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Act2-46 まるで新婚さんみたいなんですが(Byカレン

まるで朝ちゅんを迎えたような雰囲気です。

要は事後っぽい←ヲイ

でも大丈夫。十八禁じゃないから←ヲイ

 目を醒ますと、見慣れない部屋の中だった。


 今日で三日目になるが、まだ慣れそうにない。


 慣れた頃にはこの部屋を出るだろうけれど、いまのところはまだこの部屋には慣れていない。


「……ノゾミまま」


 シリウスが寝言で希望を呼んでいる。


 その手は所在なくベッドを彷徨っている。


 寝るときまではたしかにいたはずの場所に希望はいなかった。


 希望がいた場所に触れるとまだほんのりと温かい。


 希望が起き出してからそんなに時間は経っていないみたい。


「……ご飯作っているのかな?」


 ベッドから降りた。


 降りる際にシリウスにシーツを肩までかけてあげた。


 希望も俺も起きるからシリウスだけになってしまうけれど、俺と希望が一晩中眠っていたからシーツにまで俺たちの匂いは染みついているはずだ。


 これで少しは寂しくないと嬉しいのだけどね。


「まだ眠っていいよ、シリウス」


 シリウスの頭を撫でる。


 ぴこぴこと耳が動くけれど、起きる様子はない。


 まだ起きるには少しばかり早いから、眠っていても問題はない。


「ぱぱ上は、ノゾミままのところに行ってくるよ」


 前髪をあげて、額にキスをしてあげた。


 あまりしないことだけど、シリウスは嬉しそうに笑ってくれる。


 その笑顔を見ていると満たされてくるから不思議なものだよ。


「おやすみ」


 もう一度頭を撫でると、シリウスから離れて寝室を出た。


 寝室を出てすぐにいい匂いが漂ってきた。


 匂いに誘われるように簡易キッチンへと向かうとそこには、エプロン姿の希望が朝食の準備をしていた。


「おはよう、希望」


 声を掛ける。希望がゆっくりと振り返った。


「おはよう、香恋」


 希望は笑っていた。


 はにかむように笑う希望。


 その笑顔を見ていると胸がとくんと高鳴っていく。

 

 思わす顔を逸らしてしまう。


 希望はどうしたのと首を傾げているけれど、答えられる余裕はない。


 なんでもないよと返事をしつつ、希望を見やる。


 いや正確には希望の唇を見てしまう。


 昨日の晩はあそこと何度も唇を重ねていた。


 それこそしつこいと言われるくらいには。


 でもしつこいとは言われたけれど、嫌がってはいなかった。


 むしろ仕方がないなぁって感じでされるがままになってくれていた。


 おかげでとても調子に乗りました。


 途中から、希望のとんでもないブツに触れましたからね。


 手にずっしりとした重みを感じたのは言うまでもない。


 やっぱり二か月前よりも凶悪になっていたね。


 希望は最初抵抗していたというか、嫌がっていた感じではあったけれど、最終的には好きにしてと言ってくれたからね。


 存分に好きにさせていただきましたとだけ言っておく。


 行きつくところまでは行っていないよ? 


