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Act7-18 お風呂回と言えど、サービス回とは限らない←

 今日は無事に十六時更新できました。

 前回に引き続きお風呂回です。

 まぁ、サービス部分はほとんどありませんが←

 ちゃぽんとお湯に浸かる音がする。


 それから薄緑色のお湯を肩に掛ける音が聞こえてくる。旅番組でよく見る温泉でのワンシーン。


 お湯を肌に、バスタオルで隠した肌にお湯を掛けるあの光景が、現在隣で行われていた。


 ただ旅番組とは違うのは、バスタオルがないということ。つまりはサラさんの肢体が日の目に晒されているということです。


「いいお湯加減ですねぇ~」


 のほほんとサラさんが笑っている。笑いながら掛け湯をするサラさんはほんのりと体が紅潮している。


 サラさんの黒髪がお湯に濡れてとてもきれいだ。カラスの濡れ羽色というけれど、それはサラさんの髪を言うんだと思う。その髪をいまは巻き上げている最中だった。


 そのせいか、薄緑色のお湯に浮かぶ大きな褐色のマシュマロがより強調されている。


 お湯の中にあるくびれたウェストやその先のものはお湯でやや隠れているので完全には見えていないが、サラさんのプロポーションがいいことは疑いようがない。


 おかげで頭の中で脳内ピンクがまじうっさい。


『キマシタワぁぁぁぁーっ! サラさんのお体マジやばいっす! マジサイコー!』


 脳内ピンクがネット民のような反応をしてくれている。ちょっとお前黙れと何度か言っているんだけど、恋香さんのテンションが天元突破しすぎていて、俺の言葉は届いていない模様です。


 あろうことか、どうやっているのかはまったくわからないけれど、指笛の音が聞こえてくるもの。


 実体がないのにどうやって指笛しているのかな、こいつは。


「どうされましたかぁ~?」


 サラさんが不思議そうに首を傾げていた。


 いまは恋香がサラさんに念話でのパスを繋げていないから、恋香がどれほどテンアゲなのかがわかっていない。


 おかげで俺はひとりテンションが壊れてしまった恋香とやり合わなきゃいけないという地獄を味わっている。


 本当にどうしてこうも恋香は女好きかなぁ。


 下手したらあのアホ勇者レベルに女好きな気がする。


 それこそ血の繋がりを感じるレベルにね。


 さすがに最近発生したばかりの恋香とあのアホ勇者にそんな繋がりがあるわけがないけど。


 でもそう思ってしまうくらいに恋香と勇ちゃんの女好きっぷりはよく似ているよ。まぁ、かくいう俺も人のことはさほど言えないけどね。


 なにせノンケだとか言っておきながら、次々に嫁ができていくんだから。しかも嫁の大半と関係持っちゃっているから、傍から見れば俺も同じ穴の狢かもね。


 さすがに恋香のようにサラさんの裸を見てキマシタワーを建てるほど、興奮しているわけじゃないけど。


 むしろサラさんも俺よりもはるかに「持っている人」だから、かえって羨ましいもの。


 仮に持っていたとしても俺には見せる相手なんて存在しないから、別にあってもなくても変わらない。


 それに俺の場合は毅兄貴が言うには人と神の悪いところばかりが影響し合って、発育が著しく悪いという現状を招いているみたいだ。


 それがどういうことなのかは結局聞くことはできなかったけれど、たぶん時間をかければ俺も母さんみたいなバインバインになれる可能性はあるってことなんだろう。


 ……それがいつなのかはさっぱり見当もつきませんけど。


 とはいえ俺の発育のことはどうでもいいか。


 こればかりは時間が解決してくれるとしか言いようがない。


 そんなことよりもいまは──。


「ん~? 湯あたりしちゃいましたかぁ~?」


 返事しない俺を心配してくれているサラさんを落ち着かせる方が先決だろうね。


 サラさんってば、俺を抱き寄せながら「ん~?」と俺の額に額を合わせたり、俺を抱えて湯船を出るとなぜか膝枕をしてくれたりと至れり尽くせりの看護をしてくれている。


 看護をしてくれるのはいいんだけど、額を合わせるときにサラさんのお胸様が俺の胸というか胸板に押し潰されていた。


レアほどではないけれど、サラさんのお胸様もかなりのボリュームだった。


「ラスト」で谷間を見たことがあったし、普段はそんなに目立たないんだけど、サラさんはかなり着やせするタイプみたいだ。 


 お姉さんであるゴンさんとは違うね。あの人は動きやすさを優先しているから、下手したら痴女と思われるような服装になることが多いのに、サラさんは胸が大きいことを隠しているみたいだ。以前に言っていた求婚云々のことが原因なんだろうね。


 普段は隠しているお胸様がいま目の前にあるわけでして、すごい迫力です。その迫力ある光景を眺めつつの膝枕。なんとも言えない気分だね。


 その看護に脳内ピンクが『香恋ばかりずるいです! 交代を、交代を希望します!』とか喚いてくれているからね。おまえに交代させたら、なにをしでかすかわかったものじゃないんだから、誰が交代させるかよと言ってあげました。


 そしたら脳内ピンクさんは『交代枠は使い切っていないでしょう!? 交代枠を使ってこそゲームは変動するのです! 指揮官とは交代枠を使ってよりよい展開へとゲームを進めることが仕事であってですね』とかなんとか頭の中で言ってくれているけれど、すべて無視だ。


 そもそも交代枠ってなんだよ? サッカーの試合でもあるまいに、そんな枠なんてあるわけがないよ。恋香の奴、また勝手に俺の記憶を盗み見して妙な知識を得たみたいだ。


 勉強するのはいいんだけど、余計な知識を得るのはどうにかしてほしいなと思うんだけど、恋香も恋香で俺の話は聞いてくれないからなぁ。


「大丈夫ですか、「旦那さま」?」


 サラさんは背中から生やした翼をゆっくりと動かしている。


 さながらうちわで扇いでくれているのに似ている。


 もっともうちわとは違って、風がかなり強いけれど。でもその心使いは素直に嬉しい。


「ん~。大丈夫だよ」


「そうですかぁ~。でもあまりご無理はなさらないでくださいねぇ~? ここ数日はずっと缶詰ですからねぇ~」


「まぁ、仕事だからね」


 そう、これは仕事だ。予想だにしていなかった類の仕事ではあるけれど、仕事であることには変わりない。


 仕事は生きるためには誰もがしなければならないことだ。だからこればかりはなにを言われてもやめようがないのだけど──。


「ん~」


 ──サラさんは納得していないようだ。


 理解はしてくれている。サラさんも鍛冶職人なんだから、仕事がどういうものであるのかはわかっている。


 それでも俺が根を詰めすぎているように見えるみたいだ。サラさんも人のことは言えないはずなのだけど、サラさんらしいと言えばサラさんらしい。


「まぁ、サラさんに心配してもらっているし、明日は──」


 少し軽めに仕事をするよと言おうとしたのだけど、サラさんは「よし」となぜか意気込んだ。


 なにやらとても嫌な予感がするのは気のせいなのかな?


「「旦那さま」、明日はデートしましょう」


 サラさんはさらりと爆弾を投げ込んでくれた。


「……気のせいじゃなかったかぁ」


 ニコニコと笑うサラさんを眺めながら、俺が頭を抱えたのは言うまでもない。


 でも頭を抱えたところでサラさんは退いてくれず、俺が折れるしかなかった。


 かくして俺とサラさんの急なデートが決定してしまったんだ。

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