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俺が何度も時空を超えて、恋を成就させる話。  作者: 呼ばれた魚
第1章 邂逅編
6/6

制約④

──結論から言うと。

どうやら、スリップできるのは36時間以内で、スリップ後に復活できるのは「一人のとき、あるいは倒れたり寝たりしてもよい(おかしくない)とき」というルールがあるようだった。

なぜこの範囲なのかもわからないし、そもそもスリップそのものの原理すら謎のままだ。

ただとにかく、こういう結論に至った。

過程としては──







携帯を無事置き去りにしないでおけた俺は、それから二度目の金閣観光を楽しんでから、ホテルへと向かった。

そして到着後、休憩に夕食、入浴とすませた後──


「……やってみるか。そうだな、戻るところとしては……美味かったし、夕食時でいいか」


これは不可能だった。

「時間」の面で制約があるかどうかなんてこの時にはまだわからなかったから、俺は偶然という可能性を持ちつつも、別のやり方でアプローチしてみた。


「じゃあ……露天風呂にするか。最初から沈んでるのは怖いけど」


こちらは、半分成功。

詳しく説明すると、このホテルには3つの浴場があり、ホテルの利用者はどれも自由に使えるため、俺は露天風呂を選んで入っていた。

そして、3箇所に分散したせいか、早い時間に入ったこともあって、俺一人になったときがあったわけだ。


目覚めたのもそこ。

復活時に倒れているのでは、という俺の読みは当たり、俺はそのとき無様にも通路で寝っ転がっていた。


「それなら……明日、今日の就寝時に戻れるかやってみるか」


このように俺は、幾度となく試し。

いくつか列挙していくと──


2日目朝→1日目就寝時……成功

2日目移動中の車内→2日目朝食……失敗

2日目帰宅後→旅行出発前……失敗

2日目就寝時→2日目夕食……夕食前に一人でくつろいでいた時間にスリップ

3日目朝→2日目就寝時……成功

3日目朝→1日目就寝時……失敗

3日目帰路→3日目朝→起床時にスリップ

3日目帰宅後→3日目銀閣……到着時の車内


このような結果が得られた。

まだ確定ではないが、これらを総合すると、最初に示した決まりがあるようだった。

これは制約だろうか。

ちなみに回数に関しては、3日目に30回ほど試したが特に異常はなく、今のところは制限はない、もしくはとても多い、という感じだと考えた。


また、先の仮定を裏付ける証拠として、4日目、つまり帰宅した日の翌日に、制約に則ったスリップ、則っていないスリップをいくつか試したところ、前者は全て成功、逆に後者は全て失敗した。

もしかしたら、これが「上記以外の制約はない」ということも示しているかもしれない。


未だにスリップの原理は謎だが、ほぼ自由に使える、と考えれば……




──収束の日は、近い。

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