋全体が包まれ、みなが目を閉じた。
ゆっくりと光が収まっていき、目を開けると魔方陣の中央に1人の男性が立っていた。
獅童 正樹は人間の国エンデリオンに召喚されたのだった。
正樹は状況が飲み込めず、辺りをキョロキョロ見渡した。
「はじめまして、英雄様、私はこの国エンデリオンの姫、アリア・ド・エンデと申します。以後よろしくお願いします」
アリアはゆっくりとスカートの端をつまみお辞儀をした。
正樹は貴族の礼は全くわからなかったが、なんとなくお辞儀を返してしまった。
「姫様、これを」
じいやはアリアに一冊の本を渡した。
「英雄様、これは召喚された際にお渡しする決まりになっている書物です。内容は私たちには意味がわからないのですが」
そういって手渡された本を正樹はパラパラもめくってみた。
書かれた文字は見たこともない言語なのになぜか意味はスラスラと理解できた。
本には大体のルールが書かれていた。
注意すべき点は召喚時に役職という名の能力を得ていること。
それと、能力は国力のレベルによって強化されるという点だった。
他にもあるようだが今はゆっくり確認している時間はなさそうだった。
「英雄様、お名前を聞かせていただいても?」
おそらくここでの名前は本名ではなくプレイヤー名だと先程の本に書いてあった。
「俺の名はマサキだ、よろしくお願いする」
なんとなく、英雄っぽくしようとしたせいか変な感じになってしまった。
「マサキ様、素敵なお名前ですね、本日はお疲れでしょうから早速お部屋に案内させますね」
じいやに目配せし、じいやは一礼をして少し離れ、部屋の外に待機していた数人のメイドを連れて戻ってきた。
「マサキ様、こちらがあなたのお世話をしますメイド隊です」
部屋に向かいながら、これまでの大戦(この世界では聖戦とされているらしい)の話をいろいろ聞いた。
召喚された英雄は聞く限り日本人のようだった。
また、人間の国は1度も勝てたことがなく、国の序列的には最下位なのだという。
他にもいろいろ聞いたところ、ゲームの仕様をそのままのようだった。
正樹は案内された部屋の大きなベッドで大の字になり、これからのことを考えていた。
(ルールでは半年間は戦闘行為の禁止、この期間で国力を高めないと)
ゲームのアルカンディエルは人間の国は器用貧乏の国、突出した性能はなく、他の国より難易度が高いとされていた。
(ルールでは負けた時のペナルティーは書いてなかった、ゲームだと敗戦国の代表、つまりプレイヤーは処刑されたことになる、負けるわけにはいかない)
正樹は疲れもあり、今後を考えながら眠ってしまった。
つづく




