【131話】初詣は…?
25年1月1日。
ついに、新年が明けた。
緋月「あ、小夜っち!」
神社の鳥居の前で小夜と緋月が会った。
小夜「あけましておめでとう。」
緋月「今年もよろしくね。」
小夜「うん、久しぶり。…12月ぶりかな。」
緋月「そうだね。」
小夜と緋月は他愛もない話をしながら待っていた。
すると、3人がやってきた。
胡蝶「待たせたな。」
影楼「よ。」
胡蝶「今年もよろしくな。」
小夜「うん!」
影楼「かなり久しぶりだな。」
小夜「うん、3人とも、久しぶり。」
聖雷「遅くなってごめん。どうしても、お腹が痛くて…。」
緋月「大丈夫!」
5人が神社の前にそろった。
鳥居をくぐると、1本道。出店が並んでいた。
緋月「ひぇ~。さすがに元日だから人も屋台もいっぱいだよね…。」
小夜「聖雷は大丈夫か?」
聖雷「うん…。」
聖雷は少し苦しそうにしていた。
胡蝶「仕方ないな。」
聖雷は胡蝶の腕につかまった。
聖雷「うぅ…ありがと…。」
一本道を進んでいく5人。
緋月「…ねぇ、小夜っち。」
小夜「なあに?」
緋月「あそこ。」
緋月たちと同じ学校の生徒たちを見つけた2人。
声はかけなかった。
小夜「あ。」
緋月「やっぱ、皆初詣にはここを選ぶんだね。」
小夜「近いしね。」
影楼「知り合いか?」
緋月「うん。クラスメイト。」
すると、見慣れた姿の人を見かけた。
緋月「あ!」
胡蝶・聖雷「?」
大勢の人の中、着物姿の女の子。円香だった。
緋月「円香っち?」
円香「あ、緋月くん!…と、乱夢ちゃんも?」
小夜「おう。」
円香「明けましておめでとう。今年もよろしくね。」
円香たち3人がお互いに挨拶をした。
胡蝶たちは円香の様子を見ていた。
胡蝶「…。」
聖雷「あの子が…ひっきーのガールズフレンド?」
胡蝶「そうらしいな。」
3人の会話。
円香「2人とも、受験お疲れ様。」
小夜「円香もな。」
円香「どうだった?」
緋月「まぁまぁかな。受かってるかは分からないけどね。」
小夜「そうだね。」
円香は、一緒に来ていた母親に呼ばれた。
円香「じゃあ、また学校でね。」
小夜たち2人は円香に手を振った。
聖雷と合流する。
聖雷「あの子が円香って子?」
緋月「うん。友達だよ。」
円香が母親のところに行くのを見ていた影楼。
円香は嬉しそうな顔をしていた。
影楼「…。」
変なことを考えた影楼。口元がにやりとした。
胡蝶「何考えてるんだ。」
影楼「…うるせぇ。」
胡蝶「…円香さん、もしかしたら緋月のこと…。」
影楼「こ、…胡蝶、お前!」
胡蝶「なんだ?動揺しているぞ?」
影楼「いや…それは。」
胡蝶「ははは。」
影楼が考えていたことが胡蝶には見透かされていた。
胡蝶「はは、冗談だ。…貴方も同じことを考えていたとはな。」
すると、緋月に呼ばれる2人。
緋月「胡蝶たち、早くお参り行くよ?」
胡蝶「あぁ。」
胡蝶は少し微笑んでいた。
緋月「何笑ってんの?気持ち悪~い。」
胡蝶「ははは。」
緋月が怪しがりながらも5人は神社の本堂へ向かった。
*
神社の本堂。
長蛇の列ができていた。
聖雷「うわぁ…。」
胡蝶「これは長いな。」
小夜「でも、そこまで時間はかからなそう。」
先頭には、何人かで賽銭箱の前でお参りをしていた。
影楼「1列で並んでるが、先頭まで来ると5人くらい同時にできるらしいな。」
小夜「回転率は悪くないな。」
緋月「そこまでかからないだろうね。」
5人はお参りの列に加わった。
緋月「お金、用意しておかないとね。」
小夜「うん。」
財布を用意しながら、順番を待つ。
緋月「お札の方がいいかな…?」
小夜「変わらないだろ。」
緋月「そうだった、小夜っちは神様なんて信じないもんね。」
小夜「ある程度はな。」
緋月「やっぱ、500円にしておこう。」
列に緋月から順に並びながら話して待った。
胡蝶「大丈夫か?」
聖雷「うん…。」
影楼「情けねぇな。」
胡蝶「トイレいくか?」
聖雷「うんうん、そこまででもないよ…。」
聖雷は長い列の先を見た。
聖雷「人、いっぱい…。」
胡蝶「先頭まで我慢だな。」
少し待つと、とうとう先頭になった。
賽銭箱の前に立つ5人。
緋月「じゃあ、皆で一斉にお金入れてお参りしよっか。」
4人「うん!」
5人はお金を賽銭箱に投げ入れた。
そして、全員で鈴緒を鳴らした。
手を合わせ、お参りをした。
5人「…。」




