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僕たちは  作者: 猫眼鏡
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【75話】怪我の具合


 桐崎たちとの騒動の次の日。

 

小夜「んー、おはよう。」

マーリン・聖雷「おはよう!」

 

 朝起きると、キッチンのところで朝食の準備をしていた。

 

聖雷「ゆっくり眠れた?」

小夜「うん。なんとかね。」

聖雷「緋月から聞いたよ、お腹蹴られたんだっけ。」

小夜「…でも平気だよ。」

聖雷「そっか!」

 

 聖雷はフライパンの上に卵を割って入れると、フライ返しで混ぜ始めた。

 

マーリン「朝ごはん、そろそろ出来るわよ。座って。」

小夜「はーい。」

 

 テーブルに座ると、マーリンが箸とスプーンを並べていった。

 

小夜「あれ、みんなは?」

聖雷「緋月と胡蝶はベランダで日向ぼっこしてる。影楼は一旦家に帰るってさ。」

マーリン「ふふふ、さっき見た時、ベランダで緋月ちゃんたちが寝てたわよ。」

聖雷「風邪ひかないといいけど…。」

 

 すると、テーブルの上に目玉焼きが出てきた。

 

聖雷「はい。僕の目玉焼き!」

 

 食卓に料理が並ぶと、3人でいただきますをした。

 

マーリン「緋月ちゃんたちの分は取っておきましょう。」


 小夜と聖雷は料理を食べていた。

 

聖雷「うまい!やっぱり、みんなで食べると美味しいね。」

小夜「まだ2人だけどね。」


 すると、シユウも寄ってきた。

 

シユウ「にゃぁ。」

聖雷「あ、シユウおはよう!」

 

 聖雷は小さな皿に猫の餌を入れ、シユウに与えた。

 

聖雷「はい。」

 

 シユウもご飯をたべる。

 

小夜「シユウも疲れたもんね。」

シユウ「にゃ。」

 

 ごはんを食べ終わると、聖雷と小夜は一緒にお風呂掃除をした。

 

聖雷「よし、掃除するぞー。」


 お風呂掃除を始めようとすると、リビングに緋月たちが入ってきた。

 

緋月「ふぁー、おはよ。」

聖雷「あ、ひっきー。胡蝶も!」

胡蝶「腰が痛い。」

聖雷「ベランダで寝るからだよ。」


 2人をテーブルに座らせ、ラップしておいた朝食をテーブルに置いた。

 

緋月「今日ご飯なにー?」

聖雷「目玉焼き。ヨーグルトもあるよ。」

胡蝶「おう。」

 

 2人にご飯を食べさせ、今日は1日、ゆっくり休むことにした。

 

*

 

 

聖雷「ふぅ、終わったー。」

 

 ピカピカの湯船、塩素の匂い。

 お風呂の掃除が終わった。

 

小夜「完璧だね。」

聖雷「ってことは…手伝い終わったね!」

 

 聖雷は嬉しそうにシユウと外へ出ていった。

 

小夜「…さて、どうしようかな。」

 

 小夜は少し考えたあと、外へ出る準備をした。

 

*

 

 

 ドアを叩く音。

 

影楼「…あ?」

小夜「影楼?」

 

 影楼が家のドアを開けると、小夜が立っていた。

 

影楼「…なんだ、おめぇか。」

 

 小夜を家に入れると、椅子に座らせ、コーヒーを入れた。

 

影楼「怪我、大丈夫か。」

小夜「うん。なんともないよ。」

 

 小夜のお腹には包帯。服の隙間から少し見えるくらいに巻いていた。

 

影楼「守ってあげられねぇでごめんな。」

小夜「うんうん。影楼は、平気?」

影楼「なんとか。」

 

 影楼も頭や腕や脚に包帯が巻かれていた。

 

小夜「影楼の方が痛そう。」

影楼「うるせぇ。」

 

 少しの沈黙。

 小夜は影楼のことを見ながらコーヒーを飲んでいた。

 

影楼「…あのさ。」

小夜「?」

影楼「………………助けに来てくれて、ありがとよ。」

 

 影楼は照れくさそうにお礼を言った。

 

影楼「その…………守ってやれなかったが………その…嬉しかった。」

 

 顔を赤らめ、小夜と顔を逸らしながら話す影楼。

 ニコリと笑う小夜。

 

小夜「…こっちこそ、ありがとう。」

 

 影楼は少し小夜の方を見るとすぐ目を逸らした。

 

小夜「…どうしたの?」

 

 小夜が影楼の顔を見ようとする。

 

影楼「…っさい。」

 

 影楼が小夜の頭をペシッと叩く。

 

小夜「あたっ…!」


 小夜が笑いながら影楼の手を握った。

 2人は小屋の中で共に笑いあった。

 

*

 

 

 真夜中。

 冷たい鉄の床に足音が響く。

 

 少し下がると、目の前に小さな石碑。

 

影楼「…。」

 

 すると、石碑に向かって手を合わせ拝んだ。

 

影楼「…。」

 

 影楼は、そこにある写真を持ち上げた。

 

影楼「…そろそろか。」

 

 

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