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Act7-78 気が気でないですよぉ~(Byサラさん

「旦那様」がまさかの行動に出てくれました。


 いや嬉しいですよ? 「旦那様」の手作りベッドに寝かせてもらえるというのは、素直に嬉しいです。


 しかもお姫様抱っこでそっと寝かせてくれたのですから、嬉しさもひとしおというものです。


 けれどですね? いくらなんでも「星砂」製の布団ってどうかと思うのですよぉ~。


 ゴレムスさんのお仲間さんのお体の中に「星砂」が詰まっていたこと自体が驚きですがぁ~、その「星砂」を「手触りがいいから」という理由で布団に詰め込むとか、普通はありえないと思うのですよぉ~。


 ゴレムスさんのお仲間さんの体に詰まっていた分だけで星金貨にして数十枚分はあると思うのですよ。


 少し零れた分だけでも星金貨まではいかなくても金貨数十枚分はあったはず。


 それをあっさりと。


 あんなにもあっさりと。


「旦那様」の金銭感覚がよくわからないのですよぉ~。


 普通は「星砂」を見つけたら、すべて回収しそうなものですがぁ~、「旦那様」はあっさりと切り捨ててしまっていますしぃ~。


 それとも「星砂」よりも私の方が大事だと言ってくださっているのでしょうかぁ~? 


 それはそれで嬉しいのですがぁ~。気おくれするというか、申し訳ないというか。


 背中に触れる「星砂」の感触が冷静さを奪い去ってくれると言いますかぁ~。


「どう? サラさん。寝心地は?」


 ニコニコと笑いながら、即席ベッドに肘を突く「旦那様」。


 ああ、肘なんて突いたら穴が空いて、そこからさらに「星砂」が流出しちゃいますよぉ~。


 この人、それをわかっていてやっているのでしょうかぁ~? 


 それとも理解せずにやっているんでしょうかぁ~?


 どちらにしろ大物すぎるのですよぉ~。さすがは母神様のご息女様ですねぇ~。


「……最高にやばいですねぇ~」


「そっか。それはよかったよ」


 布団の下にはさらに大量の「星砂」があると思うと、下手に動けないのですよ。


 というか動いたら「星砂」が余計に流出しちゃいますし。


 そういう意味でヤバいと言ったんですけど、「旦那様」はどうも勘違いをなさっていますねぇ~。


 とはいえ、言ったところで聞いてくれそうにないですよねぇ。


 いまの「旦那様」にとっては「星砂」はただのきれいな砂でしかないんですから。


 それが余計に気が気でなくなってしまう要因なんですがぁ、それもいまの「旦那様」には通じそうにないですねぇ。困った人ですよ、本当にぃ~。


「さて、これからどうしようか?」


「旦那様」は布団のうえで頬杖をつかれながら、これからのことを考え始められました。


「ドラームスさんが言うには、エレベーターはもう使えないみたいだし」


 ここに来るまでの間、ドラームスさんが「旦那様」におっしゃったことみたいですが、どうやらあの長い筒はもう使えないみたいです。


「刻」属性の余波を喰らってしまい、使い物にならなくなったみたいですねぇ~。


 ドラームスさんが言うにはあれが唯一ここから出られる手段だったそうです。


 つまりは外に出られなくなってしまったということみたいですねぇ~。


『香恋がバカみたいに出力を上げすぎるからですよ。おかげで出られなくなってしまったではないですか。まぁ、その分サラをここで思う存分かわいがることができるわけですが』


「うん。その役目は俺であって、おまえじゃないからな?」


『不公平です! 私に指をくわえて、サラとのギシアンを、汗に塗れる褐色巨乳との一夜を見ていろと言うのですか!?』


「直接的でないからと言って許すと思うなよ、この脳内ピンク。というかそのいかがわしいDVDのうたい文句みたいなのはなんだ?」


『おーぼーです!』


「横暴結構! こればかりは譲れねえ! というかちゃんと答えろ、この野郎!」


「旦那様」とレンゲさんが言いあいをされていますが、「旦那様」が私をそういう目で見てくださっていると思うと、すごく嬉しいですねぇ。私はいま人の姿をしていますが、これでも竜族ですからねぇ~。


「旦那様」からしてみたら化け物でしかないのに、そんな化け物を「女」として見てくださっている。それはとても嬉しいことです。


「あー、もう面倒臭い!」


 不意に「旦那様」が叫ばれました。同時にベッドに乗り込んで、ってちょっと!?


「だ、だ、「旦那様」!? なななな、なにを!?」


 どもりすぎだと自分でも思いますけど! 思いますけどぉ! 


 こればかりはどうしようもないと思うんですよ! 


 だ、だって私こういうことは初めてと言いますか。キスだって「旦那様」とのが初めてでしてぇ~。って違います!


「お、お、落ち着いてください、「旦那様」、ま、まだそんな時間じゃ──」


 迫りくる「旦那様」に向かって必死に言い募るも「旦那様」はそんな私に向かって顔を近づけて来られました。そして──。


「サラさん」


「ひゃ、ひゃい!」


「寝よう!」


「……はいぃ?」


 思わず聞き返すようなことを言ってくださるのでした。

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