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対象者は妻だった  作者: サエキ タケヒコ
3/6

3 殺意

(浮気を認めた上で俺を「愛している」だと)


妻に強い怒りが沸いてきた。


あの男に会っている時の艶やかな妻の姿が蘇ってきた。


「リストラされたことを知っていたな」


「何のこと」


「俺のことを内心で馬鹿にしていただろう」


「違うわ」


 妻が立ち上がりリビングを出ようとした。


「待て、話は終わっていない」


 俺の手を妻がはねのけた。


「この野郎」


 妻を突き倒した。


 そして上に乗った。


「やめて、何するの」


 まるで強姦魔に抵抗するように妻は暴れた。


「イヤーッ」


(そんなに俺のことが嫌なのか。さっきは「愛している」なんて言いやがったくせに)


 ドス黒い殺意が芽生えた。


 俺の手は妻の華奢な首に伸びた。


 力いっぱい首を絞めた。


 妻が俺の下で足をばたばたさせた。


 それでも嫉妬と憎悪にまかせて絞め続けた。


 妻はぐったりとして動かなくなった。


 急に我にかえった。


 慌てて脈を取った。


 脈は無かった。


 ブラウスを剥ぎ胸に耳をあてた。


 心臓も止まっていた。


 秒針が時を刻む音だけが部屋に響いた。


 はだけた胸から見える白いブラジャーが妙に痛々しかった。


 自分のしでかしたことが怖くなった。


 動かなくなった妻をゆすって起そうした。


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