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僕たちは  作者: 猫眼鏡
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【番外編】お盆休み(影楼・聖雷)

8月15日。宿のリビングにて。


聖雷「花と…差し入れと…。」


 バッグの中に花束などを入れる聖雷。


聖雷「準備はおっけい?」

マーリン「えぇ。」

シユウ「にゃん!」


 聖雷よマーリンは荷物を持った。


聖雷「胡蝶には伝えた?留守にするって。」

マーリン「えぇ。昨日言ったわ。」

聖雷「でも夕方から出かけるって。早く帰らないとね。」

マーリン「さ、行きましょ。」


 聖雷たちは宿を出た。




 小屋の地下室。

 影楼は地下室の扉を開けて、中に入った。


影楼「…。」


 明かりをつけ、石碑の前にたたずんだ。


影楼「愛…。」


 影楼は石碑の前に花束を置いた。


影楼「…愛。兄ちゃんはな、友達がいっぱいできたんだ。…4人もできた。愛にも見せたかった…。」


 すると、地下室の扉が開く音がした。


聖雷「失礼しまーす…。」

 

 扉の方を見ると、聖雷たちが来ていた。


聖雷「あ、影楼くん。」

影楼「来てくれたのか、ありがとう。」

マーリン「少しでもお祈りしようと思って。」

影楼「あぁ。してやってくれ。」


 聖雷たちは、石碑の前に立った。花束を置き、手を合わせてお祈りをした。


聖雷「愛ちゃんは、いま生きてたら何歳なんだろ。」

影楼「16。聖雷と同い年だ。」

聖雷「僕と…?」

影楼「生きてたら…仲良くなれたかもな。」


 聖雷は愛の写真を見た。


影楼「まぁ、今言ってもなにも変わらないからな。」

マーリン「…お墓は、ここじゃないのかしら?」

影楼「あぁ。本当の墓は実家の近くにある。」

聖雷「今度、連れて行ってよ。」

影楼「え。」

聖雷「僕は行きたいな。…愛ちゃんに、挨拶したいから。」

影楼「わかった…。」




 宿に帰ってくると、胡蝶と緋月がいた。


緋月「あ、おかえり。」

聖雷「ただいまー!ってあれ?補修は?」

緋月「休みだった。お盆だってことすっかり忘れてたよ。」

マーリン「ふふふ。やっぱり休みだったのね。」

緋月「え、わかってたの?」

影楼「お盆に学校開いてると思ってる方がバカだろ。」


 影楼がやってきた。


緋月「かげろっち!?」

聖雷「連れてきたの。」

影楼「邪魔するぞ。」

聖雷「胡蝶はこれからお出かけ?」

胡蝶「あぁ。街に行ってくる。」

緋月「じゃあ、帰りにお菓子買ってきてよー。」

胡蝶「断る。」


 帰ってきた3人とシユウはテーブルの周りに座った。


胡蝶「そっちは…墓参りか?」

聖雷「うん。」

影楼「あ、マーリンさん。」


 すると、影楼は持っていた袋をマーリンに渡した。


マーリン「これね。手に入ったのね!」

影楼「あぁ。お盆休みで一気に在庫を処分してな。その時にもらってきた。」

聖雷「なあに?それ。」


 マーリンは袋を開けた。


マーリン「ハーブよ。」

緋月「ハーブ?」

聖雷「何に使うの?」

マーリン「アロマを作るのよ。ずっとつくってみたかったのよ。何種類入っているの?」

影楼「5種類。それ以上は無理だった。」

マーリン「でも、ありがとう。」


 ハーブは、5種類も入っていた。ミント、ローズマリー、レモンバーム。そして、バジルとパセリ。


聖雷「パセリとかは食べられるよね!」

緋月「僕も食べたい!」

胡蝶「単体で食べる気か?」

緋月「うまければいいの!」

胡蝶「やれやれ。」


 みんなが宿に揃い、団欒を楽しんだ。

 マーリンの宿は、お盆でも賑やかだった。


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