プロローグ シンデレラと私
プロローグ長いです
ネガティブうだうだ主人公注意
本編は2ページ目から!
「今日から君の妹になるシンデレラって言うんだ、仲良くしてやってくれ」
遠い昔の記憶
私がまだ幼くて目の前には優しげに微笑む新しい父となる人
母は此方をみて微笑んだ
挨拶を促しているのだ
すると姉が
「はじめまして、公爵様。姉のアンドレアともうしますわ!よろしくお願いします公爵様、いえお父様と呼ばせていただいてもよろしいかしら?」
うふふと笑いお辞儀する姉、いつもの意地悪な態度とはまるで似つかない
そこから少し話しが盛り上がり、私は挨拶をするタイミングを失ってしまった
私には姉と母がいて、父もいたはずだけど、病気でいなくなってしまった
母は父のお金で好き放題していたから、父が亡くなったことよりお金の心配をしているように見えたのをよく覚えている
母も姉も嫌いじゃない、生まれたときから一緒にいるからそが普通だと思っていた
母は私に笑いかけることもしないし、姉はすごく偉そう
それを疑問に思ったことはなかった
だけど、私の目の前にいる、母の新しい夫となるこの男はなぜか笑っている
それが不思議だった
その人はとてもお金持ちで、母がお金のために近づいたのは目に見えていた
でもそんなこと微塵も疑っていないようにその人は笑っていた
母と笑顔で話す、時折姉も笑っていて...
その彼がつれて来た子供、私の妹になる子は彼の後ろに隠れてこちらを伺っていて
ふと、目が合って
おどろいた
すごく、すごく綺麗な瞳、それにお人形さんのようなブロンドヘアー
私の赤毛とは大違い
「...」
私が黙っているとお母に怒られた
挨拶なさい、と何をしているの?と
なんだか現実味がなくて
「初めまして、シェラともうします。公爵様どうぞこれからよろしくお願いします。」
作った笑顔でお辞儀
公爵様...とてもそんな貴族には見えない彼
だけど、挨拶をしっかりしないと怒られる
「よろしく、シンデレラもちゃんと挨拶しなさい?」
すごく優しく促す彼、
それに答えるように、シンデレラは
「は、はじめまして、シンデレラって言います.よろしくお願いします」
言葉はすこしどもっていたが、姿勢よし、すごく綺麗なお辞儀をして微笑むシンデレラ
そう、とても印象に残った出会いの日
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あれから数年が経ち、
最愛の夫が亡くなったというのに母は悲しむ様子もなく
母はいつもどうりだった
ただ
ただ一つ変わったことと言えば
「シンデレラ?!何をしているの?はやく仕事なさい!誰のおかげで食事にありつけていると思っているのです?」
母のシンデレラに対する態度だ
義父が生きていたころは母は誰より、自分の実の娘よりシンデレラにやさしくしていた
きっと意地悪な態度をとって父に告げ口をされないためだろう
その義父が亡くなって、母は遊び、たまに顔をあわせれば怒鳴ってきた
シンデレラのことはなぜか目の敵にしているようで、会うたびにつらい仕事をまかせた
家の使用人は最低限、シンデレラはメイドのような扱いをうけている
もともとシンデレラは母に疑心をもっていたようであまりなついていなかったから
今思えばそれが気に食わなかったのかもしれない
シンデレラをよろしくたのむ
あの人に言われた言葉
私は何一つ実行できていない
もちろん最初は
最初は助けようとした
そうしたら閉じ込められたのだ
何もない暗い、暗い部屋に
2日間入れられ、恐怖しかなかった
暗闇の中に閉じ込められただけなのに、それだけだとわかっているのにあのときのことを思い出すと体が震える
暗闇で何も見えなくて、おともしない、まるで自分もいなくなったような感覚にさえなる
それいらい母に抵抗することを体が拒絶するのだ
シンデレラは嫌いじゃない
すごく、すごくやさしくてあの人、シンデレラの父とそっくりの優しい顔でよく笑いかけてくれる子だった
まじめで
純粋で
わがままなんていっているところを聞いたことすらない
なのに私は
シンデレラを頼むよ
あの人の言葉が胸に重く突き刺さる
私は無力よ?何をすればいいというの?
