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Act4-25 弁護士を呼んで!?(Byカレン

 本日二話目です。

 サブタイでだいたいの内容はおわかりになるかと思います。

 ええ、そのまんまですね←ヲイ

 ところ変わって、ベルジュの街の外。


 ベルジュの街の外も「獅子の王国」らしく焦熱地獄を思わせるようなマグマが噴き出す土地だった。


 でもいままでとは違って、マグマしかないわけじゃない。


 灌木ではあるけれど、ところどころに木々や草花などが見えている。


 普通植物っていうのは火に弱いイメージがあるのだけど、プライドさんとキーやんが言うには、火に耐性がある特別な木と草花だという話だった。


 ただそんな植物でもさすがにマグマには敵わないみたいで、「獅子の王国」の国境付近には群生することはないそうだ。


 あくまで首都「プライド」付近から群生し始めるみたいだ。


 火というよりも熱に強いんだろうね。


 マグマのおかげで国境周辺の土はかなりの高温みたいだ。


 それはこのあたりの土地も同じみたいだけど、国境周辺よりかは、マグマの川がそこらかしこに流れている土地よりかはだいぶマシみたいだ。だからこそこの辺には街があるんだろうけれど。


 実際国境付近というと、街がありそうなイメージだけど、「獅子の王国」には国境付近に街はない。


 村や集落さえもない。あるのは国境であるマグマの側を渡る大きな橋くらいだ。


 その橋のたもとには警備兵の皆さんが詰めていて、その警備兵の皆さん相手に商売する商隊がいたけれど、集落と言われるほどではなかったね。


 マグマの川に上に掛かる橋のたもとでも一応は生活ができるみたいだ。ただあそこの警備兵の皆さんは例外なく獣人さんだけだとプライドさんは言っていた。


 むしろ人族だと暑さだけで死んでしまうほどに過酷な土地らしい。


 それだけを聞くと獣人を排斥しようとしているみたいだけど、実際は違う。


 というか、「獅子の王国」で獣人を排斥しようとしたら、それこそ国が保てなくなるそうだ。


 なにせこの国は──。


「──で、その雌犬を拾ってきたと?」


 ニコニコと笑うアルトリア。どうやら現実逃避の時間はおしまいのようです。


 だってアルトリアってば、すでに吸血鬼モードへと突入されておりますゆえ。


 でもさ、今回ばかりは俺のせいじゃなくね? 


 むしろこれは新手な詐欺事件です! 弁護士を呼んで! 訴えれば勝てると思うんだ!


 まぁ、そんなことを言ってもアルトリアは聞く耳持たずですけどね? さすがはアルトリア。いつも通りの理不尽っぷりです。


「くぅん。カティは雌犬じゃないよ? 狼だもの」


「黙れ、雌犬!」


 アルトリアがカルディアを睨みつける。


 でもカルディアは平然としたまま、俺に抱き着いている。


 あー、希望とそん色ないレベルのブツが腕に押し付けられていますね。


「「旦那さま」、この意地悪そうな女の子は誰なの? そっちのお姉さんと胸の大きな子はカティと同じで、「旦那さま」のお嫁さんみたいだけど」


 カルディアは首を傾げながら、アルトリアを指差していた。


 でもってちゃんと希望とレアを俺の嫁だと認識しているみたいだ。やっぱり雰囲気でわかったのかな?


「だって、ふたりからは「旦那さま」の匂いをいっぱい感じるもの。だからお嫁さんなんだろうなぁと思ったの」


 自慢げにカルディアは言う。


 ふむ、希望にもレアにも俺の匂いを感じるのか。でもそれを言うのであればアルトリアからも感じそうな気がするけどな。


「その子にも感じるけど、かなり薄めだもの。その次にそっちの青い髪の子。でそのグレーウルフは」


「わぅ! わたしはシリウスなの!」


「ああ、ごめんね。シリウスは一番匂いが強い。でも年齢が年齢だからお嫁さんはないかと思った。たぶん娘さんかなと。娘ならシリウスから「旦那さま」の匂いを一番感じるのは当然かなと思う。……「旦那さま」が幼女好きっていうのであれば、話は変わるけど」


「それはないからね? シリウスは俺の娘だから」


「だよね? よかった、よかった。くぅん」


 カルディアはしみじみと頷いている。


 なにがよかったのかは考えるまでもないけど、どうしてシリウスが俺の正妻かもしれないと考えちゃうかな? 


