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Act9-41 カティの怒りの一撃←

 本日二話目です。

「望むこと、ですか?」


「うん。サラさんならどうかなと思ったんだけど」


 所変わって執務室からサラさんの鍛冶場へと移動した俺は、早速サラさんにと尋ねていた。


「望むことと言われても、ちょっと具体的ではないですねぇ~」


 でもサラさんは困った顔をしていた。


 サラさんの鍛冶場は新しくギルド内に作ることになった。


 もともとのお店は閉めて、こっちに移動することになったんだ。


 いまはその準備をしているため、サラさんのほかにも人がいた。


 大体が大工さん方だけど、その中には──。


「プーレ殿には甘いですね、「旦那様」は」


 ──おかしそうに笑うティアリカもいた。


 鍛冶場の責任者はサラさんになるのだけど、もうひとりの責任者はティアリカになる。


「ラース」では有数の鍛冶師であるサラさんと、鍛冶王を名乗っていたティアリカのふたり体制にするつもりだった。


 加えてティアリカには鍛冶場だけではなく、全体の警備担当もしてもらうつもりだ。


 本当はどちらかだけにするつもりだったのだけど、当のティアリカが兼任すると言い出したんだ。


「「旦那様」は両方を選べと仰いました。あのときまで手前はどちかにしかなれないのだと思い込んでいました。でもどちらにしなければいけないわけじゃないとわかりました。だから手前は両方を選びたいのです。「旦那様」が手前を心配してくださるのはわかっております。ですがどうかこのわがままをお許しいただければと」


 ティアリカはわがままだと言っていた。


 たしかに兼任すると言うのは、どっち付かずになるかもしれないし、かなりの苦労をすることになる。


 でもティアリカに両方を選べと最初に言ったのは他ならぬ俺だった。


 それにティアリカはいままでとは違うティアリカになりたかったのだと思う。


 新しく生まれ変わるように、新しい自分を始めたいんだろうね。


 ……実際にそのときのティアリカは生まれたままの姿だったし。


 なぜティアリカがそんな恰好だったのかは言うまでもないと思う。


 いま思い出してもやっぱりティアリカは着やせするタイプだったんだなというのが──。


「わふぅ!」


 不意に唸り声が聞こえたと思ったら、なんか頭が痛いぞ? というか頭が妙に熱いような?


「か、カティ!? なんでパパの頭を噛んでいるのです!?」


「わふぅ。だって、ぱぱ、またティアリカままのお胸を狙っていたもん! だからなの!」


 ……どうやらカティが頭を噛んでいるようだ。視界が赤く染まっていくぜ。


「で、ですがティアリカままは」


「やーなーの! ティアリカままのお胸はカティのなの!」


 そう言ってカティはガジガジと俺の頭を噛みついてくれている。


 甘噛みじゃなく、全力で噛んでいるあたり、カティの怒りの大きさがよくわかる。わかるんだが、ちょっとまずいかな?


 なんか気が遠、のいて──。


「わふぅ? ぱぱ、なんかふらふらしているの?」


「あ~、出血多量ですねぇ~」


「いや、あのそんな呑気に──あ、「旦那様」、お気を──」


 サラさんとティアリカの声をぼんやりと聞いていたけれど、不意に目の前は真っ黒になってしまった。

 ついにカティの怒りの一撃が炸裂しました。まま大好きっ子を怒らせてはいけません←

 続きは八時になります。

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