Act7-106 修羅場からの修羅場~登場編~
無事に今日も更新できました。
今回は修羅場が終わるかと思ったら~からの修羅場突入です。
詳しいことは、まぁ、うん←ゲス顏
怒り狂う嫁ズに囲まれた俺。
近くにはカオスグールと思わしき化け物がいるというのに、嫁ズはカオスグールには一切目を向けていなかった。
普通に考えれば自殺行為なんだろうけど、三人とも俺を折檻したくて堪らないらしい。
その気迫に圧されているのか、カオスグールはさっきから怯え続けている。
うちの嫁ズは、怒り狂ったうちの嫁ズは、神代の化け物でさえ怯えさせてしまうのかぁ~。知りたくなかったな、その事実!
でもいまさらなにを言っても、嫁ズは止まってくれそうにはない。
プーレなんて両手の包丁をシャリン、シャリンと打ち合わせているものね。
「ふふふ、まずは首を落としてから、なのですよ」
ニコニコと笑いながら、そんな恐ろしいことを言ってくれています。
えっと、なぜに三枚下ろしのやり方なんて口にされているんでしょうか、プーレさんは?
「ふふふ、なのですよ」
でもプーレさんったら、答えてくれませんね。
まぁ、なにを三枚下ろししようとしているのかは明らかですけどね!?
「「旦那様」ですから、もうちょっと弾幕を増やさないとダメですね。それこそ、ふふふ、この「禁足地」を禿げ山にするくらいの量をぶつけないとダメですよね。このレア、限界に挑ませてもらいましょう」
やめて?
お願いだからやめて?
俺への折檻で限界に挑もうとするのはやめてよ、ねぇ!?
なんでそんなくだらないことで限界に挑もうとするのよ、レアさんってば!?
もっと相応しいがことあると思うの!
たとえば、俺とガルムみたくさ──。
「──加えてサラが抱く隠し子のことも少々気になりますねぇ。ええ、怒ってはいませんよ? 「旦那様」のお子を授かるのは私の役目だというのに、この短期間でサラに産ませた経緯についてもお聞かせいただきますね。空の上で」
───それかぁぁぁーっ!
サラさんが抱きっぱなしのカティを見て、ふたりともぷっつんしているのね!?
考えてみればあたりまえか。
だってサラさんといなくなり、出てきたらサラさんの腕の中には見知らぬ女の子がいる。
そりゃぁ疑われますよね!?
でもね、レアさんや。子供は一晩で宿るけど、その晩中に産まれはしません!十月十日はこの世界でも不変の事実であって──。
『いまの香恋なら、一晩で妊娠からの出産まで持っていけますよ?』
──恋香ぇぇぇーっ!
てめぇ、ふざけんなぁぁぁーっ!?
たとえ可能であってもさ!
可能であってもさ、現状で言うことじゃないだろうっ!?
そもそも俺が潔白なのはおまえも知っているだろう!?
『さて、なんのことやら?私が覚えているのは、土くれの上ではサラに申し訳ないとあなたが言ったことと、抵抗するサラを無理やり手作りのベッドに寝かせ、そのベッドにあなたも潜り込んだということくらいで──』
「ちょっと、おまえ、言い方が──」
間違ってはいないよ。間違ってはいないけどさ!?もっと言い方があるよね!?それだと確実に──。
「「あぁ、やっぱり」」
──ほらぁぁぁーっ!?
勘違いされたじゃんかよぉぉぉーっ!
というか、確実に勘違いされるように言いやがったな、おまえ!?
『ふふふ、あなたの立場はおいしくなくとも、そのハーレムっぷりには腹が立ちますからねぇ~。……せいぜいいい声で哭きなさい?』
この野郎っ!
ご丁寧なことに俺だけに通した念話で言いやがった!
嫁ズには勘違いをさせてからの俺への折檻を高みの見物かよ!
いいご趣味ですこと!
変態のうえにドエスとか、本当にいいご趣味ですね!
しかし恋香のことをとやかく言っていられる余裕は皆無だ。
どうすればいいのかさっぱりだよ。どうすればこの修羅場から──。
「わふぅ~。うるさいの」
──不意にカティが目を覚ました。
相変わらずあらぬ方を見ているけど、すんすんと鼻を鳴らしてなにかを探しているみたいだ。
なにを探しているのかなと思ったら──。
「わふぅ~、ぱぱ!」
──俺の方を向くと満面の笑顔を浮かべてくれた。その笑顔にレアとプーレの動きが止まる。そして──。
「「か、かわいい」」
──二人そろって撃墜されてしまった。かつてのシリウスを思わせる撃墜っぷりです。
よし、ここはカティのかわいさで以て現状を打破して──。
「……その子誰?」
──気が一瞬遠くなった。振り返るとそこにはご機嫌ななめなシリウスが立っていました。
正妻ならぬ長女登場です。