ーーーーーー
...願えばいいんだ...
...夢を見ていた気がする
朝、目を覚ますと
寝起きの頭はぼうっとしていて、
とたん、部屋のドアがバンと乱暴にあけられた
「シェラ!早くおきなさいよ~! 今日は舞踏会用のドレスをお母様がかってくださるのよ? 早くしたくなさい」
ドアから入って来たのは姉のアンドレア
ドレス...舞踏会
母は私たち娘のどちらかを(私かアンドレアのどちらか)王子様の妻にと考えているらしい
こんど開かれる舞踏会では王子様が妃候補を探すという噂でいま貴族たちのサロンや夜会ではその噂でもちきりだ
母もそれを信じて我が娘こそは王子にふさわしいと思っているらしい
その噂が立つようになってから毎日の用に、お稽古や礼儀誘うの練習を嫌というほどやらされていた
もともと厳しかったのがさらに厳しくなり
毎日夜は倒れるように寝ている
王子様なんて
どうでもいいじゃない
そう思いながら
「ドレス...」
まだはっきりしないあたまで考える
「ほーら、早くしなさいよ!お母様がお怒りになる前に!あーもう、シンデレラ~!!シンデレラはどこ?!」
姉はあたりまえのようにシンデレラをこき使う、まるで侍女のように
「はい、ここです。 なにか御用ですか?」
シンデレラは朝からひんそうなドレスで片手に箒をもってそうじをしているようだった
彼女に与えられた仕事は山ほどあって、いつも朝はやくから夜おそくまで仕事をしている
文句ひとついわないで
ただ、一生懸命
「シェラの着替えを手伝ってちょうだい、このこまだ寝ぼけてるのよ!あーちょっと、その汚い箒どうにかしてくれる?私まで汚れたらどうするのよ!」
姉はまるで汚いもでもみるようにシンデレラをみる
なのにシンデレラはなにもいわずに、ただ返事をするだけ
「わかりました。」
その態度にいらいらする
シンデレラは言われるまま私の着替えを手伝って、終わるといそいそとまた掃除にもどっていった
しっている、シンデレラは悪くない
従順なのは自分をまもる唯一の方法だから...
本当は、一番美人で、あたまもよくて、すごくやさしいこ
お母様と姉はしらないだろうけど
苦行のはずの掃除だって、楽しそうに歌を口ずさみながらやっている
自分は母の目の敵にされたくないから助けられない、
...いいえ、助けない
ずる賢くて、醜くて、そんな自分にいやけがさす
それと同時に、彼女の才能にねたんでいるじぶんもいる
かわいくて、素直で、いじめられているはずなのにきれいな彼女
私は助けようとしたわ
けど、だめだったのよ
仕方なかった
どうしようも..
なんども、何度も自分に言い訳をする
本来なら優しい父といつも笑顔のシンデレラがいたはずなのに
あの子の幸せは奪われる必要はなかったのに
どうして、義父は私の母を選んだんだろう
私は母は嫌いじゃない、家族だから
でも人間として、どうかしているとおもっているのも事実
でも、母のことをきらったりできない、こわくて
そんなことしちゃいけない
義父はすごく賢くて優しい人だった、なのに
なのに
なんで...
