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Act8-35 こうして胃痛に悩まされることになりました←

 前回との対比がひどいです←

 ティアリカさん改め、ティアリカの恥ずかしがる姿は、反則的なほどにかわいかった。


 ヴァンさん時代はいろいろとアレではあったけど、あの頃でも見た目だけであれば、十人中十人が振り返るレベルできれいな人だった。


 でも本来の姿であるいまは、きれいな中に清楚なかわいさがあった。


 ……ヤンデル化する前のプーレはそういう子だったのに、いつから包丁二刀流で俺を追いかけるようなヤンデルになってしまったのだろう。


 まぁ、プーレのことはいい。


 だからと言って、プーレがどうでもいいわけではなく、いまはティアリカがどれほどにかわいらしいのかを挙げていくことの方が──。


「むぅ、妹ちゃん。お嫁さんが大事なのはわかったけど、お姉ちゃんを大事にしてくれないと、この国亡ぼしちゃうよ?」


「わぁーい、お姉ちゃん大好きー! ハグー!」


「ふふふ、まったく妹ちゃんは、甘えん坊さんだね」


 ──ティアリカのかわいさを挙げていきたいところだか、ジズ様をよいしょしないと危険なようだ。


 というかさ、こんな危険すぎる脅し文句初めて聞いたよ。


 そもそも脅し文句って、あくまでも脅しなだけであって、本当にするかどうかは相手次第だ。


 でもジズ様であれば、確実にこの国は亡ぼせるもん。その気になったら灰塵と帰しちゃうよ。


 クーデターなんてやらかしたアホエルフが自称蝿王をしているけど、この国はグラトニーさんが愛していた国なんだ。その国を癇癪で亡ぼさせるわけにはいかない。


 だからこそのハグだったのだけど、我ながら明らかな棒読みになってしまったよ。


 こんなんじゃあ納得してもらえないかと思ったけど、ジズ様はかなりチョロいようだ。


 棒読みで抱きついただけで、機嫌がなおったもの。


 ……なんというか、切れたらなにをするかわからないところとかが、レアによく似ているね。


「レア。あぁ、レヴィアのことね。元気にしているかしら?」


「え、あ、はい。元気にしていますよ。いつも「旦那様」、「旦那様」とよく尻を追いかけられて──」


「……そう。レヴィアも妹ちゃんのお嫁さんになったのね。ふふふ、いい度胸よね、あの子は」


 ジズ様が笑う。けれどとても鋭いお目目であらぬ方を見て笑っておいででした。


 ……失念していたね。うん、とっても失念しておりました。


 ジズ様はさっきまでティアリカさんに嫉妬のあまり全力で攻撃を仕掛けていたということを。


 どうして俺は失念していたかな? 


 これじゃジズ様が「ベルル」の街まで殴り込みに行きそうな気がしてなりません。


 ここはどうにかして落ち着かせて──。


「ジズ。少し落ち着きなさいな」


「……少しくらいいいじゃないですか、サラ様」


 ──落ち着いてもらおうとしたら、不意にサラ様の声が聞こえた。


 見れば少し前までジズ様が座っておいでだった玉座に、サラ様がおみ足を組んで座っておいででした。


 すらりとしたおみ脚がとてもセクシーです。


「さ、サラ様って、あのサラ様ですか!?」


 ティアリカが慌てている。


 あー、そう言えばティアリカはサラ様に会うのは初めてだったっけ?


 なら驚いても無理もないかな。


「初めまして、「剣仙」ティアリカ。守護天使長のサラよ。そして──」


「わぅ! お久しぶりなの、サラばぁば!」


 シリウスがサラ様に向かって元気よく手を振っていた。


 サラ様はとても穏やかに手を振り返してくださっていた。相変らずの孫煩悩なお方ですね。


「シリウスちゃんのばぁばでもあるから、よろしくね」


「え、あ、はい。よろしくお願いいたします」


 サラ様の思わぬ言葉に、ティアリカは完全にフリーズしていた。


 あー、やっぱりそうなるよねぇと他人事のように思いながら、サラ様の元へと向かっていくシリウスをぼんやりと眺めていた。

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