表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
251/2048

Act2-49 母

「英霊剣豪七番勝負」クリアーしました。

 武蔵ちゃん、マジかっけぇです。さすがはうちのエースさん←しみじみ

 FGOで初めて来てくれた星5キャラなので、思い入れは一番です。だからこそ「英霊剣豪七番勝負」のメインキャラになると聞いたときは、嬉しかったですねぇ。

 とりあえず武蔵ちゃんも無事にカルデアに来てくれたことですから、これで武蔵ちゃんもイベント参戦できそうですね。お祭り好きな人だから、ハロウィンに登場しないかなぁ←熱望

 さて、いろいろと欲望やら武蔵ちゃんフィーバーはこの辺にして←前置き長すぎ

 これより二日目の開始です。

 まずは二日目の一話目です。

 香恋視点のお話ですね。

 恋愛ゲームで言えば、ルートが確定したって感じです。

 実際これ以降はメイン固定にする予定ですゆえ。

 どっちがメインかは確かめてくださいな。

 ではでは、あとがきにて。

 体が痛かった。


 アルトリアに壁にまで飛ばされて、背中から壁にぶつかった。


 骨が折れているわけではないけれど、ひどい打ち身をしてしまった。


 体を動かしたいのに、まともに動いてくれない。


 でも動かないといけない。


 でないと希望が殺されてしまう。


 アルトリアは吸血鬼モードのまま、ノゾミの首を絞めつけていた。


 息をすることさえ許さない。


 アルトリアの顏にははっきりとそう書かれている。


 でもアルトリアの絞め方は呼吸させないどころか、首の骨を折ろうとしているようにしか見えない。


 むしろそっちがメインなのだと思う。


 窒息ではなく、首の骨をへし折るつもりなんだ。


 通常時のアルトリアを見て、そんなことができるとは誰も思わない。


 けれどいまのアルトリアであれば可能かもしれない。


 なにせ身体能力が爆上がりしている俺をたやすく壁にまで薙ぎ払い、その衝撃で立ち上がることさえできなくなさせている。


 片手間でそんなことができるのだから、希望の首をへし折るくらい、いまのアルトリアであればたやすいことなんだと思う。


 でもそんなことをさせるわけにはいかない。


 アルトリアが人を殺すところなんて見たくないし、その手を汚させたくない。


 なによりも希望に死んでほしくないんだ。


 希望の方がアルトリアよりも大事だって言っているわけじゃない。


 たしかに希望は、希望と一緒にいると俺はすごく落ち着く。


 不安定な心を安らかにさせられる。


 でもそれじゃ希望という存在は俺にとって精神安定剤みたいなものだって言っているようなもの。


 そんな失礼なことを思いたくない。


 なら俺にとっての希望はどんな存在なのか。


 自分でもよくわからなかった。


 ただ失いたくない人だった。


 ずっとそばにいてほしい。


 そう願ってしまう人。


 それこそ以前のアルトリアに対して抱いた想いのように。


 ……ああ、そうか。ようやくわかったよ。


 俺は、いや俺も希望が好きなんだろうね。


 ううん、もともと希望が好きだったんだ。


 だから嫁になれとか冗談混じりに言っていたんだ。


 すべては希望がどんな反応をするのかを知るために。


 もっと言えば希望も俺のことを好きでいてくれているのかを知りたかったから。


 気づいてみればすごく簡単なことだ。


 アルトリアは魅了の魔眼を使っていたと自分で言ってくれた。


 そう、すべて魔眼の効果だったと教えてくれた。


 おかげで吹っ切れたし、より一層希望への想いをたしかなものにできた。


 そういう意味ではありがとうと言いたい気分ではある。


 けどね。希望を、俺の「女」を殺させるわけにはいかないんだよ。


 死んだ希望の亡骸を抱いて愛していたなんて叫びたくない。


 なによりも死んだ希望をシリウスに見せたくなかった。


 だから動け。


 動けよ、俺の体。


 いま動かなかったら後悔するだけだ。


 だから動け!


 必死に体を動かそうとした。


 けれど体は動かない。


 まるで俺の意思と体との間に大きな溝ができてしまっているかのように。


 体の時が止まってしまっているかのように。


 体は動いてくれなかった。


 その間もアルトリアは希望を殺すために首を絞めていく。


 希望がか細い呼吸を繰り返す。


 やめろ。そう言いたい。言いたいのに声さえも出ない。


 アルトリアは狂ったように笑いながら、いままで以上に力を込めた、そのときだった。


「まま上、ノゾミままになにをしているの?」


 シリウスの声が聞こえてきた。


 シリウスは寝間着姿のまま、アルトリアを睨んでいた。


 初めて見る顔だ。


 シリウスがあんな風に怒っているのを見たのは初めてだ。


 アルトリアもシリウスに声をかけられたことで、いくらか冷静さを取り戻せたみたいだ。


 だけど変わらずに希望の首を絞め続けている。


 そんな希望の姿にシリウスは言った。


 ノゾミままを離して、と。


 静かだけど、とても強い口調だった。


 そんなシリウスの言葉にアルトリアは困惑している。


「……なんで? だってこの女はぱぱ上を誑かして、まま上からシリウスちゃんまで奪い取ろうとしているんだよ? そんな女は殺されて当然じゃないかな? ああ、そうか。シリウスちゃん、この女に操られちゃっているんだね? 安心していいよ。いますぐまま上がこの女を殺して正気に戻してあげるからね」