「お母様! 私、緑色のドレスがいいですわ。レースの部分は特注のもので!」
「そうね、王子様に見合うとっておきのドレスをオーダーしなくては」
姉と母がドレスをオーダーするために楽しそうに相談している
「..ラ、 シェラってば!」
「え?..あ、ごめんなさい、何かしらお姉様?」
ぼーっとしてしまった
気がついたと同時にしまったとおもった
母が此方をにらんでいる
言いたいことはわかる
きっと
「シェラ?あなた何を呆けているのです?!少しは淑女としての自覚をもちなさい?あなたも王子様の婚約者候補なのですよ!」
...婚約者候補になった憶えはない
けれど、母が裏でいろいろしているのはしっている
きっと、今回もコネがあるのだろう
「ごめんなさい、お母様。気をつけますわ」
声が震えないように気をつける
母は怒らせてはだめ
だめ...絶対に
ドレスに舞踏会、王子様に華やかな世界
そんなものに興味もないし、私には似合わない
きっと、そういう世界に似合うのは本当はシンデレラのような子
しっている、彼女が舞踏会に憧れている事
素敵なドレスに憧れている事
舞踏会の招待状は私たちの義父の娘へ送られたもの、つまリ本当はシンデレラが行くべき場所
けれど母はシンデレラを舞踏会へは連れて行かないと決めているようで、最近さらにシンデレラに仕事を押し付けている
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舞踏会の前日、母と姉はああでもない、こうでもないといいながら舞踏会の準備をしていた
「シェラーエメラルドグリーンのリボンとエンペラー・グリーンのリボンどちらがいいかしら?」
姉は明日きるドレスを試着し一緒につけるであろうリボンをひらひらさせながら聞いた
「お姉様はどちらも似合うと思うわ。」
実際リボンの色はさほど変わらないように見える
「そうよねぇ、私ならどちらでも似合うわ。でも王子様はどちらのいろがこのみかしら」
うふふ、と鏡の前で楽しそうにしている姉
きっと楽しい妄想でもしているのだろう
我が姉ながらすごい自信家だ
ガッシャ−ン
隣の音から何かが割れた音がした
私と姉は慌てて音のする方へ向かうと、そこにはすごい形相のお母様とシンデレラがいた
「っ!!なんてことです?!身の程知らずにもほどがあります!」
お母様はシェラに向かって怒っているようだ
「お母様?どうなさったの?」
姉はシェラが怒られているのをみて楽しそうに問う姉
「あぁ、アンドレア聞いてください。この子が舞踏会に連れて行けというのですよ?」
「まぁ、その誇りだらけのドレスで?あぁ、その箒が王子様ね?舞踏会の会場はカボチャ畑ね?すてき!」
「あら。そうでしたのね、私てっきり私たちと一緒に連れて行けと言っているのかと勘違いしていましたわ。ごめんなさいシンデレラ」
うふふ、そんな風に笑う姉とお母様をみてさすがにひどいと思うけどなにもできないわたし
お母様の視線が私にもなにか言ってやりなさいといってる
「..カボチャ畑、お似合いね」
そんなことない、彼女こそお城の舞踏会に行くべき
「それにあなた、ドレス一つもってないじゃない?」
姉がさらに追い込む
「...お、お母様の形見があります。お願いです!一生のお願いですから、一度でいいですから私もお城へ連れて行ってください。」
「あら、そんなに言うならドレスを見せてご覧なさい。舞踏会にふさわしいかみて差し上げます」
そんなお母様の言葉にチャンスだと思ったのかシンデレラはうなずき、ドレスをとりに向かった
シンデレラの後ろ姿をみているお母様のお顔はとても悪い顔をしている
シンデレラはすぐに戻ってくるとドレスをお母様に見せた
それは少し型は古いけど、一流の仕立て屋が作ったであろうとても綺麗なドレスであった
「...すてき」
思わず小声にだしてしまった、するとお母様はきっ、と此方をにらんでくる
「..っ」
そのにらみだけで背筋が凍る
「あぁ、お母様、大変ですわ。お紅茶がこぼれたままだわぁ」
「あら、本当ね。シンデレラ拭くものをもってきてくれたのね。」
お母様はシンデレラからドレスをとりあげようとシンデレラからドレスを引っ張る
「っ!!これだけは、お願いします。これだけはだめなんです。お義母さま!おねがいしますから」
とられる前とシンデレラは必死にドレスを抱きしめる
「シンデレラのくせに生意気ねーかしなさいよぁ!この家のものはお母様のものなのよ!」
