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Act7-104 空からの

 更新祭りに最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 今日は更新祭りではありませんが、恒例の二話更新です。

 まずは一話目です。

 妙な爆発音がしましたね。


 というか、頭上からなにやら落ちて来る音が聞こえるような? とりあえずは切り捨てつつ、移動しましょうか。


 敵を前にしてよそ見するなど、愚の骨頂です。状況を知りたければ、攻撃しながら動けばいいだけのこと。


 肉塊を切り捨てながら、状況が確認できる位置まで下がる。すると少し前まで手前がいた場所へと塊が落ちて来るではありませんか。


 ああ、やはり攻撃でしたか。


 となるとあれなる爆発はあの肉塊の計略。つまりは罠ですね。であれば、近づかぬ方が得策というもの。とはいえ、近づかねば攻撃できないこともまた事実。


 ならば手前にできるのは、あえて相手の計略に乗ることですね。もともと手前は遠距離からの攻撃は得意ではありません。


 手前にできるのは近づいて斬る。ただそれだけです。ただそれだけを極めたから、「剣仙」と謳われるほどになった。


 手前には剣を通してなにかを教えることはできません。できるのは、ただただ斬るのみ。斬ることのみに特化し、斬ることのみにすべてを捧げた。


 だから手前は「剣仙」なのです。あの「剣聖」と肩を並べるところまでに至れたのです。


 その名が言っている。真っ向勝負で切り捨てろ、と。どんな計略があろうとも、ただ切り捨てる。ただ真正面から切り捨てる。それだけでいいのです。それだけしか手前にはできませんからね。


「参りますよ、ミドガルズ」


『御心のままに、主ティアリカ』


 手前もミドガルズも真っ向での斬り合いしかできない。そしてそれを誇りとしてきた。ゆえに相手の攻撃とわかっていても、真正面から打ち破るだけ。


 地面を強く蹴る。いままで以上に強く速く踏み込んだ。マモンがなにやら叫びましたが、すべて思考の外においやっていく。


 いまはただ駆け抜け、そして切り捨てる。もう幾度となく繰り返してきましたが、相手が先に倒れるか、こちらが先に倒れるかの勝負。もともと剣の勝負だけではなく、戦場ではそれがあたり前でした。そのあたり前を手前はやるだけ。


 あたり前の先に待つのが死であれば、それもよし。もともと兄上が亡くなってからの手前は死んだようなものでした。


「剣仙」ではなく、兄上の字を、「鍛冶王」の名を名乗ってしまったのも、剣であれば、「剣聖」がいるから問題はないと思ったから。そう手前よりも優れた剣士である「剣聖」がいれば、剣が廃れることはない。


 しかし鍛冶王がいなくなってしまえば、その御業を誰も継承できない。兄上は性格こそアレでしたが、その技はまさに鍛冶王と謳われるに相応しい、まさに神業でした。


 その御業を廃れさせるわけにはいかなかった。だから手前は剣の道を捨てたのです。すべては兄上の御業を後の世にまで伝えるために。そのためだけに手前は──。


『主ティアリカ、射程範囲です』


 ──いけませんね。考え事をしすぎてしまっています。難しく考える必要なんてないのに。まったく我がことながら困ったものです。


 まぁ、いいでしょう。いまはとにかく大将が戻られるまでの時間稼ぎをすれば──。


「ちょ、ちょっとヴァンさん、そこ退いて!」


「ふぇ?」


 素っ頓狂な声が口から漏れ出るのと頭上に影が差すのは同時でした。戦場にあるまじき行為を、敵から目を離すという失態をしてしまった。


 でもそれも無理もないのです。なにせ件の大将のお声が聞こえてきたのですから。だから、つい目を逸らしてしまった。頭上を見上げてしまった。


 それがいけなかったのでしょうね。


「ちょ、なんで上を、あーっ!?」


 大将の顏がすぐ目の前にまで迫っていたのですから。

 このあとの修羅場が目に浮かびますね←ゲス顏

 続きは二十時になります。

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