第89話
数分後、現れた人数は6人。
レイン、ミナト、マイ、スノウ、マチ、モクだ。
「これだけかい?」
「フレイとゼロから伝言、例外の人物にしてくれと」
「私はキキとテルから…」
「……あの件よろしく」
「言われた!?」
「アロマさんも、同じような事を言ってました」
「ソウデスカ……ヤクソクハ マモリマス」
「皆おめでとう、私が言った通りになっただろう?」
「そうですね、迷路の出口は一つじゃない、ゴールへたどり着くのは決して一人だけではない…こういう意味だったんですね」
「そういう事さ」
「デハ マズハユウショウシャカラ コチラヘ」
「はい……」
私は少年へと近づいた。
「……」
しかし、まだ……
「……ワカレノアイサツガ ヒツヨウナラ ドウゾ」
少年は察したのか、そう言ってくれた。
「……ありがとうございます」
私は皆の方を向いた。
「皆、どうもありがとう。皆のおかげで、私はこうしてここにいられる。私は、生き返る事ができるの」
包み隠さず、私の思いを皆へと伝えた。
「へっ、何言ってんだよ、ツバサが優勝したのは、強かったからだろ」
「そうよ、私達を2人同時に相手して勝ったんだもの。実力で勝ったのよ」
「ありがとう。スノウ、マチ、お兄さんと妹さん。見つかると良いね」
「もちろんだ」
「もちろんよ」
「優勝おめでとう、ツバサ」
「ありがとうモクさん。あなたも生き返ったら、今度は告白を断らないでくださいよ?」
「ふっ……分かってるよ」
「……おめでとう、ツバサ」
「ありがとう、マイちゃん」
「……もしも……向こうで会えたら……友達になって、くれる?」
「もちろんだよ」
「……ありがとう」
「もちろん私もだよ、マイちゃん。というか、私達はもう友達でしょ?」
「そうだよ、私とミナトとマイちゃんは、もう友達よ」
「……うん……私達は……友達」
「おめでとうツバサ」
「ありがとうレイン」
「また、どこかで会えたらいいな?」
「そうだね」
「まぁ、俺は様々な所を転々としてるからな、どこかで会えると思うぜ」
「分かった、その時を楽しみにしてるね」
「おう」
「達者でな、ツバサ」
「ハカセこそ、お元気で」
「私は何時でも元気さ。もしまた来るようなら連絡をくれよ、助手にしてやるからね」
「さすがにそれは……」
「冗談さ。生き返った者がまたここに来る事は無いからな……じゃあ、またどこかで会える事を楽しみに」
「はい、どこかで会える事を楽しみに……」
「ワカレハ オワリマシタカ?」
「はい」
「デハ アナタヲ シヌチョクゼンニ オクリマス」
そこで、私の意識は無くなった。