 まぁ、カルディアは冗談っぽく言っただけだろうから問題はないけどさ。


「し、シリウスちゃん? まま上からぱぱ上を奪うつもりなの!?」


 いかん、ここに本気にした子がいる! いやさ、待てよ、俺。さすがにそれはないでしょう? いくらアルトリアでもシリウスにまで嫉妬するはずが。それこそ冗談のはずで──。


「ダメだよ、シリウスちゃん! シリウスちゃんはぱぱ上の娘なの! 娘であるシリウスちゃんはぱぱ上のお嫁さんにはなれないんだよ!?」


 ……冗談だと思っていた時期が俺にもありました。アルトリアってば、ガチにシリウスに掴みかかっているよ。シリウスも「まま上」と呆れた顔をしている。


 アルトリアってば、どんだけ余裕がないんだろうね? ……アルトリアから余裕を奪い去った俺が言うことではないんですけどね?


「えっと、私は三番目ってことでいいんですかね?」


 遠慮がちにプーレが言う。そんなプーレに希望とレアがそれぞれに「いいんじゃない」と言っていた。


 うん、明らかに余裕の表情です。アルトリアとは大違いだね。これが序列一位と二位の持つ余裕なのかな。


「というわけで、私も今後は「旦那さま」のお嫁さんになりますので、よろしくお願いしますね、先輩方。でも下剋上はいつか必ずするのでお気をつけて」


 にやりとカルディアは笑っている。なんて自信に満ち溢れたお顔なんでしょうね。


 そんな不敵なカルディアに希望とレアは不敵に笑い返すだけ。


 プーレはよろしくお願いしますと素直にお辞儀している。なにこの素直な生き物。天使か? 天使なのか、プーレは?


「わぅ~」


 シリウスはカルディアの匂いをすんすんと嗅いでいた。


 カルディアもお返しとばかりにシリウスの匂いをすんすんと嗅ぎ始める。


 さすがは同じ狼だね。カルディアは狼の獣人でシリウスは狼の魔物という違いはあるけれど、同じ狼であることには変わらない。


 そんなふたりはしばらくの間、お互いを嗅ぎ合い、そして言った。


「うん、カルディアままなの!」


「うん、シリウスは私の娘だね」


 お互いにお互いを認め合ってくれたよ。下手したら反発するかなぁと思ったのだけど、意外とうまく行ったね。よかったよかった。


「認めませんよ!? これ以上嫁が増えるのは、この正妻であるアルトリアがですね」


「正妻? 「旦那さま」の匂いがちっともしないあなたが? 見栄を張るのはシリウスの教育によくないと思うな」


「見栄なんて張っていません! これは純然たる事実で」


「ううん、嘘だね。あなたからは汗の匂いがするし、心臓がやけに高鳴っているもの。図星を衝かれて慌てているってところかな?」


「そ、そんなこと」


「わかるよ? だって私は狼の獣人だもの。シリウスもわかるんじゃないかな?」


 ね? とシリウスに目配せをするカルディア。アルトリアは縋るようなまなざしをシリウスに向けるけれど、現実は非情だった。


「わぅ、シリウスもわかるの!」


 にっこりと笑うシリウス。その言葉にアルトリアが崩れ落ちた。あー、言ってはいけないことってやっぱり誰にでもあるんだね。


「とにかく、これからよろしくお願いします」


 俺に抱き着きながらカルディアは、笑いながらお辞儀をする。どうしてこうも次から次へと嫁ができてしまうんだろうか?


 俺ってば女難の相でもあるのかな。緑少ない大地の上でそう思わずにはいられなかった。

 お嫁さんが増えると相対的に疲労度が増える。それでこその香恋です←ヲイ

 続きは八時になります。

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