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Act9-23 久しぶりのギルドへ

 本日二話目です。

 久しぶりのギルドはなにも変わってはいなかった。


 一階のロビーには受付担当の職員と冒険者たちがやりとりをしている。


 素材の買い取りだったり、依頼内容を詰めたりと様々だった。


 一階の端にある飲食スペースでは朝っぱらから酒を飲んでいる連中がいた。


 何人かはティアリカやサラさんを見て騒いでいるが、俺がにっこりと笑いかけてあげると顔を真っ青にしていた。


「あ、新しいお嫁様ですか?」


「……まぁ、そうですね。そうなりました」


 否定はできないし、するつもりもないので頷いた。


 同時に周囲の目が集まった。サラさんもティアリカも美人さんだから注目が集まるのは──。


「シリウスちゃんの妹かな、あの子? いつのまに仕込んだんだ、ギルマスは」


「どっちに産ませたんだろうな?」


「どっちって、どう考えてもあっちの剣士さんだろう? 抱っこしているし」


「あぁ、そうか」


 ──どうやら注目されていた理由はカティにあるようだ。


 まぁ無理もないか。


「狼の王国」に向かったときにはカティはいなかったし。


 とはいえ、仕込むとこ言わないでほしいね。


 そもそも仕込むためのものは俺にはねえよ!


 そもそもカティは見た目で、俺ともティアリカとも種族が違うというのがわかるだろうに。


 なんで産ませたと思うんだよ? 意味がわからないよ。


「あれ、あっちの竜人さん、サラ師じゃないか!?」


「え、マジで!?」


 頭を抱えさせられているとついにサラさんに気づいた連中が現れた。


 しかし、サラ師ねぇ。


 まぁサラさんは新進気鋭の鍛冶師として「ラース」で活躍していたからね。


 当然サラさんを知っている連中も多いはず。気づかれないわけがない。


 そもそもすぐに気づかれなかったことが驚くよ。


 それだけカティという衝撃の存在がいたということか。


「いや、ちょっと待ってよ? あの剣士さんもどこかで……あ」


 ティアリカのことを知っていた冒険者もいたようだ。


 気づいてすぐに固まっていた。固まりながら体を震わせていく。


 ティアリカが顔を反らすのとその冒険者が叫ぶのは同時だった。


 ちなみにその冒険者は女性、つまり被害者であることは間違いなさそうだった。


「あ、あー! セクハラ鍛冶王!」


「……人違いです」


「いいや、見間違えるわけがない! だって私のお尻触ったもの!」


「……いえ、人違いデス」


「嘘つけ!」


 ティアリカがだらだらと汗を流していた。


 身に覚えがあるからこそのごまかしなんだろう。


 ……具体的にはなにをしたのかは覚えていなさそうだけども。


 鍛冶王と名乗っていたときはやりたい放題だったもんなぁ~。


 それがいまや一児のままであり、嫁ズのひとりなのだから人生ってわからないもんだ。


 ティアリカと女性冒険者のやりとりを聞きつつ、しみじみとかつてのティアリカの所業についてを考えていると──。


「……マスター。また新しい女性を。……どうしてマスターばかり」


 影を背負ったアルーサさんを先頭にミーリンさんとモルンさん、そしてジョン爺さんたちが、久しぶりに会う執行部の面々が現れたんだ。

 続きは八時になります。

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