表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1011/2054

Act9-31 恋香の魂の絶叫

 本日四話目です。

 恋香との舌戦は長丁場になった。


 なにせ今日の恋香はいつもになく饒舌に俺に抗ってきたからね。


 いつもであれば、「おねえちゃんのばかぁぁぁ」とか言ってドアを閉めるというのに、今日にかぎってはなかなか諦めなかったもの。


『今日という今日こそはあなたを打ち倒して、NTRなのですよ!』


「ふざけんな、ボケェェェェーっ!」


 恒例のNTRと言ってくれた脳内ピンクに今日も俺は叫ばされてしまった。


 なんでこいつはことあるごとにNTRと言いたがるんだ? 


 そもそも人の嫁を寝取ろうとするその思考がまずありえないんですけど?


 というかなぜに寝取りたがるんだか。意味がわからないよ。


『ひとりくらいくれたっていいでしょう!? あなたいっぱい嫁がいるんだから!』


「だからと言って嫁をやる旦那がどこにいるんだよ、ドアホ!」


 たしかに嫁は何人もいるけれど、物ではないんだからあげられるわけがない。


 そもそも俺は嫁ズを物扱いする気なんてないもの。


 ひとりひとりタイプが違うけれど、そういうところもまた愛おしいのだから。


 そんな嫁を手放すことなんてしたくないもの。……完全に状況がハーレムだけれど、俺自身ハーレムを作る気なんてなかったんだ。


 ただ気づいたらこうなっていたからね。状況って怖いよね。


『ならせめて嫁の作り方を教えてくださいよ! どうしてあなたはあんな簡単に嫁を作れるんですか!? というかなんでみんなあなたに惚れてしまうんですか!? どうして私のことを好きになってくれないんですかぁぁぁぁ』


「ちょ、ちょっとガチ泣きすんなし!」


 まさかのガチ泣きをされてしまった。


 恋香は泣きながらダンダンと地面を叩いているようだった。


 まぁ、地面と書いて俺の脳内と読むんだけども。


 ……こいつ俺の体だからと言って、一切手加減してねえよな?


 恋香らしいと言えば恋香らしいことではあるんだけども。


『余計なことは言わずに、教えてよぉぉぉ!』


「……なんでそんな魂込めて叫べるんっすか、恋香さん」


 恋香の嘆きは魂がこもっていた。どうやらよっぽどモテたいようだ。


 ……なんとなくだけどアルーサさんと気が合いそうだなと思う。


 とはいえ、だ。好きになられる方法なんて言われてもなぁ。


 答えようがないんだよね。だって俺そういうつもりなんてまるでないんだもの。


「えっと、ティアリカの経緯を見て知っているだろうけれど、俺ティアリカを落とそうとはしていなかっただろう? なんというか成り行きというか、気づいたら、まぁ、うん」


『ひっく。なんですか? じゃあモテ方がわからないと言うんですか?』


「……ぶっちゃけるとそういうしかないかな?」


『ふざけるなぁぁぁぁーっ!』


 恋香が再び叫んだ。まぁ、そうなるなとは思っていたけどね。でもいくら叫ばれてもこればっかりはどうしようもないと言いますか。


『じゃあなんですか!? あなたはなにもしなくても女性にモテてしまうということですか!? このリア充野郎!』


「……リア充と言っていいかどうかは知らないけれど、そういうことになるのかな?」

『ふざけるなぁぁぁぁ!』


 恋香がまた叫んだ。魂こもった絶叫だった。でもいくら魂を込められてもわからないものはわからないのだからどうしようもない。


「……レンゲ殿はがつがつとしすぎだと思うがのぅ。もう少しこう適切な距離を測りながらじゃな」


『たとえばどういうことですか? ジョン殿』


「そうさのぅ」


 ジョン爺さんが腕を組みつつ、恋香への返答を考えていた、そのときだった。


「し、失礼しますです」


 ドアがノックされた。入っていいよと声を掛けるとプーレが緊張した様子で執務室にと入って来たんだ。

 恋香と書いて「モテない人」とも読む内容でした←

 あ、ちなみに私もモテないのであしからず←トオイメ

 続きは十六時になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