日常その10
誤解が始まる
学校が終わり、保健室へ行く
「失礼します」
「あらいらっしゃい枯葉ちゃん」
今日で二日目だ
先生はお湯を沸かし始める。また何かをくれるのだろうか?
「今お茶を淹れてあげるからね」
お茶...確か緑茶やら紅茶やらという種類があるとかいうあれだろうか
「枯葉ちゃん、今日は何か楽しい事とかあった?」
先生がお湯を沸かすのを横で見ながら話しかける
口調的に私が何か楽しい事を経験したのを判断したのではなく、
楽しい事があったかなかったかを聞いているようだ
「...給食が美味しかったです」
「ふふっ...それはよかったわね」
......?
愛想笑いのような物ではなく、心からそう思っている...?
他人の楽しみを聞いて、しかも私の楽しかった事なんかを聞いてなんで楽しんでいるんだろう
「..........」
「給食は何が美味しかった?」
「お味噌汁です」
「へぇ、お味噌汁のどこら辺が好きなの?」
先生はお湯をコップに注ぎながら問いかける
「...色んなものが入っているから?」
「そっか、先生もお味噌汁好きなの、味噌ってね、色んな種類があるんだよ」
「そうなんですか」
先生は何かを作り終えたのか、コップを一つ私に差し出してくる
「これは緑茶よ、いい茶葉をもらったの」
「..........」
「さ、飲んでみて」
緑茶を飲む
「っつ....」
熱かった
「あ、ごめんね、熱いの言うの忘れてたわ先生...」
「いえ...」
「ゆっくり飲んでね」
「はい...」
「ふー、ふー.....」
ゆっくり緑茶を飲む
苦い...?でもなんか落ち着く感じだ
「美味しい?」
「....よくわからないですけど...多分美味しいです」
「...そう」
微笑みながら先生は言った
気分がゆったりとしてきて、次第に眠くなる
「あら...眠いなら眠りなさい」
ただ、今朝感じたあの感覚を思い出しなんとか眠気をこらえる
しかし、眠りに落ちる
「......すぅ...すぅ...」
「...寝たわね」
終わらない