Act2-20 正妻戦争勃発?
今日は無事に更新できました。
お休みの日は気が緩んでしまうからダメですね←汗
さて、今回は新しいカレンガールの登場です。
ややいきなりですけども。
あとカレンガールが偏見をぶちまけていますが、世にいる女性への偏見ではないのであしからず←汗
詳しいことは下記にて。
なにやら声が聞こえる。
耳を澄ますと、誰かが言い争っているようだ。
「だって、「旦那さま」が」
「その「旦那さま」を死の縁に追いやるとか、あなたの正気を疑いますね」
「助けてくださったのは、感謝しますが関係のない人にとやかく言われる筋合いはありません」
「わからない方ですね。私はこの方を守護するようにと言い遣われたのです。ゆえに無関係ではございませぬ」
「それが信じられないと言っているんですよ! そんな話はいままで聞いたこともありません!」
「ですから「あの方」もはじめてそう命じられたと何度も説明いたしましたが?」
「誰がそんな与太話を信じますか!」
アルトリアと誰かが言い争っていた。
なぜかアルトリアは、ヒステリックになっている。
子育てのストレスからなのかな。
これからはもう少しアルトリアの手伝いをしないといけない。
結婚したわけでもないし、そもそも付き合ってもいないから、子育ての手伝いって言っていいのかはわからないけれども。
「これは異なことを。「六神獣」の一柱「光のバハムート」さまが信じられたことをあなたは信じないと?」
「そ、それは」
「それはなんです? 巫女姫さまと同じ人魔族の方であろうとも、それ以上は不敬と見なしますが?」
「あなただって、本当はただの有翼人でしょう!? 天使さまのわけがない!」
「ですから、神獣さまも認められていますが?」
「し、神獣さまを騙して」
「ほぅ? ただの有翼人が神獣さまを騙せるとでも? ずいぶんと面白いことを仰いますね。神獣さまへの侮辱だとは思わないのですか?」
「そ、それはあなたもでしょう!? 自分を天使さまと偽るだなんて、本物の天使さまが参られたら 、罰せられますよ?」
アルトリアと言い争っているのは、天使さまらしい。
天使さまねぇ。地球で自称したら完全に痛い人なのだけど、この世界の場合は本当にいるみたいだ。
なにせバハムートさまも認められているみたいだし、たぶん本物の天使さまなのかな。
でもアルトリアはそれを認めたがらないみたいだ。
天使さまが自称であって、バハムートさまを騙しているとか言い出しているし。
天使さまは少し呆れているみたいだ。俺もさすがにはそれはないだろうと思うね。
バハムートさまはパリピなところもあるけれど、この世界の最強の一角だ。
あのじじいよりも強い存在が、いくら天使とはいえ、おそらく格下相手に騙されることはない。
まぁ、格下と格上の戦いが常に格上が勝つというわけではないけれど、さすがにこればっかりは天使さまの言う通りだと思うな。
というか、なんでアルトリアはそんな警戒心バリバリなんですかね。ちょっと違和感があるんだけど。
「その天使が私なのですが?」
「エレーンなんて天使さまは聞いたこともありません!」
「まだ生じたばかりですゆえ。「六神獣」さまと巫女姫さまにはお目通しさせていただきましたが、まだ下々の方々の前には出ていませんので」
「嘘を吐くにしても、もっとましな嘘を吐きなさい。そんな取って付けたような言い訳を誰が信じますか!」
「わからない方ですね」
「そっくりそのままお返しします!」
アルトリアはやっぱり天使さまことエレーンさまに、なぜか噛みついている。
こういうところはシリウスとよく似ているね。
しかし本当にどうしたのかな、アルトリアは。
こんなにも噛みつくなんて、普段のアルトリアらしくないんだけど。
吸血鬼モードのときであればまだわかるけれど、いまは通常モードのアルトリアなのにな。
「いい加減帰ってください!」
「だから帰るわけにはいかないと言っているのですが」
「「旦那さま」のお世話は私がします!」
「その「旦那さま」を死の縁に追いやるような人にお世話などできるわけがないでしょうに」
「できます!」
「いいえ、できるわけなどありません。ゆえに主さまのお世話は本日ただいまより私が行います」
……はい? えっといまなんと言われたのかな。
えっと主さまって誰よ?
なに俺ですか?
え、俺なんですか?
