なりきりさん疲れる
「ギル!ウィル!待たせたな!」
いきおいよく入ってきた
青年は両手を広げながら 彼らの方へと歩く
彼らは 手にしていたカップを置き あきれた顔をして席をたった。
(なんだろ…この無駄にきらきらしてる人は。 なんだろ この人のまわりだけ きらきらしてて顔が良く見えないんだけど 目がおかしいのかな?)
わたしは突然の訪問者にどうしたらいいのか
カップを手に固まっていた。
「殿下、無駄な事に魔力使わないでください。
きらきらした光が目に痛いです!」
「ノックくらいしろって いつもいってるだろ!」
「す…すまない。でも市井で王子はきらきらといわれて。それならと つい。」
そういいながら きらきら を消した。
どうやら、きらきらは青年が魔力で作り出したものだった。
(殿下って 言ってたし この人がレオ王太子様かな?
プラチナブロンドの髪だ、綺麗
金って属性はなんだろ。)
「 聖女様 挨拶が遅れました。 私、この国の第一王子 レオンハルトだ。この度はこちらの勝手な都合で召還してしすまないとおもっている。 」
頭を下げられた。
「 えっと エリカ モチヅキっていいます。」
慌ててカップをおいて
立ち上がると軽く会釈をした。
「でんかぁー 勝手に飛んでいかないでくださいよぉー。」
水色の髪の青年が息を切らしながらはいってきた。
その 後ろにあと二人ほど青年がいる。
「いや、途中で歩くのが面倒になった。 これがフレディー メガネがジーク 茶色いのがジョルジだ 」
王太子様はすごい 適当に後ろの三人を紹介した。
「そんなー。紹介てきとうじゃないですかぁ。しかも、フレディーじゃなくって フレディックです。せめてデックて」
「また、メガネって いわれた」
ウィルが落ち込む二人をなぐさめて
それを横目にギルはジョルジに話かけていた。
「ジョルジがいたのに 阻止できなかったのか?」
「油断した。」
(カラフル‼ しかも 改めてみるとイケメンが6人 眼福です!)
「よし!召還の儀をやりなおすぞ。 ウィル 準備!」
「殿下!また 思い付きで 意味のわからないこと言わないでください。 召還は終わってるのですから。」
「でも、せっかく 覚えたのに あの口上言えないのは もったいない‼ フレディもそう思うダロー よし!皆 正装して大聖堂に 」
「ギル兄 ジョル兄 止めてぇ」
「嫌。面倒。疲れた。」
ジョルジは拒否
(なんで、この人片言なんだろ フレディックはいじられキャラ 王子様は自由人?)
にぎやかだなーっとおもったら
マリーが慌てて部屋に入ってきて
「ぁぁーぁー 殿下にお茶も出さずに ごめんなさいぃぃ」
パニックを起こして ワタワタとお茶の準備をはじめたら
「レオンっ そんなことは、明日でもできます!
とりあえず。視察の報告をウィル兄さん達にもしないと。」
メガネ…ジークに 怒られ 静かに席についた。
王子様 を真ん中に右側にギル左側にウィル 向かい側にジョルジ フレディック ジーク の順番だった。
そして、お茶の準備ができるまで
視察や 召還の儀のことなど 報告 あっているみたいだった。
わたしはというと、マリーがあまりにも 緊張して
カタカタと言わせながら お茶の準備をてつだっていた。
「マリーはお茶の準備おわったら 下がっていいわよ。
あとは、わたしがやっとくから。」
「エリさまぁーだめです 私の仕事です。」
昼食がたべ終わって ワゴンがそのままにしてあったのが気になっていたので それを下げてもらうため
お願いした。「すぐ もどりますから!」
ちなみに、この屋敷にはマリーしかいない。
マリーは洗濯から料理、お茶の用意までなんでもこなす。
さすがに掃除まで手がまわらないとのことで
ギルとウィルに頼んで掃除だけの通いのメイドを派遣してもらってる。
わたしは まだ あったことも ない。
皆のお茶をいれ終わると、私も席についた。
どこに 座ったらいいのか わからないので
いわゆる お誕生日席に。
静かに、お茶を飲みながら
皆の横顔を堪能してたのは ここだけの話。
報告の不足分をジョルジが付け加え、
ジークとウィルが報告書にまとめ
レオがフレディックをからかいながら チャチャをいれ
ギルがレオを諌める。
「…皆さん 仲いいですね。 ただの主従関係って感じしませんよね。」
「うむ。幼馴染だしな。」
「いえ、今も昔も。主従関係です。」
ウィルがニッコリ笑う。
その笑顔が黒くみえたのは目の錯覚?
「そぅそぅ。ウィル兄が一番怖いしね。」
「レオンは王子なのに ギル兄さんにはさからえないしね」
「……。」
「公的には俺らはレオの護衛騎士と魔術師 私的には幼馴染ってだけだ。 」
(いつも、ニコニコなウィルが一番怖い…想像できない!)
ギルの説明では 王族は年回りの近い子供たちを幼いころから遊び相手と護衛として付けるらしい
ギルとウィルは昔から レオのやんちゃを力ずくで止めてたせいもあって レオは逆らえないっていっていた。
今も、やんちゃしようとすると 実力行使されるとか。
王子様にそれ いーの?って感じだけどいいらしい。
ジークとジョルジはレオと同じ年
フレディックだけ一番年下
(ギルが26でウィル25…フレディックが一番下なのはわかる、まだ10代だとおもったけど 20ねぇー。それにしても 23歳なのに 落ち着きのない王子って…この国大丈夫?)
「よ…よし!報告もおわった。 さて 召還の儀を…」
話をそらしてにげるように レオは席をたった
「「 レオは陛下にも報告してください」」
ウィルとギル に捕まり レオは引きずられる様にして部屋からでていった。
「いつもの事なんで気にしなくて大丈夫ですよ。」
「気にしたら負け。」
残された3人はなれてる様子でお茶をすする
「ウィル兄の怒った空気に耐えれなくて 僕たちの所に逃げてきて 僕たちがつれてく事になるまでがセット だけどね。」
そして、フレディックのいった通り レオは戻ってきて
ジークとジョルジに「ギル何も言わないし ウィル怖いし お前たちいないし」 文句いいながらでていった。
「あの… 後で 儀式の件きまったら 知らせます。」
(見ているだけで疲れるわ………嵐がすぎさった… はぁ 静かだわ…)