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3.気が付いたら異世界転生していた

気づいたら、四畳半の部屋にいた。


見覚えのない場所だ。

どうやら、死んでしまったらしい。

これは死後の世界だろうか?


誰かを助ける為に道路に飛び出したわけでも、通り魔に刺されたわけでもない。

単なる心臓麻痺である。

のんびりとした性格だったのが災いしたのか、あまり健康に気を使っていなかった為か。

死ぬときは少し苦しくなったが、すぐに意識を失った為、苦しんだわけでは無かった。

享年17歳


部屋でいる間に白髭の爺さんの相手をしていたら、たっぷり5時間は愚痴を聞かされてしまった。

ちょっと疲れた。


だが次の瞬間


「おめでとうございます!」

「はい?」

「あなたは転生試験に合格しました。」


昨今、死んだ者が異世界転生を希望する場合が多い。

その際、特殊能力チートやステータスアップ等の特典を求めることが多くなった。

しかも、転生先でその特典を使っての横暴が目に余るので試験を課すようになったそうだ。


試験は毎回変わる。

例えば、試験の内容は


「ドラム缶いっぱいの豆を箸で分類する。」

「封筒貼り」

「紙袋づくり」

「電話番」


等、など、etc・・・。


それは規定数か規定時間に達するか、対象者がキレるかサボるかした場合終了する。

当然、キレたりサボった場合は失格である。

規定数や規定時間に達しなくても、休んだ時点で終了となり、その時点での数や時間が転生時のポイントとなる。


今回の課題は「爺さんの愚痴を聞く。制限時間最大5時間」である。

愚痴を聞かなくなった時点で終了。

聞いていた時間によってポイントとなり、一定時間で特典が付く。


「制限時間いっぱいの5時間の君には特典“好きな種族転生”が追加で付く!!」

「何か地味な気が・・・。」

「ちなみにこれが無いと種族はランダムじゃ。」

「・・・」

「場合により、ミジンコにも転生できるよ。」

「なんて素晴らしい特典なんだ!!」


「他の特典は何なのです?」

「1分で“スキル習得”、1時間で、“記憶継承”、2時間で“ステータス設定”、3時間で“ユニークスキル習得”、4時間で“知的種族転生”じゃ。」

「1分?」

「最低1分が条件なのじゃ。それにより転生時のポイントを得ることが出来る。

君は5時間だからステータスとスキルそれぞれに300ポイント分じゃ。」


「ところで“好きな世界を選択”と言うのは無いのですか?」

「残念ながら、今回選択できる世界は1つなのじゃ。」

「じゃあ、その世界について・・・。」

「その世界については転生してからのお楽しみなのじゃ。」


転生先の世界について判らないのにスキルを取らせるとは、甘くない様だ。

爺さんはJPadの様な物を取り出し


「このGPadで転生先のステータスを設定するのじゃ。」


各項目ごとにスライダーを動かすことで大まかな設定できる様だが正確な数値は判らない。


運、身分を最大?にした後、平均的に能力値を上げる。

ポイントが多いため全ての能力値が高めになった。

(スライダーが7割か8割を示しているので高い方だろう。)


スキルは、剣技、槍技、盾、危険感知、言語。

ユニークスキルは“ライブラリー”を取る。


スキルは名前から大まかな能力は判断できるが、ユニークスキルは判り難かった為、なじみがあり役に立ちそうな言葉にしてみた。



全ての選択が終わって爺さんは

「なお、ここでの記憶は転生と同時に失われるのじゃ。」


「次の転生の時の攻略防止の為、ご協力をお願いいたします。」

「この度は4.5畳転生スポットをご利用いただきありがとうございました。

では、次の機会をお待ちしております。」


と、深々とお辞儀をする爺さん。

それと同時に、俺の体?は徐々に消え、同時にここでの記憶も消えてしまった。


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