第74話
大会に出る事にしました。
もしかしたら、彼女と戦えるかもしれませんですからね。
くじを引くと六番と書かれていました。同じ数字の方と組むそうですが、何か違和感があるのです。
……まぁいいです。今は相方を探しましょう、
……見つかりません、いったい何処にいるですか。
六番の人を探していたら、あの人を見つけました。
1人で歩いていますが……もしかして。
「……」
声をかけるチャンスですね。
私は彼女の後ろに回り、声をかけました。
「あの…」
回転力を得た十字架は、今までよりも威力が高かった。
それは、真っ二つになってしまったモクをみたら明らかだった。
ガスンッ
十字架が地面に刺さった。鎖を巻いていたのでそれを引っ張り、十字架を回収する。
シアイ シュウリョウ
ツヅケテ ダイニシアイヲハジメマス
私はモクの回復を待っていた。
真っ二つにしてしまった結果、まず繋がるのに時間がかかり、そこから回復が始まって、目覚めるまでに
20分もかかった。
「……俺は、負けたんだな」
起き上がって私を見たモクの第一声だ。
「はい、私の勝ちです」
「凄いな、あんな技何処で覚えたんだ?」
「私は元より、全体に対する攻撃や広範囲の攻撃って無かったんですよ、だから考えたんです。全方向対策、あなたのあの技への対策を」
「そうか、やはり凄いよ。俺はバカの一つ覚えでな、アレしか使えない。やはり努力家は強いな」
「ありがとうございます」
「ところで、俺にかまっていていいのか? 決勝の相手が決まる戦いを今してるんだろう?」
「……いえ、実は…」
……そう、実は既に準決勝は終了した。
勝ち残ったのは、ミカだ。
それで、今は休憩中である。
「そうか、あの子が勝ち残ったのか」
「はい、ですがこれで、約束が果たせます」
「約束? あぁ、そういえば言っていたな」
「知っているのですか?」
「あぁ、ツバサの関係者かどうか聞いた時にな」
「……双子じゃないですよ」
「それも聞いた。しかし似すぎじゃないか?」
「そう、なんですよね……」
「実は双子なんじゃないか? 生き別れたとかそんな感じのはあり得るだろ?」
「……違うと思いますけど」
そう言われては違うとも言い切れない。
だがそうだとして、あそこまでそっくりになるものだろうか?
例え離れて暮らし、互いに互いを知らなくても、ここまで同じようにはならないと思うのだが。
「これはハカセが喜びそうな謎だよな」
え?
「モクさん、ハカセをご存知なんですか?」
「あぁ、まあな」
モクがハカセに出会ったのは、ちょうどあの時、私が雪国でモクに会った後、黒い扉を見つけたらしい。
今その話を、私達は集まって話していた。
人数は全9人、
レイン、ミナト、マイ、スノウ、マチ、キキ、テル、そしてモクと、私だ。