なんで俺なのよ。
なんで天使さまの主さま(仮)が俺になるのかな。
いまいちわからないんですけども。
そもそもなんで俺が主さまに選ばれたのか意味がわからない。
だけどアルトリアが噛みついた理由もようやくわかったよ。
たしかに通常時のアルトリアでも、これは噛みつきますわ。
カミツキガメかと思うくらいの噛みつきっぷりも納得したよ。
「わ、私の「旦那さま」なんだから私がお世話をするの!」
「その「旦那さま」を死の縁に追いやっているくせに、なにを抜かすか! 体つきは立派のようだが、中身が伴っておらぬ貴様になにができる!? 生娘は引っ込んでいろ!」
エレーンさまが爆発した。
まぁ、同じことをたぶん何度も繰り返しているんだろうから、どんなに辛抱強くても限界はあるわな。
しかし生娘とかそんな大声で呼ばないであげてください。
うちの嫁はわりと精神的に打たれ弱い子なので。
目を開けるタイミングを完全に逃してしまっているから見ることはできないけれど、いまのアルトリアはきっと顔を真っ赤に染め上げているだろうなぁ。
「ち、違います! わ、私は別にそんなわけじゃないし。というか、私の年齢で生娘じゃないほうが問題あるでしょう!?」
「さぁて、どうだかな? そういうことを言う女は後生大事に扱いすぎて、婚期とともにどんどんと機会を逃がしていき、ついには三十路になり、そして三十路を超えても──」
なんだろう。アルトリアに言われているはずなのに、まるで俺自身の将来を言われているかのようだよ。
まぁ、俺の場合は後生大事に扱う気はないけれど、異性というものに対する興味がまるでないので、だから守っていくことになりそうだけどね。
「そ、そんなことないもん! 「旦那さま」が貰ってくれるし、シリウスちゃんからも妹が欲しいってねだられているんだから!」
「は! 生娘である貴様にそんなことができるわけがなかろう? どうせ生娘の貴様では、いざとなったら恐怖と痛みに屈して主さまの優しさに慰められるだけだろうさ。だがいくら主さまがお優しい方であっても、限度がある。毎回それが続けば、徐々に主さまからのご寵愛も薄れて行き──」
「そ、そんなことないってば! で、できるもん! 怖くなんてないし!?」
「口ではどうとも言える。できると言うのであれば、この場でやってみせよ」
「こ、この場で!?」
アルトリアが暴走しているなぁと思っていたのだけど、どうやら暴走はエレーンさまも同じみたいです。
というか、いま俺がどこにいるかはわからないんですけど、そういうことは人前でやることじゃないと思うんですよね。
というか、なんでこの場で俺とアルトリアがそういうことをする流れになっていますかね。
それが天使さまの常識なんですかね。やだ、天使さまって怖い。アブノーマルすぎません?
「どうした? 怖くないのであろう?」
「こ、この場でするとは言っていないし」
「はぁ? よく聞こえんなぁ? もう少し大きな声ではっきりと言ってみよ。それともさっきのは虚勢かな? まぁ生娘程度ではそんなものか」
エレーンさまが高笑いをしている。
えっと、あまりうちの嫁を挑発しないでくださいませんかね。
この子見た目は大人しい&清楚系ですけど、よく暴走するのでそんなに挑発すると──。
「い、いいよ! やってやろうじゃない! ほ、ほえ面掻かせてあげるんだから!」
アルトリアが叫んだ。
完全に暴走&混乱してしまっているね、これは。
ってそういう場合じゃねえ。
落ち着かせないと大惨事になるじゃんか。
とはいえ慌てて起きると、それはそれで惨事ですよね。
聞いていたのに、助けてくれなかったんですねとか言われるに決まっているし。
って、あれ? これってわりと詰んでいないですかね?
アルトリアを止めるために起きればアルトリアに怒られる(確定)。
かといってこのままアルトリアを暴走させたままだとこれまたアルトリアに怒られる(確定)。
……うん、やっぱり詰んでいる。
どっちを選んでも怒られる未来しか見えません。
俺なにをしたの?
え、俺なにもしていないよね。
なのになんで怒られなきゃあかんのよ。
理不尽すぎませんかね?
だからと言って止めないという選択肢はすでに存在しない。
旦那って大変なんだなとしみじみと思えるね。
とりあえず、まずはまぶたを開くところから始めましょうかね。
恐る恐るとまぶたを開くとアルトリアが着ていたワンピースに手を掛けていました。
あと隣にはなぜか仮面をつけたメイド服姿の少し小柄な女性が、やはりメイド服に手を掛けておられています。
「なにをしているの、君たち!?」
あまりの光景に俺は叫ばずにはいられなかった。
カレンガールNo3 エレーン:仮面メイドな天使さま(仮)。なぜ仮面かつメイドなのかは不明。本人曰く、ご奉仕=メイド服ということらしい。アルトリアをなぜか挑発する。本人曰く経験済。
偏見をぶちまけてくれたエレーンさんですが、あくまでもアルトリアに対する挑発ですので、世にいる女性への偏見ではございませんのでご了承ください←汗




