rev1-25 爛々と燃える瞳
一週間以上掛かりました、ごめんなさい←汗
もう少し早く更新する予定だったんですけどねぇ。
さて、今回はアンジュ視点ですが、かなり閲覧注意な内容になっていますので、「キツい」とか「苦手」と思ったらブラバしてください。
ちなみに私も苦手な内容ですが、展開上必要なので頑張りました←汗
怖いもの見たさorOKな方のみスクロールしてください。
「──そろそろ起きた方がいいと思いますよ、先輩?」
微睡みの中で聞こえてきたのは、直下の後輩の声でした。
もう仕事の時間かなと重いまぶたを開けようとした。
──ドスッ
やけに鈍い音が体の内側から聞こえた。同時に腹部に鈍い痛みが広がっていく。咳き込みながらまぶたを開くと、そこにはニコニコと笑う後輩──ディーネがいた。
「ディー、ネ」
「ようやく起きましたか。先輩は本当に寝坊助さんですね。そんなんだから、簡単に騙されちゃうんですよ?」
くすくすと口元を隠しながら笑うディーネ。けど、この子の言っている意味がよくわからなかった。
「騙される?」
誰が誰に騙されているというのか。そもそも私を騙す意味なんてない。だけど、ディーネは私が騙されているとはっきりと言いきった。
(……誰かに騙されることなんてないのに)
少なくとも母さんがいなくなってから、誰かに騙されたことなんて一度もなかった。まぁ、コサージュ村で騙されたとしても、せいぜい嘘を吐かれて、余計な畑仕事をさせられるくらい。
でも、ディーネの言い方だと、私が経験してきた騙されるという概念を超越しているように思えてならない。
(でも、いったい誰に?なんのために?)
頭がぼんやりとしていて、うまく思考が巡っていなかった。
そのせいで、ディーネの言葉をうまく理解できないでいる。
そもそもなんで私は眠っていたのか。
そしてここはどこなのか。わからないことが多い。
(……どこかの洞窟?)
周囲を見渡すと、いま私がいるのはどこかの洞窟の中のようだった。
四方は岩壁に覆われ、洞窟の奥からは水滴のような音が聞こえている。私が転がっている地面には苔が至るところに生えていた。
(……コサージュ村の近辺でこんなところあったっけ?)
すべての洞窟を知っているわけじゃない。
でも緊急時の避難先として、「霊山」に入っているときの避難場所として、いくらかの大きな洞窟の場所はコサージュ村の住人なら誰もが知っている。
でもいま私がいる洞窟のことは知らなかった。そもそも本当にここはコサージュ村の近辺なのかもわからない。
だけど、わかることはある。
「……ディーネ、あなた、どうしたの?」
ディーネの様子がおかしかった。
いつものディーネらしくなかった。
いつものディーネは、私のかわいい後輩はもっと雰囲気が柔らかいし、もっと穏やかに笑う子だった。
けれど、いまのディーネは、私の知っているディーネとは違う。いまのディーネは怖かった。雰囲気は柔らかいけど、私を見る目が違っていた。
まるで虫を見ているかのように、手を振り下ろせば、すぐにでも叩き潰せるよう存在を見ているかのように、酷薄とした表情と目をしていた。そしてなによりも──。
「ふふふ、どうしました、センパイ?」
──ディーネはほんの一分にも満たない時間で何度も口元を拭っていた。口元を拭う袖はよだれでベッタリと汚れている。
虫を見ているかのような目をしているのに、同時に好物を前にしてお預けされている犬のようにも見えた。
それが意味することは本来ならひとつ。レンさんに憧れるディーネだから、女性をそういう目で見ていると言われても納得はできた。
けれどいまのディーネからは、そういう意味での好物として私を見ているようには思えない。性的な意味じゃない。もっと根源的、性欲と同じくらいに強く、そして生きるために必要な欲求。そう、食欲という意味合いで私を見ているように思えた。
「……あなたこそ、どうしたの?」
不思議と呼吸が乱れていた。過呼吸になったみたいに、私の呼吸のペースはおかしなものになっていた。
けれど、そんな私の反応にディーネはとても嬉しそうに笑う。
いや、笑うだけじゃない。
ディーネは唇をペロリと舐め回した。その所作はとても艶やかでした。だけど、それ以上に恐ろしく見えてならなかった。
距離を取るために後ずさろうとしたけど、そこで私はいま自分が置かれている状況に気づいた。
「……うご、かない?」
私の体は動かなくなっていた。
動かそうとしても、手も足もぴくりとも動かない。
でも手足はあるから、手足を切り落とされたわけじゃない。
けれどいまの私の体はまるで手足を切り落とされたかのようだ。特に足の感覚がない。手の感覚はあるのに足にはなぜ感覚がなくなっていた。
どうしてそうなったのかがわからない。
そもそもいま自分がどんな状況下にあるのかもわからない。
なぜディーネを下から見上げているんだろうか?
