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目立たざること路傍の石の如し
目立たず、ひっそり、学校生活を送って来た。
決して周りよりも飛び出ることなく、かと言って周りよりも沈むこともなく、中間よりやや上の、可もなく不可もないような立ち位置を保って。平均より良い立場で、浮き沈みのない安寧を保って来た。
それで十二分に幸せで、沈むことはもちろん、これ以上に浮くことだってごめんだった。
卒業までこの立ち位置を守り続けるつもりだったし、守り続けられるとも思っていた。
『側近四人と共に、そちらへ留学することになった』
その手紙が、届くまでは。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます
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