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Act6-39 嫁に手を出す? よろしい戦争だ(Byカレン

 やっぱり遅れてしまいました←汗

 ゴールデンウイークを堪能しすぎですね←超汗

 明日から仕事か。頑張んべ。

 さて、今回はサブタイがなかなかにぶっ飛んでいますが、まぁ、そういう内容ですね。あ、でも寝取られな感じはないです。あくまでも一蹴したというか。なのでご安心をば。

「ラスト」の城下町は、事前に言われていた通り昼も夜もわからないくらいに真っ暗だった。


 途中の街から似たようなものだったけど、「ラスト」ではその傾向がより顕著だった。


 なにせ昼でも夜でも空は星空が広がっているのだもの。


 要するに夜景を見ようと思えば、いつでも見られるということみたいで、住人の方々にとってみれば夜景はあたり前のものという風にしか思われていないようだった。


 だからなのかな? 住民の方々は常に夜という状況でもあっても、平然と過ごされている。


 なにせ当たり前のように子供が学校に通っているもの。俺のイメージだと学校に通うというのは、基本的に昼間だ。


 まぁ定時制の学校もあるから、必ずしも昼間ってわけではないけれど、俺のイメージではあくまでも学校というものは昼間に行くものだった。


 つまりは子供たちが学校に通ういまは、他国で言えば昼間の時間ということなんだろううね。ある意味カルチャーショックです。


中でも驚いたのが、「狼の王国」における学校だよ。「魔大陸」でも学校がある街はそこまで多くはなかった。


 まぁ、学校がなくても寺子屋みたいな感じで、どんなに小さな村でも日替わりで役人さんが来ては、子供たちに読み書きや簡単な計算を教えているらしいけれど。寺子屋を開くのは「グリード」を含めた「鬼の王国」では一般的なものだとマモンさんは言っていたね。


 対して「狼の王国」では、少なくとも「ラスト」までに通った町や村には、小さいけれど必ず学校が存在していた。


 それだけ「狼の王国」では学問が重視されているということなんだと思う。


「鬼の王国」では武術が重視されているようだけど、決して学問を軽視しているわけではなかった。


 武辺だけの者は大成しないとマモンさんははっきりと言い切っていたからね。つまりそこそこに学問をしておけということなんだと思う。


 実のところ、ルルドたちだってまだ子供ということもあるけれど、スパイダスさんの長女さんの付加価値についての説明を最後は理解してくれていたもの。


 まぁ、かなり噛み砕いた内容ではあったけれど、それでも理解できるほどの知識と下地があるという証拠だった。


 そう、あのルルドたちでもそうなんだ。となれば、うちの愛娘もそろそろ通学させるのもありなのかもしれない。


 なにせいまのところ友だちと呼べる存在がほぼ皆無です。


 まぁ、年若い冒険者が遊び相手をしてくれているけれど、それでも基本的に年上ばかりなんだ。同い年(に見える)友人をそろそろ作らせてあげるためにも、通学についてはそろそろ考えてあげないといけないかもしれない。


 まぁ、学問については問題ないんですけどね? 


 なにせうちにはレアと希望という教育熱心なママがいらっしゃいますのでね。


 特にレアは「鬼の王国」にいる間も暇を見つけてはシリウスに授業をしていたほどだったし。


 シリウスは不思議とレアの授業を嫌がってはいない。知らないことを憶えていくことが単純に楽しいんだろうね。


 これで元は狼の魔物というんだから、きっと通学させたら同級生たちは驚くだろうね。


 ただ、うん。シリウスは超がつくほどの美少女でもあるわけでして、ちょっかいを出そうとするガ、もといお子様方がいそうで怖いんだよね。


 ルルドにも言ってあるけれど、シリウスとお付き合いをしたいのであれば、俺に勝つことが最低条件だ。


 まぁ、仮に俺に勝ったところでアルトリアを始めたとした「ママ」たちやサラ様やうちのまいまざーといったありえないメンツの「ばあば」ないし「じいじ」という鉄壁がいる以上、シリウスが誰かと付き合うことはありえないだろうけれども。それでも心配になるのがパパなのです。


 隣で「わぅわぅ」と鳴きながらかわいらしくソフトクリームを舐めるシリウスは、きっとこの溢れる娘への愛情を理解してはくれないんだろうね。


 いまだって夢中になってソフトクリームを舐めているもの。まぁ、「運動」をした後だから無理もない。


 その「運動」の「痕跡」はいまいるオープンカフェからはよく見えています。


 その「運動」には俺も参加していました。だからこうして「運動」をすることになった広場内にあるこのオープンカフェに来ているわけなのだけど、シリウスってば「運動」の「痕跡」などには目もくれずにソフトクリームを舐めている。