わからなかった。
なにもかもがわからない。
次々に困惑が脳裏をよぎっていく。
「あたりまえですよ?だってセンパイはいま私の支配下にありますからね。念のために両足の腱も切っちゃいましたから、もう歩けないですし」
困惑に対する答えをディーネは与えてくれた。でもその内容は耳を疑うものだった。
(支配下?腱を切った?)
支配下にあるという言葉の意味はよくわからない。でも腱を切ったということの意味はわかった。視線を改めて足に向けると、ちょうど足首の辺りが血まみれになっていた。それも両足ともにだった。
「あ、腱は切りましたが、神経に関しては無事ですよ?見てわかる通り、切ったのは足の腱だけで、手足は切り落としていませんから、這ってなら動けると思いますよ?ほらこうすれば」
ディーネが指を鳴らすと、それまで動かなかった体が、感覚のなかった手足に感覚が戻った。でもそれは同時に足の腱を切られた痛みに襲われることでもあって、泣き出してしまうような痛みが足首から断続的に伝わってくる。
「ダメですよ、センパイ?触れたら余計に痛いですからねぇ?」
クスクスと楽しげに笑うディーネの声が聞こえても、足に触れずにはいられなかった。そのたびに痛みに襲われて、かえって辛いだけなのに、それでも私は足に触れていた。そんな私の姿が面白いのか、ディーネは「ふふふ」と笑っている。
「感覚を取り戻せたことですし、これでいつでもみっともなく逃げてもいいですよ?虫けららしく這いつくばって必死に逃げてください。そうしたら「狩り」をしてあげます」
「かり?」
痛みでどうにかなりそうなのに、ディーネが発した一言はすとんと頭に入ってきた。その意味することもまた。
「ええ、「狩り」です。ずっと、ずっとセンパイを狩りたかったんですよ?初めて見たときからずっとセンパイを狩りたくてたまらなかったんです」
ディーネの目がキラキラと輝いていた。頬も紅潮し、夢見心地とはこの事かと言いたくなるような表情に変化した彼女。だけどその言っている意味がわからなかった。
「なにを、言っているの?」
ディーネは昔から、子供の頃から一緒に生活してきた子だった。昔から私を「先輩」と呼んで慕って──。
「センパイったら、まだ信じていたんですね?本当におバカさんなんですから」
「どういう、こと?」
「こんな僻地で子供の頃から「先輩」なんて呼ぶ相手がいるとお思いですか?」
ディーネはそう言って私の認識を否定した。でも言われてみれば、「たしかに」とは思う。
子供の頃から同じ組織の中でいれば、先輩後輩の間柄にはなる。
だけど、私とディーネが先輩後輩の関係になったのは、ディーネがギルドの職員になってからだ。それまでは近所に住む子という間柄だった。もっと言えば幼馴染みのひとりだった。
幼馴染みであれば、「先輩」と呼ぶことはない。せいぜい「お姉ちゃん」と呼ばれはするだろうけど、少なくともディーネから「お姉ちゃん」と呼ばれたことは一度もなかった。子供の頃から変わらずに「先輩」と呼ばれ続けていた。こうして考えてみれば、明らかにおかしな呼び名だった。いや、ありえない呼び名と言ってもいい。
でもどうして私はそのことをいまのいままで気づかなかったんだろうか?
