第67話
オマタセシマシタ ダイサンカイセンヲ ハジメマス
ミナサン クジヲヒイテクダサイ
テルとキキは負けてしまったらしい。ちなみに相手はレインとマイだった。
しかしだ。今の私にはそれ以上に気になっている対戦カードがあった。
アロマ対ミカ
ちょうど私の試合の前だったらしく、故に見ていない。
だから私は2人を探した。どちらでもいいから会えれば、話を聞けるからと思って。
探した結果、出会ったのはアロマだった
「アロマさ…」
聞く前に勝敗が分かってしまった。彼女はとても落ち込んでいた。それは香りのダメージからではない、ショックからくるものだ
「……ツバサ」
アロマが私に気付いた。
「すみませんね、約束を果たせなくて」
申し訳なさそうに、しかし悲しみいっぱいの表情で微笑んだ。
「……相手はミカだったんですよね?」
アロマは頷いた。
「……話してもらえますか? 何があったのかを」
つらい思い出だとは分かっている。けど、それを聞きたくて探していたんだ。
「……分かりました。お話しいたしましす」
また、駄目だった。
私はただ、………に。…れ…い……なのに。
あの時がチャンスだった、なのに……
のに……
シアイ カイシ!
カーン
「行きますよ!」
私は……ただ、
バチ
肩に何か当たった。
何だろう?
でもそんなのどうだっていい、
私はただ、………に…れた…だ…
バチ バチ バチ
肩に腕に頭に何かが当たる……何だろう?
でもそんなのどうだっていい、
私はただ…
バチン!
見ていた右手を弾かれた。
……何だろう?
今のはいったい……分からないや。
でも、ただ一つ分かる。
「トドメです!」
あれは、
これから先に邪魔だって事だ。
ドスッ
「え……?」
ドシャ
「大振りな攻撃のせいで、心臓に砂の槍を受けました。あれが一撃必殺となって……私は負けました」
「……」
「作戦にしては手が込んでいましたし……何か思い考えていたと思います」
「……ありがとうございます。思い出すのも辛い筈でしたでしょうに」
「いえ、大丈夫ですよ。これが戦いの道ですからね」
「……」
「ツバサさん、頑張ってくださいね、あなたにはまだ約束をした友がいるのでしょう? 彼女の為にも、そこまでは絶対に負けてはいけませんよ?」
「……はい」