 あくまでもキスしながら揉んだだけだもの。


 ただ、うん、途中から直視できないほどにエロくなったとも言っておこうかな。


 正直ごりごりと理性が削られていたのは内緒だ。


 本当にシリウスがいてくれて助かったよ。


 いなかったら、完全に初夜を迎えていました。


 いやね、その散々キスしたくせになにを言っているんだと思うだろうけれど、希望はあくまでも幼なじみであって嫁ではないもの。


 その幼なじみ相手に一晩で何回キスしたんだよと言われると、立つ瀬がなくなるけれど、それでも俺と希望はまだ幼なじみなんだ。


 昨日の晩で幼なじみから逸脱しちゃったかもしれないけれど、まだ幼なじみって感覚が俺からは抜けていない。


 希望だってもしかしたらあれはただの挨拶変わりなキスだったかもしれないし。


 いつから欧米に染まったんだよと言われるとなにも言えなくなりますけどね。


「えっと、昨日はそのいきなりでごめんな」


「抽象的すぎてわからないんだけど?」


「だ、だから昨日したことだよ」


 希望が怪訝そうな顔をしていた。


 たしかに昨日のことじゃ、抽象的すぎるわな。


 とはいっても、昨日したことなんてキスと胸を揉んだくらいだから、どっちかだろうとあたりはつけられると思うのだけど。


 まぁ、あたりをつけるにしても、俺の言い方が微妙すぎたというのもあるかもしれないね。


 実際俺もどっちのことを謝っているのかまったくわからないもの。


 というかさ、俺昨日の晩に何回キスしたんだろう。


 胸を揉んだことはこの際気にしないことにしよう。


 胸を揉むことの方がより問題な気がするけれど、キスだって十分問題になると思うもの。


「ん~? いっぱいキスしたこと? それともいきなり私の胸を揉んでだらしない顔をしていたこと?」


「だ、だらしない顔なんてしていないよ、たぶん」


「そんなのは自分じゃわからないじゃない。というか実際にされた側の私がしていたって言うんだから、信じなよ」


「そ、それは」


 そう言われると反論のしようがない。


 だって被害者とまでは言わないけれど、実際に胸を揉まれていたことはたしかな希望が言うことだ。


 信じられないと切り捨てることはできない。


 むしろやってしまったかもしれないと思うあたり、自分の業の深さを感じますね、はい。


「まぁ、とにかく昨日のことなら私はなにひとつ気にしていないからさ、香恋も気にしないでいいよ」


「で、でもさ」


「だってただキスしただけだもん。最後までしちゃったわけじゃないし」


「それはそうかもだけど」


 そう、最後までしたわけじゃない。


 行きつくところまで行ってしまっていたら、完全に土下座案件だったけれど、そこまでは行かなかった。本当にシリウスがいてくれて助かったよ。


「だから気にしないでいいよ。それとも香恋は最後までできなかったのを気にしているの?」


 希望はとんでもないことを言ってくれました。


 噴いたよ。飲み物飲んでいなくてよかったと本気で思ったね。


 飲んでいたら大惨事になっていたよ。


 しかしいきなりなにを言い出すかね、うちの幼なじみさんは。


 そ、そりゃあそういうことにまるで興味がないとは言いませんよ? 


 女の子だってそういうことには興味ありますからね。


 男にしか性欲があるわけじゃないもの。


 たださ、なぜそれをこの場で言いますかね。


 下手したら誰かに聞かれていてもおかしくないっていうのにさ。


 特にアルトリアに聞かれていたら、確実にヤバいことになっていたね。


 主に血を吸われるという意味で。朝から致死量ギリギリは勘弁願いたいところです、はい。


「したいならしてもいいよ?」


 ……うん? あれ、おかしいな。


 俺の鼓膜腐りましたか? 


 腐っていなかったとしても、機能不全起きているのかな? いまありえない単語が聞こえてきましたよ? え? してもいいって聞こえなかったかな? してもいいってなにを? え? なにをしていいの? カレンちゃん、ちょっとそのあたりのことがよくわからないよ?


「えっと、なにを?」


「だから抱きたいんでしょう? なら抱いてもいいよって言ったの」


 希望さんがとんでもないことを言い出しました。


 いやいやちょっと待とうか。


 意味わからん。


 いやわかっているよ? 


 理解していますよ?


 ただ意味がわからん。


 なんでいきなりこんなことを言われているのか、その理由が俺にはわからないんですけど? 


 え? なに、希望本気で俺に惚れているの? 


 え? う、嘘でしょう? 


 マジですか? ちょっと冗談じゃなくて、マジで? 


 本気で俺みたいなちんちくりんを好きなわけ? あの希望が?


「ちょ、ちょっと待とうか、希望? まだ慌てる時間じゃ」


「慌てるもなにも、別にいまからそういうことをすると言ったわけじゃないよ?」


 希望は呆れていた。


 いやたしかにそうだけどさ。


 いきなりそんなことを言われたら、いまからとかこの場でとか思っちゃうじゃんよ。


 だから俺のせいではないと言いたいです、はい。


「それとも香恋は嫌かな? 私とそういうことをするのは」


 希望が顔を赤くしている。


 赤面した希望はすごくかわいかった。


 それこそアルトリア以上にだ。


 なんて言えばいいのかわからなくて、俺が混乱していたそのとき。


「そういうことってどういうことをするつもりですか?」


 背筋がぞくりと震えた。


 振り返らずともわかるくらいの怒り。


 もはや殺気とも言えるくらいの感情を感じられた。


 振り返ると瞳を血走らせたアルトリアが俺と希望、いや希望を睨み付けていた。

次回修羅場

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