どうしてありえない呼び名をあたりまえのように感じていたのだろうか?
沸き起こった疑問にディーネは「簡単なことですよ」と言った。
「答えを教えてあげます。センパイのその記憶は私が植え付けたんです。いいえ、センパイだけじゃない。コサージュ村の住人すべての記憶に私という存在を植え付けたんですよ。この村で産まれ育った娘として、ね」
ディーネはまた笑った。笑いながら一歩私に近づいてくる。自然と私は後ずさった。その姿は端から見れば、虫けらのように這いつくばっているようにしか思えない。
「お似合いですよ、センパイ」とディーネは口元を怪しく歪めていた。
「そうやって頑張って逃げてくださいね。そうしたらすぐには狩らず、絶望をたっぷりと味わわせてから、指からゆっくりとしゃぶりつつ、美味しく食べてあげますから」
ふふふ、と楽しそうに笑うディーネ。言われた意味をすぐには理解したくなかった。
感じ取れていたことではあった。
食欲的な意味での視線を向けられていることはわかっていたのだけど、実際に面と向かって言われると非常に不気味で恐ろしかった。
相手は見知った後輩で、私とよく行動を共にしていたディーネ。そう、ディーネのはずなのに、そのディーネがいまはひどく恐ろしい存在に見えてならなかった。
ディーネを仲のいい後輩だと思っていたこと事態がニセモノの記憶だと本人からは言われているけど、それでも私はディーネの言葉を信じられなかった。
ディーネと過ごした日々が偽物だとは思えなかった。むしろいま言っていることこそが嘘だと思えた。いや、嘘だと思いたかった。けれどディーネは「嘘ですよ」とは言わない。ただ淡々と私を追い込んでいく。
「なにを、なにを言っているの?」
「ん~?わかりません?センパイったら、そんなに察しが悪かったですか?」
ディーネは呆れた様子で私を見下ろしていた。私を見下ろしながらも前髪をおもむろに掴むと、自身の目線の高さにまで私を掴みあげた。
「はっきりと言えばですねぇ。あなたは私のご飯になることが決まっているんですよ。おバカなセ・ン・パ・イ」
ニタァァァと口元を歪めながら、ディーネは私の頬を舐めあげていく。頬を舐めるディーネは興奮を隠せていなくて、小さく速い呼吸を繰り返している。そんなディーネの舌が頬を伝っていく。舌の感触はひどく気持ちが悪かった。突き飛ばしたくても、ディーネの体はびくともしない。大岩ないし大木を必死に動かそうとしているように感じられた。
それでも気持ち悪さから逃れようとディーネを押す。でもやはりディーネはびくともしなかった。それどころか、私の行動はよりディーネを興奮させたみたいで、ディーネは「あはっ!」と笑うと私の顎を掴み、無理やり顔を正面に向けさせるとそのまま唇を奪ってきた。
初めてのキスだった。
そのキスは無理やり奪われた。
誰かのためにとっておいたわけじゃない。捧げる相手なんかいなかった。
それでもこうして無理やりに奪われてしまうと、不思議と涙が溢れた。
そんな私の反応にディーネはより興奮したようで、彼女の瞳孔が縦に裂け、長い髪が私の体を拘束していく。
(……人間じゃないの?)
