第69話
それから私ことミカは、ハカセの助手になりながら参加者と戦い続けました。
ハカセは様々な事を教えて下さり、私の事についても親身になって考えてくれた。
面白い観察対象を見つけたよ。というのを聞いた気がしますが、気のせいですよね? ……ね?
「ふむ……死ぬ前の事全てと、死ぬ理由を忘れたと」
「はいです…」
「死んだ時の事柄がの戦う道具になるはず。それを使えているから指して問題は無い筈だけどね……、少し調べさせてくれないか?」
「どうやってですか?」
「もちろん、体中を懐中電灯で照らして、あんな物やそんな物で調べ…」
「本気ですか!?」
「まさか、ここにはあんな物もそんな物も……まず懐中電灯から無いからね」
……もしあったなら、ハカセなら本気でやっていた筈です……。
「ふむ、そういえば関係があるか分からないが、ミカそっくりな参加者がいるのだよ」
「私そっくりの?」
「うむ、ミカが行ってから暫くして現れたんだがな、背格好、身長、見た目、声までそっくりだったよ」
「はぁ…」
「もしかして、双子?」
「違いますです。私には姉も妹もいない筈です」
「前の記憶が無いのにその言い切りはないんじゃないかな?」
「あ……」
「ふむ、一度会って見たらどうだい?」
「会う……ですか?」
「どうせ戦う必要があるんだから探してみたらいいよ。名前は……」
ハカセとの修行は端的に言えば組み手だが、本当の理由は別にある。新しい攻撃方法を得る事だ。
ハカセの思い形見は本にペンで書いた事を実現することで、まず最初に思いあたる攻撃方法を防ぐという事を書く。これで準備完了だ。
後は今までの攻撃方法では一切傷つかないハカセに何かしら新しい方法、本に書かれていない方法で攻撃を当てるというもの。時間がないから力をつけるよりも技を多く持っておく方が効率が良いとハカセの助言だった。
ちなみにレインは分単位で約90分間は修行していた。
私は70分ぐらいから皆と共に参加して修行をしたが、それだけでも攻撃方法等を4つ程思い付いた。
その内の1つを今、使ってみることにしよう。
私は鎖を伸ばした。先のように螺旋状だが、言うなればドリルだ。
円錐形を型どった鎖をレインに向けて放った。
レインは小石を放つ、先と同じように鎖の中心に、しかしこれは先とは違うのだ。
中心に当たる寸前で、小石は明後日の方へと飛んでいった。
これは竜巻だ。故に中心からでしか入れないそれだが、これはその中心に向こう向きに重力をかけている為に中心には入れず、回りの鎖には様々な方向へとかけた重力により飛び道具類は明後日の方へと飛んでいく。
縦に長くでリーチが伸び、横に広くで防御率が上がる。使い勝手の良い盾だ。
しかしこれは攻撃ではない、それに使い続けるとレインに対処法を思いつかれてしまうだろう。
なので、次の手段をとる事にした。