姉もお母様に加勢してドレスと取り上げた
「お願いします。もう、..もう舞踏会へ連れて行ってくださいなんてもうしませんからっ!..お願いです。」
シンデレラはその綺麗な瞳を潤ませながら必死にたのんだ
「ふん、もう遅いわよ!ほら、シェラーのろまのシンデレラの代わりに優しいお姉さんのあなたが紅茶拭いてあげなさいよ」
そういって姉はシンデレラのドレスを私の足下にに投げた
「...」
私は自分のために、無言でドレスで床を拭いた
だって、言うこと聞かなかったら...私が同じ目にあってしまう
「ふふっ、いい気味ねぇー残りはあなたが片しなさいよシンデレラ!」
そういってお母様と姉は部屋を出た
無言で泣き崩れるシンデレラ
「...っ、ご..」
ごめんなさい、その言葉をのみこむ
謝るのはずるい、そう思い直し私は部屋を出て扉を閉める
「わぁああああん」
ふだんどんなにいじめられてもへらへらしているシンデレラの鳴き声が聞こえてきた
私はその部屋から一刻もはやく離れたくて、走り出した
きっとお母様に走っているところを見つかったら怒られてしまう、そう思うのに、恐怖を感じるのに足はただ走る
気がつくと家の敷地の恥にある誰もいない、カボチャ畑にいた
「っ...」
なんてひどい人間なのだろう
私はお母様や姉よりよほど醜い人間だ
涙が込み上げてきそうになるのを必死で押さえる
私になく権利なんてない
つらいのはシンデレラで
追い込んだのは私
「...最低ね」
「そうだねー、君は最低で滑稽だ」
誰もいないところでぼそりとつぶやいたはずなのに返事が返ってきた
「え?」
声のした方をみるとみたことのない黒いマントに身を包んだ美丈夫がいた
「やー君がシェラちゃん?」
不審な男に恐怖を感じて後ずさる
「いやっ!何で私のこと..こないで」
「えー怖がらないでよ。僕は怪しいものじゃありません。」
怪しくないって言う人ほど怪しいものはいない
「...だれ?」
「ふっふーん、聞いて驚け!魔法使いさ!きみのねがいをかなえにきたよ!」
あまりにも現実味のない答えに驚きが隠せない
「..変質者っ」
思わず走って逃げようとしたら腕をつかまれた
「ーっと、逃げないでよ!僕は君の義理父の知り合いだよ!」
変質者じゃないし、そんなことをむくれて言う
「..お義父さまの?」
「ああ!あー証拠もあるよ!ほらほらーこれみて?」
そういってかれはかつて私がお義父さまからもらったペンダントのいろちがいを見せてきた
「それは..」
「信じる気になった?」
なぜだかわからないけど、彼は嘘をついているようには見えない
信じていいような気さえする...
いくらお嬢様で、世間知らずでも私は自分はしっかりしている方だと思っていたなのにしんじてみたい、なんて思ってる自分に戸惑いを隠せない
「..あなたいったいどこから?何が目的なの?」
人さらい?それとも本当に変質者?
恐怖はぬぐいきれないのにいっそシンデレラにひどいことする自分なんてさらわれてしまえばいいなんて思う
「君が呼んだんじゃないか、たすけてって」
「私はそんなこと...」
たしかに心の中でいつも叫んでた
たすけてって
「僕はね、人の望みを叶え得る魔法使いだよ!いってご覧?君の願いを」
私の望み
それは
「シンデレラを幸せに...」
こんなうさんくさい人に私は何を言っているのだろうか
「へー自分のことじゃないんだ、..うん、いいよ。その望みかなえてあげよう!」
「そんなことって..」
信じられない
「あーもちろん対価あるけどいいよね?」
私は夢でもみているのだろうか
でも、シンデレラが幸せになってくれたら
あの優しいお義父に顔向けできるかしら
私はひどい私をどうにかできるかしら
もしこの男が嘘をついていて、だまされたとしても..きっとこれは私への罰ね
「いいわ。」
こうして、私は不振な黒マントの美丈夫ととりひきをすることになった
シンデレラを幸せにする対価
「じゃあ、君はこれから僕のものね」
「...つまり命?...私の命で彼女が幸せになるなら..」
あれだけひどいことをしてきたのだ、私は死んで詫びるべき
あの世では、お義父にかおむけできるといいな
「あー君ってさ、せっかくかわいいのにネガティブだね。だれもきみのいのちなんていらないよ!」
か、かわいい?そんなのあり得ない
かわいいって言うのはシンデレラみたいなこのことを...