縦に裂けた瞳孔や私の体を拘束する髪を見て、ようやくディーネが言っていたことが事実だったのだと自覚した。でも自覚に至るまでがあまりにも遅すぎた。
逃げようにも私はディーネに捕まっている。どうすることもできない。
捕食者の罠に掛かった獲物。それがいまの私と彼女の関係になっている。そんなどうしようもない事実に愕然としていると、それまで触れていただけのキスだったのが変化していた。彼女の舌が私の唇に触れ始めた。唇を割り開けと催促されているのがはっきりとわかった。
せめてそれだけはと思い、唇を強く噛み締めた。けれどディーネはそんな抵抗を嘲笑うようにして、私の体を強く押し倒した。いや、押し倒すというよりも、背中から地面に叩きつけた。
いままで経験したこともないくらいの強い衝撃に、肺が潰れて息が唇から漏れ出た。その瞬間をディーネは見逃しはしてくれなかった。
ぬるりとしたものが口の中に入ってきた。それはそのまま私の口内をぐちゃぐちゃに掻き回していく。
初めての感触は、悪寒しかなかった。ただただ気持ち悪くて、必死に逃れようとした。
けどディーネは私の頬を強く掴み、逃れられないように固定すると、より深く、より激しく口内を侵していく。
口の中はすでに私の唾液ではなく、ディーネからの唾液の方が多くなっていた。同じ唾液であるはずなのに、他人の唾液はひどく気持ち悪くて、吐き出したくなった。
でも実際に吐き出しても、ディーネは私が吐き出した分よりも多くの唾液を新しく送ってくる。
涙とともに吐き出した唾液が頬を伝う感触がひどく生々しかった。
それでもディーネは止まらない。
次第に気持ち悪さとともに、頭の中が霞み始めた。窒息しかけているというのがなんとなくわかった。
でもディーネはやはり止まってくれない。私をいたぶって遊んでいるみたいだった。
その遊びに私は無理やり付き合わされている。無理やり付き合わされた遊びから解放されないまま、時間が過ぎていき、やがて意識を保てなくなった頃、不意にディーネが離れた。
同時に私は久方ぶりの呼吸をした。
心臓のとても大きな鼓動が聞こえた。あまりの鼓動の速さに、かえって心臓が痛くなった。破裂したみたいにとはよく聞くけど、それはこういうことを言うのかなと思った。
そうして呼吸を再開してすぐに私の口からは嗚咽が溢れた。
初めてのキス。
誰かのためにとっておいたわけじゃない。
捧げたい誰かがいるわけでもない。
それでも生涯一度だけのものが、無惨な形で喪われたことがひどく悲しかった。
涙は止まらない。止まってくれない。止まらないまま、涙は溢れ続けていく。
「あは、かわいいですよぉ、センパイ?」
くすくすとディーネが笑っている。その笑顔に腹が立つ。けどどうすることもできない。ディーネを押し返すことさえも私にはできない。私には私自身を守る術なんてないというのを突きつけられてしまった。
「……なんで?」
「はい?」
「……なんで、こんなことするの?」
「言いましたよね?センパイは私のご飯になったって。私グルメなんですよ。美味しいご飯を食べるためなら、労力は惜しまないのです。いまセンパイにしているのは、その労力なんですよ?」
ディーネはまた笑った。笑いながら私の服に手を掛けた。「やめて」と呟くような声で抵抗しようとした。
けれどディーネは聞いていないようで、私の声を無視して私の服を引きちぎった。服の残骸が宙を舞った。
ディーネは「あはっ!」とまた笑うと、とても楽しげに言いきった。
「知っていますか、センパイ?女の子のお肉はとても柔らかくて美味しいんですよ?」
事も無げに言いきるディーネ。その発言に悪寒とともに気持ち悪さがこみ上がっていく。
でも、ディーネは私の反応はどうでもいいみたいで、陶酔したような表情で、とろんと目を蕩けさせた。
「中でも処女のお肉はとても美味しいんです。それも産まれたばかりではなく、ある程度年齢を重ねた処女のお肉は絶品なんです。そう、ちょうどセンパイくらいがね?」
ディーネの口元が怪しく歪む。「ひっ」とひきつるような声が自然と漏れ出ていた。でもディーネは、いや、ディーネはまだ言い足りないみたいなのか、「でもぉ」と甘ったるさを込めながら続けた。