 まったくうちの愛娘と来たら、お転婆さんなんだから。


 でもそういうところもかわうぃから問題は──。


「へっくし」


「わぅ? パパ風邪なの?」


「大丈夫ですか、「旦那さま」?」


 急に鼻がむずむずしたと思ったら、くしゃみをしてしまっていた。


 くしゃみをするつもりはなかったというか、くしゃみをするほどに体調を崩していたわけではなかったんだけどな? どうしてだろう?


「埃にやられたかな?」


 鼻をこすりながら、首を傾げる。風邪を引いたつもりはないから、たぶん埃の影響だと思う。なにせ俺たちの周りは土埃が舞っているのだから。まぁ、そうなったのはちょっと事情があったと言いますか。

「う、うぅ~、い、医者を呼んでくれぇ~」


「し、死んじまう」


「い、痛ぇ~」


 そこら中からうめき声が聞こえてくる。そんなうめき声の中、俺たちはソフトクリームを食べています。


 正確には俺とシリウスがだけども。プーレは俺の腕の中で顔を赤くしています。むちゃくちゃかわいいです。とはいえ、人前でこんなことをしているのは事情があるのですよ。というのもこのうめき声の主たちが原因と言いますか。


 まぁ、簡単に言えばどこの街にでもいるごろつきどもです。そのごろつきどもはなにをとち狂ったか、プーレに向かって「今夜一晩相手をしてくれや」なんてことを抜かしてくれたんですよ。


 当然、俺もプーレももちろんシリウスも面識どころか名前さえも知らない方々でしたね。というか、いきなりなにを抜かしやがると思いましたね。


 いきなりの展開に俺も一瞬唖然としました。シリウスに至ってはあまりのひと言に言葉の意味を理解せずにいました。ただプーレだけは怯えていたけれども。無理もないよね。デウスさんに強姦されかけたばかりなんだ。


 デウスさんはまだ見目麗しい女性ではあったけれど、ごろつきどもに至ってはむさ苦しいマッチョどもでした。しかもどいつもこいつも鼻の下をだらしなく伸ばしていましたもん。そりゃあ怖がるよね。


 ただあまりの展開に俺とシリウスも一瞬、そう、ほんの一瞬だけプーレを守ることを忘れて唖然としてしまった。それがいけなかったと思う。


 なにせごろつきどもと来たら、嫌がるプーレの腕を掴みやがったからね。それから先は言うまでもありません。いまや全員が地面とキスしながらうめき声をあげております。いったい誰がこんなひどいことをしてしまったのやら。俺にはわかりませんね。


「……守ってくださったのは嬉しいんですけど、「旦那さま」もシリウスちゃんも手加減をしなさすぎな気が」


 あはははと頬を染めながらプーレが笑っている。その笑顔もかわいらしいが、プーレってばなにを言い出すのやら。


「プーレママに手を出そうとするからいけないの。ねえ、パパ?」


「そうだな。プーレママに手を出すこいつらが愚かなだけだもんな」


「そうなの。五体満足でいられるだけ感謝してしかるべきなの」


「その通りだよ、シリウス。腕や脚がもげていないだけ感謝してもらいたいもんな?」


「わぅん!」


 シリウスが元気よく頷いてくれた。まぁ、とりあえずこいつらは天誅に遭ったというだけのことです、はい。人誅でもいいですけどね?


「とりあえず正義は必ず勝つの!」


「おうよ! 俺らこそが正義だ、シリウス!」


「わぅわぅ、ジャスティスなの!」


 なんとも言えないポーズを取り合いながら胸を張る俺とシリウス。そんな俺たちにプーレは困ったように、だけど嬉しそうに笑ってくれる。


 特に俺を見る目はよく見るとハートマークのようなものが。だからかな。いまプーレはとても色っぽいです。


 というか、その、まぁ、うん。「プライド」でのひと時を思い出してしまいそうになると言いますか。とにかくヤバいくらいにかわいいです。だからこそ、こうして抱き寄せる形で腕の中にですね。


「……そんなにイチャイチャしているなら、のぞみさんくださいよ、レンさん」


 不意に呪詛じみた声が聞こえた。振り返るとそこには羨ましそうに俺を見やるタマちゃんが立っていた。

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