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Act9-6 失った目標

 本日十七話目です。

 結局俺は星金貨一千枚とラスティアングラス一組を褒章として受け取った。


 もともと一代である程度は稼いでいたが、星金貨一千枚となると完全に成金だよ。


 まぁもともと成金ではあったけれど、それがより極まったなと思うよ。


「ふふふ、成金ではなく、成王と言ってもいいのではないでしょうか?」


 レアはニコニコと笑いながら、俺の腕を取ってしなだれかかっていた。


 それだけを見ると俺が一気に金を稼いだことで寄ってきた女性のようにも思えるけれど、レアは俺が金を持っていなかったとしても同じ態度でいてくれることはわかっていた。


 そもそもレア自体が王様なのだから。


 それも缶詰の生産地である「蛇の王国」の王様なのだから、お金にはあまり興味なさそうだもの。


 とはいえ、それはほかの嫁たちも同じだった。


 むしろそれだけの金額を俺が稼いだことをみんな誇らしく思ってくれているみたいだ。


「むふふふぅ~、星金貨一千枚もあれば高価な材料を山ほど使えるのですよぉ~」


 ……訂正。サラさんはお金に目が眩んでいます。


 実際目が「$マーク」になっているもの。


 まぁ、眩んではいるけれど、俺がそこまでの仕事をしたことを誇らしく思ってくれていることはみんなと変わらないようだけどね。


 ただサラさんは最近鍛冶仕事ができていないから、そのうっ憤も多少あるのだろうけどね。どちらにしろサラさんらしいことだ。


「ティアリカまま、ティアリカまま、ほしきんかってなぁに?」


「この世界で一番高いお金のことですよ、カティ」


「一番高いおかね?」


「ええ。星金貨一枚あれば、そうですね。お菓子をお店ごと何軒も買えますね」


「わふぅ、すごいの!」


「ええ、すごいですね。それが一千枚もあるのですから」


「わふぅ、ぱぱ、すごい!」


 ティアリカとカティがとても微笑ましいやりとりをしていた。


 まぁ、星金貨なんて少し前まで封じられていたカティが知っているわけがない。


 いや、そもそも星金貨という存在がいつからあるのかわからない。


 どちらにしろ、カティが知らないのは無理もないよね。ただ説明の内容はいかがなものか。


 お菓子をお店ごと何軒も買えるとか。いやその通りなんだけど、なんか、うん、違う気がするよ、俺。


「パパってば、すごくお金持ちになったの」


「そうですね。もともとお金持ちでしたけど、よりお金持ちになられました」


「わぅわぅ、さすがはパパだね。お金を稼ぐことに関してだけはスゴイの」


「シリウスちゃんは本当に素直ではありませんね」


 くすくすと笑うモーレと俺をディスりつつもちゃんと褒めてくれているシリウス。


 ……どうせならもっときちんと褒めてくれたら、パパはもっと嬉しいんだけどね。まぁ、シリウスらしいかな。


「……よかったですね、「旦那様」」


 最後にプーレは喜んでくれていた。


 ほかのみんなはそれぞれにらしい反応だったけれど、プーレだけはなんからしくない気がするな。


 まぁ、星金貨一千枚なんていきなり言われて、実物を目にしたとしても実感なんて早々わかないだろうから無理もないとは思うんだけどね。


 俺自身、実感なんて一切ないもの。……かつて目指していた金額ではあるのだけど、こうして実際に手に入れてみるとなんとも言えない気分になってしまう。


「そう、だね。とりあえず目標のひとつは達成できたと言ってもいいのかもしれないな」


 そう、目標は達成できた。でもそれはかつての目標でしかない。


 いまの目標は……なんだろうな。


 カルディアを殺したアイリスの復讐。


 その復讐はもうどうでもよくなってしまった。


 いや、復讐してもカルディアは喜ばないとわかってしまった。


 だからアイリスへの復讐はどうでもよくなってしまった。


 強いて言えば、アイリスとアルトリアが言う「お父様」とやらがどんな存在なのかを確かめることくらいかな? 


 とはいえ、その当のアイリスはどこに行ったのかもわからなくなってしまった。


 もっとも「お父様」の行方を知る方法はまだ残っている。


「まぁ、とりあえずギルドに戻ろうか」


 すでにラースさんとの謁見は終わっていた。


 いまは城の廊下を全員で歩きながら外へと向かっている。


 その全員の中にはあのいけ好かない女さんことカティアと──。


「ふぅ、やっとであるな。我そろそろ疲れた」


「ふふふ、ごめんね、ドラームスさん」


「まぁ、気にすることはない。カレン様。ええ、気にすることはない。一緒に生活していたのに、すっかりと我を忘れていたことなんて気にすることはない」


「あ、あははは」


 すっかりとへそを曲げてしまっているドラームスさんが俺の頭の上で憤慨していた。


 そう、俺はすっかりとドラームスさんのことを忘れてしまっていた。


 いろいろとあって、すっかりとドラームスさんのことが頭から抜け落ちてしまっていたんだよね。


 おかげでドラームスさんはお怒り中です。


 どうしたものやら。これと言った方策が思いつかないまま、俺はドラームスさんを頭に乗せて、城の廊下を歩いていた。

 続きは十七時になります。

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