「私としてはですねぇ。処女のお肉もとても美味しいと思うんですけどぉ、一番美味しいのは処女ではないと思うんですよぉ。私が一番美味しいと思うのはぁ」
ディーネの顔が近づいてくる。なにをと思ったときには、すでにディーネの顔は目の前にまで迫っていた。狂気に満ちた目をしていた。ギラギラとした目。肉食獣を思わせる狂気の瞳が私をまっすぐに射ぬいた。
「処女ではなくなってすぐの女の子のお肉が一番美味しいと思うんですよぉ。それも好きな人に抱かれたのではなく、襲われて無理やり奪われた直後の女の子のお肉こそが最高の状態だって思うんです。だからセンパイの処女散らしてあげますね?それからゆっくりとなぶりながら食べてあげますね?私って優しいですよねぇ。処女ではなく、女としての快楽を知ってから食べてあげるんですから。こんなにも優しい食べ方はないと思うんですよぉ」
ニコニコと笑いながらディーネの手が私の脚を撫でた。
「や、やだ!」
私は必死になって身を捩る。
でもそれはディーネの興奮を煽るスパイスになったみたいで、「かわいいなぁ」とディーネはますます興奮し始め、私の服にかじりつくと、無理やり噛みちぎっていく。
手で引きちぎられるよりも気持ち悪く、手で引きちぎられるよりも絶望感が大きかった。
「やだ、やだよ、やめて、やめてよ、やめてぇぇぇ!」
泣き叫びながら、懇願していた。
でもディーネは止まらない。
服を噛みちぎる際に、本来なら服で覆われているはずの腹部を舌でべろりと舐められていく。そのたびに私は泣き叫んだ。
だけど私の反応はディーネの嗜虐心を煽るだけみたいで、「センパイったら、本当にかわいいなぁ」とますます興奮させるだけだった。
興奮し続けていくディーネを見ているのが怖くて、視線を反らそうとした。でもディーネは「ダメですよぉ」と言って私の顎を掴み、顔を反らさせないようにした。
「ちゃぁんと見ないとダメですよぉ?処女でなくなる瞬間をちゃぁんと見ないと、絶望の味が加わらないんです。絶望の味が加わらないとせっかくの極上の処女が台無しですからねぇ。センパイは私が見たところ、極上の食材なんです。だから、きっちりと調理するところを、私に無理やり犯されるところをちゃぁんと見ていて、これ以上とない絶望に染まってください。あ、孕ませはしませんから。ただぐちゃぐちゃになるまで犯し続けてあげますから、いい声で啼いてくださいね、セ・ン・パ・イ」
ディーネは笑う。笑いながらまた私の服を噛みちぎっていく。
嫌だ。
嫌だよ。
こんなの嫌だ。
そう泣き叫びながら、私は必死に助けを求めた。
助けて、と。
誰か助けて。
誰でもいいから助けてよぉ、と泣きじゃくりながら助けを求める。
けれど助けは来ない。
来るわけもない。
いまがどこにいるのかもわからない。
そもそもなぜこんなことになったのかもわからない。
思い出そうにも、いまという現実に圧倒的な速度で襲いかかられているいま、ほかのことを考えている余裕は欠片もない。できるのはただみっともなく泣き叫び、いもしない誰かに助けを求めることだけ。
でもそれも終わりが訪れた。ディーネが噛みちぎるのをやめた。すでに私の服は、もう服としての体裁を整えてはいなかった。ただ体に張り付く布切れと化していた。
「さぁて、それじゃセンパイを女にしてあげますねぇ。場合によってはこの場では食べずに持ち帰ってから、壊れるまで犯してから食べることになると思いますけど、まぁ、どっちでも変わらないですよねぇ」
ディーネが私の足首を掴んだ。痛みよりも忌避感が強く、痛みによる嗚咽ではなく、忌避感による拒絶の声を私は上げた。
「いや、いや、いやいや嫌ぁぁぁぁぁーっ!」
必死に叫んでもディーネは止まることなく、ぺろりと私の内腿に舌を這わせてから私の足を折り曲げて──。
「そこまでだ」
足を折り曲げられたとき、不意に声が聞こえた。声の聞こえてきた方を見やるとそこには──。
「アンジュを返してもらいにきた」
露になった右目を燃やしたレンさんが、まるで炎が吹き上がったように紅い瞳を爛々と照らすレンさんが立っていたのでした。
以上だいぶ苦手な内容でした。
次回はもう少し早めに更新したいですね。