 正気じゃないのはどっちだよ。


 俺が知っているアルトリアはそんなことをする子じゃない。


 そもそも俺を最初に誑かしたのはアルトリアだ。


 魅了の魔眼を使って、強制的に両想いにさせた。


 それのどこが誑かしていないと言えるのかな。


 いまのアルトリアに言っても通じないとは思うけれど。


 しかしアルトリアが暴走するのはいつものことだけど、今回の暴走はいつにもましてヤバい。


 精神的におかしくなっていると言われても否定できないくらいいまのアルトリアは、アルトリアの言動はあからさまにおかしかった。


 そんなアルトリアにシリウスは言った。


 気安く呼ばないでって。


 アルトリアだけじゃなく、俺も耳を疑った。


 だってシリウスがアルトリアにそんなことを言うとは思わなかったからね。


 アルトリアも言われた意味を理解できなかったみたいで呆然としていた。


 そんなアルトリアにシリウスはもう一度同じことを言った。


「気安く呼ぶなって言ったの。いまのまま上に、いまのあなたにシリウスは名前を呼ばれたくない」


 はっきりとした拒絶だった。


 アルトリアへの初めての拒絶。


 その拒絶にアルトリアは自分を抑えきれなかったのか、希望から離れてシリウスへと近づいていく。


 希望が荒い呼吸を繰り返しながら蹲る。


 そんな希望に俺は駆け寄った。


 駆け寄ることができた。


 なんでいきなりとは思うけれど、どうでもよかった。


 大事なのは希望の無事を確かめること。蹲る希望を抱き起す。


 希望の首筋にははっきりと手の跡が刻み付けられていた。


 どれほどの力が込められていたのかがわかる。


 そんな状態で希望はアルトリアを挑発していた。


 頑張りすぎだよとは思う。


 でもそれでこその希望だとも思った。


 俺が惚れた希望らしい。


「希望、大丈夫か?」


 声をかけると希望は静かに頷いた。


「一応、ね。さすがに死んじゃうかなって思ったけれど」


 あはははと苦笑いする希望。


 希望らしいけれど、さすがにひと言言ってやらないと気がすまなかった。


「バカ、死んじゃうかな、じゃねえよ。人の心を盗んでおいて勝手に死ぬなよ」


「え? それって」


 どういう意味なの。


 希望が聞いてくるが、なんて答えるべきかと思っていると、アルトリアが叫んでいた。


 シリウスの両肩を掴んで、自分がどれほどまでにシリウスのことを想っているのかを伝えている。


 逆効果だっていうのにも関わらず、アルトリアは叫んでいた。


 普段のアルトリアであればしないことだ。


 でもいまのアルトリアは普段のアルトリアじゃない。


 暴走しすぎて、自分がなにを言っているのかもよくわかっていないのかもしれない。


 それだけいまのアルトリアは追い詰められているっていうことでもある。


「……胸が痛いな」


「香恋」


「大丈夫。俺は大丈夫だから」


 アルトリアはもはや縋っている。


 シリウスに希望をままと呼ばないようにと縋っていた。


 けれどシリウスは聞かない。


 それどころか勝手に呼ぶだけだと言い出した。


 その言葉にアルトリアは堪えきれなくなってしまった。


「わ、わがままを言わないの!」


 そう言って右手を振り上げた。


 さすがにそればかりはダメだろう。


 シリウスを庇おうとしたが、それよりも早く希望が動いた。


 アルトリアとシリウスの間に飛び込んでいった。


 希望と叫ぶよりも早く、アルトリアの平手が希望の頬を捉えていた。


 乾いた音が響く。


「ノゾミ、まま?」


 恐る恐るとシリウスが声をかける。


 希望は唇の端から血を流しながら笑っていた。


「大丈夫? シリウスちゃん」


 その笑顔は、いや、その姿こそが「母親の姿」だと俺は思った。

 というわけで、メインヒロインは希望になりました。

 アルトリアのままでもよかったんですが、いろいろと考えて希望にすることにしました。

 とはいえアルトリアもこのまま黙って引き下がることはないので、三角関係は続きます。

 それはさておき。 

 続きは三時になります。

 よろしければ、お付き合いお願いします。

 もちろん明日の朝になってからでも可ですよ。

 では、また三時にて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