「...私はかわいくないわ」
「あぁ、君が自分嫌いなのはわかったよ。」
「...なんでもいいわ。彼女を本当に幸せにしてくれるなら私はどうなってもいい」
「わー急に投げたね。やっぱ君は面白い」
この自称魔法使い、本当に魔法使いなのだろうか
「私が面白いとか、かわいいとか、..どうでもいいのよっ!あなたはどうやってシンデレラを幸せにするの?」
「ふふふふふふふ、よくぞ聞いてくれました。それは僕という天才魔法使いが腕によりをかけて魔法をかけるのさ、しあわせになぁれってね」
「....詐欺師?」
「違うって!君僕を信用してないな?まぁあいいさ、明日、シンデレラの運命は変わる。みててみなって!そのかわり、ちゃんと約束は守ってね?」
「...妹が、シンデレラが幸せになったら、好きにして」
突然現れたこの男、なぜだかわからないけど一緒にいると信じたくなる不思議な男だ
詐欺師かもしれない、でも詐欺師だろうがなんだろうが、私は藁にもすがる思いだ
その言葉忘れないでね
男はにこりと笑い光となってきえた
「!!え..嘘..」
私は夢でもみていたのだろうか
辺りを見回しても誰もいない
最低で、醜い私はついに妄想癖までついてしまったのだろうか...
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次の日舞踏会当日、朝から準備をするのにお母様も姉も大忙しだ
あと数刻で舞踏会へ向かう馬車がくる
「シンデレラ!早くして!!」
姉はいつもの用にシンデレラをこき使う
やっぱり、昨日のあれは..私の妄想だったんだわ
シンデレラ..ごめんなさい
シンデレラは昨日泣いた成果、少し目元が赤い
たんたんと、言われたことをこなしているその表情は悲しげだ
あっという間に時間は過ぎ、舞踏会へ向かうための馬車へ乗る
もちろんシンデレラは一緒にいない
これじゃだめ...そう思うのに何もできない
舞踏会へつき、きらびやかなお城へ入り
舞踏会が始まる
小さい頃は憧れていた舞踏会も、シンデレラの気持ちを思うとつらくなる
もちろん弱い私はお母様に怒られないように微笑み、紹介される貴族たちに無難に答える
本当にずるい
ふと、まわりをみるとフロアの一角がざわめく
「王子様だわ!」
「あの隣のご令嬢はだれだっ!」
誰かの声
応税の視線の中心には王子様と...
シンデレラ?
なぜ彼女が...
「...お母様だれかしら、あのご令嬢。みたことありませんわ」
「私も存じ上げませんわ...遅れを取りましたね...」
お母様が扇で口元を隠しながら探るように見つめている
なぜ..彼女たちはわからないのだろう
遠目からでもわかる綺麗な紙に美しい顔
幸せそうに王子と踊っている
何が..どうなっているの?
「...まさか」
「そのまさかだよ」
「っ!あなた」
「しー、声は出しちゃだめ。今の僕は君にしか見えないんだから」
そんなことって、信じられないのに確かに舞踏会に全身真っ黒のマントをした男がいるのに誰もみていない
「どう?あとは王子とシンデレラが結婚してハッピーエンドさ!さすがおれ!いいシナリオだろ?」
いろいろ説明してほしい
何がどうなっているのか状況が読めない
「シンデレラには幸運の魔法をかけた。元々あの王子とは運命で結ばれてたみたいだし?引き合わせるだけど簡単な仕事だったよ!ってことで後は掘っておいても彼女は仕合せになる。次は君のばんだよ、覚悟はいい?」
そんなこと言われても
「まー契約ってことで、一緒に来てもらうよ!」
次の瞬間、知らない場所にいた
「ここはどこ?」
周りを見渡すとたくさんの本に囲まれた部屋だということがわかった
「僕の家だよ。改めまして僕は魔法使いのクライブ。よろしくね?僕のお嫁さん!」
...そうして、私の物語が始まった
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
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