伝説への軌跡
連続小説は初めての試みです
よろしくお願い致します
私は田所有子。今年で24才になる。
今私がいるのは麻雀卓。
厳密に言うと私は出資者という立場。
つまり、場代を私が支払って代行者に麻雀の対局をさせているのだ。
しかし、この卓は普通ではない。
風速が100000.0・・・分かり易く説明すると1点=1万円でやり取りされる
常軌を逸した麻雀賭博を彼ら行っているのだ!
1人に与えられるのは25000点でオカは30000点。
オカというものは対局終了時に開催者に返さないといけない点数を示している。
つまり、開始時点で4人とも5000万円の負債を抱えているという計算になる。
でも安心してもらいたい。
この麻雀卓に警察は立ち入ることが出来ない。
何故なら雀荘そのものが日本ではなく海外を飛行中の航空機内で行われているからだ。
開催者はいくつかの富豪が資金を出し合って結成された実体の無い組織であり
この対局に彼らは我々では想像のつかない程の金額を掛けているそうだ。
しかし、そんな事は我々には関係ない。
麻雀において±ゼロに点数を調整したところで、ウマが確実に着くので
必ず順位が決定するという性質を持っている。
ウマとは1位2位の者が4位3位の者から規定の点数を支払い点差をはっきりとつけるものである。
麻雀において同じ順位となった場合親を始めた者から優先的に
高い順位が付くといったルールが定められているので、
簡単に説明すると、同順位で終了しても
確実に順位が定まりウマによって点差が必ず開く事になっているのだ。
そしてこの卓でのウマは、
一般的なものだと30-10であるのに対し、60-0(1位以外が30ずつ)
と設定されている。
つまり、1位で終了しなければ負債は1億以上にも上る可能性があるという訳である。
彼らが1位に執着するのはそれが原因である。
とりあえず、何故このような麻雀卓に同席しているのか語ることにする。
この卓に参加している私の代行者が一体何者なのか。
遡れば5年前・・・
そう。普通の少年が伝説になる物語を・・・